新鮮魚介を市場の安さで、プロも通う御徒町駅前の専門店

鮮魚を中心にプロも満足させる充実の品揃え「吉池」

1920(大正9)年に創業した株式会社吉池の本社ビルは、2014(平成26)年に竣工した。地下2階には酒類・日用雑貨、地下1階には総合食品、そして1階では市場スタイルで鮮魚を販売し、最上階の9階には「吉池食堂」が入っている。地域住民からプロまでが訪れる店の魅力を伺った。

お話を伺った 株式会社吉池 本店営業部 執行役員 秋葉健治さん
お話を伺った 株式会社吉池 本店営業部 執行役員 秋葉健治さん

会社がこれまで歩んできた道程

――まずは「株式会社吉池」の歴史と概要からお聞かせください。

秋葉さん 当社は、新潟県出身の髙橋與平が1920(大正9)年に、現在の東京都港区・三田で鮮魚小売店を開業したのが始まりです。その後、1933(昭和8)年に御徒町に移転し、鮮魚を中心に食料品、衣料品、酒類、日用雑貨等を幅広く取り扱うようになりました。

1941(昭和16)年に設立した「株式会社吉池商店」を経て、1963(昭和38)年に「株式会社吉池」へと社名を変更。そして2014(平成26)年に本社ビルを建て直して、現在のかたちになりました。創業者が新潟県出身ということもあり、新潟に関係する商品が充実しているのが特徴です。

2014(平成26)年に竣工した株式会社吉池の本社ビル
2014(平成26)年に竣工した株式会社吉池の本社ビル

――鮮魚、食料品、レストランなど“食”とはさまざまな接点を持たれています。どのような方がいらっしゃるのですか?また、お客さんから届く声はありますか?

秋葉さん まず、お客さまの層についてですが、平日は近隣に住んでいる方が多いですね。個人で飲食店を経営されている方、職人の方、また、ここでしかないものを手に入れようと県外から来店される方もいらっしゃいます。土曜日と日曜日は観光客が増えるのですが、近くを歩いていたら市場のような売り場が気になって入られたという方も多いように感じます。お客さまの感想としてよく聞くのは、“他で売っていないものがここにはある”というものです。今後もこうした期待に応えられる店づくりを心がけていきたいと思います。

“他で売っていないものがここにはある”という店づくりをこころがけている
“他で売っていないものがここにはある”という店づくりをこころがけている

本社ビル竣工を機に当初のスタイルに戻る

――9階の「吉池食堂」では、和・洋・寿司の3の味を楽しむことができるそうですね。どのような経緯で、現在のかたちになったのでしょうか。

秋葉さん 以前は、同じフロアでいろいろな味を楽しめる現在と同じかたちで営業していました。その後、ビルを建て直したときにフロアごとにわかれたのですが、2014(平成26)年に完成した本社ビルでは、壁や仕切りを設けない当初のかたちに戻ることとなりました。

さまざまな味を楽しめる「吉池食堂」のスタイルを引き継いだ「放心亭」では、洋食、蕎麦やおにぎりなどの和食、さらには中華料理もあります。また「寿司処 しゅん」では、我々が得意とする鮮魚を使った寿司をリーズナブルに提供しています。よいものを高く提供するというのは誰でもできることです。驚かれるくらいによいものを安く、楽しんでいただけるように心がけています。そして「うまい処 池田屋」でも、新鮮な魚介をはじめ和食の数々を、厳選した日本酒で味わうことができます。

鮮魚を使った寿司をリーズナブルに提供する「寿司処 しゅん」
鮮魚を使った寿司をリーズナブルに提供する「寿司処 しゅん」

――1階鮮魚コーナーについて、鮮度へのこだわりを教えてください。

秋葉さん 豊洲や築地場外の市場からの商品は朝6時に買い付け、開店の9時30分には店頭に並んでいます。市場から届く商品だけでなく、我々は産地直送の商品にも力を入れています。その産地は、北海道(別海、函館、厚岸)、新潟(全般、佐渡)、千葉(勝浦、銚子)その他、宮城、神奈川、富山、島根、鳥取、三重、福岡など、広い範囲に及びます。また、取り扱っているマグロについては、すべてが天然物です。

スーパーマーケットに併設された鮮魚売場の多くは切り身が主流ですが、我々は“丸物”と呼ばれる丸ごと一匹を販売するスペースを確保しています。時期によって異なる旬の魚介は、食べてはもちろん、眺めているだけでも楽しい気持ちになると思います。

時期によって異なる旬の魚介が集まる
時期によって異なる旬の魚介が集まる

地域になくてはならない店として

――この地域にとってランドマークのような存在ですが、地域の方に必要とされるお店であるために常日頃から工夫されていることはありますか?

秋葉さん お客さまとのコミュニケーションを大切にし、扱ってほしい商品や、他店であまり扱っていない商品を仕入れるなど、ご要望にできる限り応えられるように心がけています。常にお客さま目線で考え、何をすれば喜んでいただけるかという姿勢を大切にしています。

鮮魚を中心に食料品、衣料品、酒類、日用雑貨等を幅広く取り扱っている
鮮魚を中心に食料品、衣料品、酒類、日用雑貨等を幅広く取り扱っている

――1933(昭和8)年から、この場所で営業されています。この街で長きにわたりご商売をされてきたことで感じる街の特徴はありますか?

秋葉さん 土地柄なのかはわかりませんが、お客さま同士が繋がっているケースがよく見受けられます。双方がよいと思った情報の共有や、一度も来店のない方に当店をご紹介してくださるなど、我々としては本当にありがたく思っています。

――このエリアにこれから住むことを検討されている方に一言メッセージをお願いします。

秋葉さん 我々が目指しているのは、“お魚いっぱい、珍しいものがいっぱいの吉池”です。コミュニケーションを大切にし、お客さまに喜んでいただける、また楽しんでいただけるよう頑張っていきますので、ぜひ当店に足を運んでいただけると幸いです。

「吉池」
「吉池」

吉池

株式会社吉池 本店営業部 執行役員 秋葉健治さん
所在地:東京都台東区上野3-27-12
電話番号:03-3831-0141
URL:https://www.yoshiike-group.co.jp/
※この情報は2024(令和6)年4月時点のものです。