木綿布団や打ち直しのサービスが魅力

カナリヤふとん店

たくさんの商品が並ぶ店頭
たくさんの商品が並ぶ店頭

1929(昭和4)年創業の「カナリヤふとん店」は、区内でも数少ない布団専門店だ。敷き布団に掛け布団、毛布、タオルケット、枕、各種カバー、こたつ布団、座布団、長座布団など、寝具と布団類が一通りそろっている。掛け布団は羽毛、敷き布団は化繊が主流になってきているが、同店は昔ながらの木綿布団も充実している。

床から天井まで商品で埋め尽くされた店内
床から天井まで商品で埋め尽くされた店内

専門店ならではの品ぞろえはもとより、同店で重宝されているのが打ち直し(10,780円~)だ。打ち直しとは江戸時代から続く木綿布団の再生技術で、綿を取り出してほぐし、新しい生地で包むこと。潰れて固まった綿に空気が入り、ふっくら感がよみがえるのだ。綿を重ね合わせて詰める作業は機械ではできないため、職人による手作業で行っているという。

羽毛の掛け布団
羽毛の掛け布団

クリーニングと違って生地は新しくされるし、サイズを変えられるのも便利だ。使わなくなった座布団数枚で敷き布団を作ることもできるし、掛布団をこたつ布団やクッションに仕立て直すこともできる。打ち直しは、最小限の環境負荷で実現できるリサイクル方法なのだ。持続可能な社会を目指す現代にふさわしいサービスと言える。粗大ごみとして捨てれば費用もかかる。家に古い布団がある人は、打ち直してもらうといいだろう。なお、羽毛布団の再生も行っている。

タオルケット、座布団、枕など
タオルケット、座布団、枕など

リサイクルとエコロジー商品の充実に力を入れているだけあって、同店では打ち直しで引き取る古い生地も無駄にはしない。洗ってボランティア団体「江戸ものづくりサロン」に無償提供し、布草履などの材料として役立ててもらっている。

木綿の良さを広める活動に力を注ぐ2代目の安田宗光さん(右)と、3代目の光式さん(左)
木綿の良さを広める活動に力を注ぐ2代目の安田宗光さん(右)と、3代目の光式さん(左)

木綿布団の特長は、再生が効くことだけではない。吸湿性と通気性に優れていて、汗をよく吸収するが蒸れない。寝具にうってつけなのだ。店主の安田光式さんは「再生できない石油由来の化繊の布団を使い捨てにする時代は終わりました。環境のためにも、打ち直しという伝統を絶やさないためにも、木綿布団の販売を続けていきたい」と話す。

カナリヤふとん店
所在地:東京都江戸川区平井4-6-2 
電話番号:03-3681-2905
営業時間:9:30~19:30
定休日:日曜日

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