スペシャルインタビュー

訪れた人みんなを笑顔にする「サカノウエカフェ」のあふれる魅力

TVや雑誌など各種媒体で紹介されることも多い、絶品の創作かき氷が食べられるお店「サカノウエカフェ」。湯島の繁華街から少し離れた三組坂(みくみざか)の坂の上にお店を構える人気店で、湯島天神や神田明神の参拝がてらぜひ一度立ち寄ってみたいお店。
同店が参加する「ねこまつり at 湯島~猫でつなぐ湯島のまち〜」というイベントも開催より12回を数えるファンの多い取り組みで、開催される2月と9月には湯島にねこを求めて多くの人が訪れる。
今回は「サカノウエカフェ」店長の町山友康さんにお店の特徴やオススメのメニュー、またお店のある湯島エリアの街の魅力についてもお話を伺った。

お話を伺った町山さんと奥さま
お話を伺った町山さんと奥さま

自分のお店を持ちたいという思いから独立してカフェをオープン

――まず、開店のきっかけについてお聞かせください。

町山さん:もともと自分のお店を持ちたいという思いが強くありまして、35歳の時に独立して「サカノウエカフェ」をオープンしました。
それまで勤めていたお店は、飲食店というよりアミューズメント系の大きなお店だったのですが、カフェという業態であれば個人でもいろんなことに挑戦できるんじゃないかといったところに魅力を感じてスタートしたのが始まりです。

三組坂を上ると見えてくる「サカノウエカフェ」
三組坂を上ると見えてくる「サカノウエカフェ」

「テーブルに笑顔を」をモットーに、一年中かき氷が楽しめるお店へ

――お店のコンセプトや大切にしていることは何ですか?

町山さん:2012(平成24)年10月にオープンしたのですが、当初はランチをやったりケーキを提供したり、一般的なカフェとして営業していました。
かき氷を提供するようになったのは2015(平成27)年の夏頃からで、今ではかき氷のお店と言ってしまっても良いくらい、一年中かき氷をお出ししています。
大切にしているのは、お客様に笑顔になってもらいたいという思いがあるので、「テーブルに笑顔を」をモットーにしたメニューやサービスを心がけています。料理をテーブルに運んだ時にお客様が思わず「くすっ」と笑ってしまうようなものを意識してメニューを考えたり、提供の仕方を工夫したりしています。

店内の様子
店内の様子

旬のフルーツを使った期間限定のかき氷がオススメ

――おすすめのメニューやこだわりについて教えてください。

町山さん:定番の「こおりのショートケーキ」(税込1,300円)も人気ですが、かき氷のなかでも旬のフルーツを使った期間限定のかき氷がオススメです。安心・安全な素材を選んでシロップなどにしているのもそうですし、季節によって内容が変わるので来るたびに異なる味のかき氷をお楽しみいただけます。
またエスプーマという機械を使って軽い泡状のものをトッピングしているのですが、軽い口当たりの氷とも相性が良くて、かき氷の楽しみ方が広がると思います。

氷とエスプーマの口当たりが優しい「こおりのショートケーキ」
氷とエスプーマの口当たりが優しい「こおりのショートケーキ」

人通りが少なくなる夏の湯島に集客したい一心でかき氷に注目

――かき氷に注目した理由は何ですか?

町山さん:湯島に出店して気がついたことですが、お盆の時期になると街には人が少なくなるんですね。近くにお住いの方は帰省や旅行でいなくなりますし、専門学校や会社も夏休みに入るとこの辺りは本当に人が少なくなるんです。
最初の頃は誰も来ないのでお店を閉めていたんですけど、夏場にどうにか集客したいなと考えてかき氷に注目しました。

坂を上った先でかき氷が食べられるのはうれしい
坂を上った先でかき氷が食べられるのはうれしい

他の取材などでも正直に答えているのですが、特にかき氷が好きだからというわけではないんです。むしろ自分は身体が冷えるので…(笑)
メニューを開発するにあたって他のかき氷屋さんの視察に行っていた時は大変でした。でも、そういう自分が最後のひと口まで楽しめるかき氷を作ることができれば、かき氷の好きな方にとっては、魅力的な心に刺さるメニューになるだろうという思いでやっています。

ねこを求めて湯島に人が集まる地元密着型のイベント「ねこまつり」

――HPに記載のあった「ねこまつり」やねこに関するメニューについてもご紹介ください。

町山さん:正式には「ねこまつり at 湯島~猫でつなぐ湯島のまち〜」と言うのですが、湯島にあるお店が企画・運営する地元密着型のねこフェスです。2015(平成27)年の開催より今年で6年目になりました。
はじめは保護猫の活動で知られる「ネコリパブリック」さんと「王冠印雑貨店」さんとが街を盛り上げるために何かできないかと話をしていた中で、「飲食も必要だよね」ということで当店に声をかけていただいたのが始まりです。
毎年2月と9月の年2回の開催で、今回(2021(令和3)年2月20日~3月21日)で12回目を迎えました。今はコロナの影響もあって、人を集めるイベントの開催はどうなんだろうかという議論もあったのですが、人が分散するように開催期間を長くしたり、感染対策を徹底したり工夫しながら続けています。

町山さん
町山さん

最初は3店舗ではじめたこのイベントも今では11店舗ものお店に参加いただいて、スタンプラリーがあったり、ねこをモチーフにした商品やメニューがあったり。参加している私たちも横のつながりができるので面白いですね。
当店ではイギリスのお菓子バノフィーパイをかき氷にした「バニャフィーパイ」(税込1,650円)や、「焼き芋フレンチトースト(コーヒーor紅茶セット)」(税込1,800円)、「ねここあ」(税込800円、土日限定10杯)といったメニューを提供しました。

秋から春にかけて提供される「おもちフレンチトースト」
秋から春にかけて提供される「おもちフレンチトースト」

利便性もよく、落ち着いた雰囲気の湯島エリア

――湯島エリアの魅力は?

町山さん:ここは本当に良い場所で、交通アクセスも良いですし、近くには学校や病院もあって子育て世帯も安心して暮らせると思います。また新しいマンションも建設中なので、これから住まわれる方も多くますます賑わいのある街になると思います。
あとは文京区全体がそうなのかも知れませんが、住まわれている方の雰囲気が上品ですよね。町会の方にお話を聞くとこの辺りには士業や学校の先生も多いようで、お店に来てくださるお客様からいろんなお話を聞くことができるのも楽しいですね。
また「東京大学」の学生がアルバイトの募集で来てくれたこともありまして、一緒に働いたことがあります。本人曰く「マーケティングの勉強をしたい」と。そういう志の高い人はやっぱり良いですね。近くにある「湯島小学校」も私立に進む子どもさんが多いと聞いていますし、勉強に力を入れたいと考えているご家庭にとっては恵まれた環境だと思います。

文京区立湯島小学校
文京区立湯島小学校

――おすすめスポットやお気に入りの風景などがあればぜひご紹介ください。

町山さん:ここは「湯島天神」と「神田明神」のちょうど真ん中にありまして、お参りがてらお立ち寄りいただく方も多いのですが、オススメは「湯島天神」の梅まつりで、特にライトアップされる夜の雰囲気が最高ですね。人も少ないですし梅の香りも感じられるので、ぜひ一度、夜の時間帯に足を運んでいただきたいですね。
街並みだと実盛坂(さねもりざか)の階段から眺めた風景が好きです。夏場は風が吹き抜けて気持ち良いんです。

夏は気持ちのいい風が吹き抜ける実盛坂
夏は気持ちのいい風が吹き抜ける実盛坂

地域とのつながりも感じられる居心地の良い街

――お店を開く前と比べて湯島のイメージは変わりましたか?

町山さん:お店を開く前までは土地勘もそれほど無かったんですけど、坂を上ったこのあたりはけっこう落ち着いた雰囲気で、地元の方ともお話をしていく中で印象がだいぶ変わりました。
今は地元の町会にも入れていただいて、地域のイベントにも参加させていただいているのですが、30代前後の若い人が集まって取り組んでいる青年会の活動が活発で、「湯島天神」の盆踊りで約30年ぶりに「湯島音頭」を復活させたり、夏期限定のお化け屋敷をやったり。
今年はコロナの影響で中止になってしまったのですが、過去には「湯島天神」の梅まつりの時に出店させていただいたこともありますし、地域とのつながりを感じます。
これからこの地域に住まわれる方も、地域のイベントなどに参加していただくと街の魅力が伝わって楽しい生活が送れるんじゃないかなと思います。

湯島天神
湯島天神

――今後はどのようなお店でありたいとお考えですか? また挑戦したいことなどありましたら教えてください。

町山さん:常に応援され続けるお店でありたいと思っていまして、そのためには常に何かに挑戦して変化し続けることが大事なのかなと考えています。
かき氷に注目したのがきっかけで広く知られるようになったのもそうですし、百貨店の催事に出店したり、企業とのコラボでレシピ動画を撮影したり。去年のクリスマスにはドライアイスを使った演出に初めて挑戦してみました。もちろん失敗も数多くあるんですけど、やってみないと何が失敗かもわからないままなので、とりあえずやってみようという気持ちで挑戦し続けています。

世界でも提供できるかき氷を目指して
世界でも提供できるかき氷を目指して

コロナ前には海外の催事に出店させていただく計画もあったのですが、全て白紙になってしまいまして、そこはあらためて挑戦したいなと考えています。韓国の雪氷(ソルビン)や台湾の雪花冰(シュエフアービン)、タイのナムケンサイなど世界には美味しいかき氷がたくさんあるんです。
飲食に適した純氷が手に入る国も限られているので、そういうハードルを乗り越えながらいろんな国でかき氷を提供できたら最高だなと思っています。

サカノウエカフェ
サカノウエカフェ

サカノウエカフェ

店長 町山友康さん
所在地:東京都文京区湯島2-22-14
URL:http://sakanoue-cafe.com/
※この情報は2021(令和3)年3月時点のものです。