中野駅周辺の現在と未来予想図をレポート

23区の西側に位置する中野区は、中央線沿線屈指の繁華街。JR「中野」駅で中央線に乗れば隣の「新宿」駅までわずか5分という交通利便性の高い街です。そんな「中野」駅周辺では現在、多数の再開発・整備事業が進行中。2012(平成24)年には各再開発に先駆けて「中野四季の都市(まち)」が街開きしており、街の姿が変わってきています。あちこちで工事が行われている街を歩き、中野の現在と未来予想図をレポートします。

「新北口歩行者広場」から見た「北口駅前広場」
「新北口歩行者広場」から見た「北口駅前広場」

橋上駅舎となり周辺との往来がスムーズに!開発の核となる「中野」駅

「中野」駅が現在の場所に移った1928(昭和3)年から、およそ100年。JR中央線・総武線、東京メトロ東西線が通る交通結節点として大きな役割を担ってきた現「中野」駅も、変化の時を迎えています。既存の南口・北口に加えて新たに西口と南北通路を設け、駅ビルと一体的な構造の橋上駅舎を建設予定です。南北の駅前広場と一体的に整備することで、公共交通機関の利便性や歩行者の回遊性を確保。ビジネスや文化発信の拠点であり、優れた生活空間である中野の玄関口を目指します。駅を囲む中野二、三、四、五丁目の各事業とも連動し、2026(令和8)年に開業予定です。

この開発・整備によって、線路による南北の分断解消など交通結節機能を強化。安全かつ快適に回遊性の向上を図ります。災害時には広域避難場所への避難路としての機能も担います。新たな駅ビルの誕生で利便性が高まるとともに、地域商業もさらに発展していくことでしょう。

建物の形が
見えてきました

北口から見た建設中の駅舎・駅ビル
北口から見た建設中の駅舎・駅ビル

新しくなる駅舎

中野駅周辺の現在と未来予想図をレポート
中野駅周辺の現在と未来予想図をレポート


「中野」駅北口がより快適で魅力的な空間に

中野四丁目のうち東側約8ヘクタールを範囲とする「中野四丁目新北口地区」は、都市部と多摩地域を結ぶ中野の立地特性を生かし、東京西部都市圏のシンボル空間として整備。中野および周辺の経済発展をけん引する存在を目指します。そのひとつが、公民連携で整備する「新北口駅前広場」。公共の歩行者広場と閉館した中野サンプラザ前に整備される民間の「出会いの広場」が一体となった、多くの人が行き交うエントランス空間となります。北口のバスロータリーは、区内最大の交通結節ポイントとして電車・バス・タクシーなど各交通手段を円滑につなぐ「新北口交通広場」へと生まれ変わります。

さらに、南北通路と「中野四季の都市」をつなぐ「新北口歩行者デッキ」を新設。立体的な動線を確保することで、歩行者、自転車、車などの交錯を解消。駅や周辺施設に安全かつスムーズに移動できるようになり、歩くのが楽しいまちになるでしょう。併せてデッキの先には、人々が憩い交流できる居心地の良いエントランス空間「中野四季の都市ゲート広場」をつくります。

区役所前からの景色

現在の北口バスロータリー
現在の北口バスロータリー

中野のシンボルとなった公園

中野セントラルパーク
中野セントラルパーク


変わる「中野」駅北口の景観(1)

これまで中野のシンボル的空間を担ってきた「中野区役所」や「中野サンプラザ」も、竣工から半世紀近くが経過。区役所は「中野四季の都市」へ移転し、「中野サンプラザ」は区役所跡地とともに再整備(完成時期未定)されます。2ヘクタールにおよぶこの敷地に新たに建設されるのは、ホール、オフィス、住宅、商業施設、ホテルなどから構成される複合施設。新たな中野のシンボルとなる、文化・芸術の発信拠点とすること。最大7,000人収容可能な大ホールやホテル、まちづくりを推進する施設などを整備。旧・中野サンプラザの機能を継承しつつ、新たな機能を追加します。2つめは回遊性を高める歩行者ネットワークと広場。新たな交流とにぎわいを創出します。3つめは地域とともに成長するまちづくり。中野の魅力である独自の文化を維持・増進するために活動し活性化を図るとともに、防災や防犯に向けた取り組みを促進します。4つめは中野サンプラザのランドマーク性を継承するデザイン。印象的な三角形を活かしつつ、新たなシンボルタワーとなることを目指します。

新しい街のシンボルの誕生。文化・芸術体験や地域活性を盛り上げるスポットの誕生が今から楽しみです。

2023(令和5)年7月に閉館

旧・中野サンプラザ
旧・中野サンプラザ

新たなにぎわい創出

新たなシンボルタワーへ
新たなシンボルタワーへ


変わる「中野」駅北口の景観(2)

中野区新庁舎は「中野四季の森公園」の北側で2021(令和3)年に着工。2024(令和6)年6月に移転・開庁予定です。新区役所は地上11階・地下2階建て。環境に優しい庁舎を目指し、外壁には日差しを遮るパネルや太陽光パネルを設置する他、雨水や地中熱利用、屋上緑化など、自然エネルギーを活用し、環境負荷を抑える仕組みを採用。建築物省エネルギー性能表示制度の「BELS(ベルス)」で最高評価の五つ星を取得し、国の高い省エネ基準を満たした「ZEB(ゼブ) Ready(レディ)」の認証を受けています。イベントスペース、カフェ、コンビニなども入居予定。地域住民にとって利便性に優れた、環境にも優しい公共サービス空間となりそうです。

存在感が
増してきました!

建設中の新・区役所
建設中の新・区役所

スタイリッシュなデザイン

新区役所イメージ
新区役所イメージ


中野四丁目(囲町)周辺の再開発・整備

次に「中野四季の都市」の南側を見てみましょう。約2ヘクタールに及ぶ囲町東地区では、三井不動産グループが進める住宅、オフィス、商業施設のミクストユースプロジェクトが進行中。「緑があふれ都市と自然とが融合した街づくり」をコンセプトにした、隣接する「中野四季の都市」や「囲町ひろば」と緑の連続性を感じられる計画で、2025(令和7)年12月に完成予定。中野駅と囲町地区を結ぶペデストリアンデッキも建設中です。

囲町西地区では周辺環境を勘案し、敷地の東側に建物を配置予定。都市型住宅を中心に店舗、事務所、子育て支援施設などが入り、2027(令和9)年度に完成する見込みです。地域環境に配慮し多世代の共存を意識した新たなマンションも、生活の場として中野エリアをより魅力的にしてくれそうです。

まだ基礎工事の段階

囲町東地区建設中の様子
囲町東地区建設中の様子

緑あふれるビル

中野四丁目(囲町)
中野四丁目(囲町)


「中野」駅周辺のその他の再開発・整備

北口以外の状況も確認しておきましょう。南口では再開発と区画整理を一体的に進めています。業務棟と住宅棟の2棟の再開発ビルはほぼ完成しており、2023(令和5)年度中に開業予定。駅前広場の拡幅や、駅前広場から大久保通りに抜ける新たな道路も整備されます。駅前広場の整備は2025(令和7)年度に完了予定。

新たに整備される「南北通路」から中野三丁目につながる出口側には、新たなにぎわいの場となる「西口広場」が2026(令和8)年に設けられます。安全・快適に移動できるユニバーサルデザインで、デッキ踊り場、地上部を一体的な空間となるようにします。また、地域の歴史や文化を継承し、既存の周辺施設や樹木などとの調和を図り、駅のホームや周辺施設からの見え方にも配慮した空間を目指します。

2023(令和5)年度に開業予定

2023年度に開業予定
2023年度に開業予定

駅周辺が便利になる

駅前も大幅に変化
駅前も大幅に変化


発見ポイント!

北口エスカレーター上の歩行者広場
北口エスカレーター上の歩行者広場

  • (1)「中野四季の森公園」が暮らしに溶け込んでいる
  • (2)南口の再開発ビルは、ほぼ完成している
  • (3)北口駅前エリアの開発はこれから

中野駅周辺の現在と未来予想図をレポート
所在地:東京都中野区 

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