文京区西片エリアガイドNISHIKATA AREA GUIDE

文京区西片での家族の暮らしを知る、「子育てひろば西片」インタビュー

都営三田線「春日」駅から徒歩5分。坂の上にある「子育てひろば西片」は、公設民営の子育て支援施設だ。今回は施設の概要や、さまざまな企画が催されるイベントの内容、そして西片エリアの魅力について、職員の伊勢友美さんにお話を伺った。

インタビューに対応していただいた伊勢友美さん
インタビューに対応していただいた伊勢友美さん

職員の個性と、保育園併設の立地を活かした運営を実施

――まずは「子育てひろば 西片」の施設概要を教えてください。

伊勢さん:西片エリアは旧福山藩の江戸屋敷があった場所で、この辺一帯は元々、藩主だった阿部家の敷地でした。ここには阿部家がつくった阿部幼稚園という私立幼稚園があり、それが1969(昭和44)年に区立西片幼稚園になりました。子どもが減ってしまったこともあり、1996(平成8)年3月に閉園し、その幼稚園の園長だった方が元園舎を利用して子育てひろばを始められました。そして2020(令和2)年、同じ建物内に「明日葉保育園 西片園」ができると同時に「子育てひろば西片」も改修され、現在のように「株式会社あしたばマインド」が保育園と併せて運営するようになりました。

「子育てひろば西片」入り口
「子育てひろば西片」入り口

特徴といえばやはり、保育園が隣にあることが一番ですね。スペースは1階の3分の1程度ですが、授乳室や庭もあり、遊具もたくさん用意しています。利用できるのは保護者と就学前の乳幼児で、親子で安心して遊べる場となっています。日曜祝日はお休みですが、土曜日はご利用いただけます。

明るく清潔な室内
明るく清潔な室内

――具体的な利用方法について、教えてください。

伊勢さん:最初に利用登録をしていただいた後は、毎回受付時にお名前を確認するだけでご利用いただけます。職員がお名前を呼べるよう、毎回お子さんの背中に名前を書いたシールを貼ってもらっています。8月まではコロナ対策の一環で利用時間を午前・午後で分けていましたが、9月からは通常通り10~16時の開所時間で自由にご利用いただけます。普段は予約不要ですが、月1回のイベント「西片タイム」を実施する際には、事前予約をお願いしています。

職員が手作りした多くの遊具も並ぶ
職員が手作りした多くの遊具も並ぶ

――ご利用者の特徴などあれば教えてください。

伊勢さん:0歳から2歳くらいの赤ちゃんが多く、平日はお母さん、土曜日はお父さんが連れて来られることが多いですね。夜中に授乳していると午前中に出かけるのは大変なので、午後から来るお母さんもいらっしゃいます。土曜日は幼稚園や保育園に通っている子たちもよく来ますね。祖父母の方やベビーシッターさんが連れてくる場合もあります。

広々とした授乳室もある
広々とした授乳室もある

文京区ではベビーシッター利用助成事業があり、利用するとお得にシッターさんに頼めるんですよ。あとは土地柄でしょうか、お医者さんや弁護士、東大を出ている方などが多い印象ですね。

――どんなイベントやプログラムがありますか?

伊勢さん:毎日の帰りの会では、ふれあい遊びやパネルシアターを行っています。月に一度のイベント「西片タイム」では、リトミックや運動あそびといった内容に加えて、職員の知識や経験を活かした講座も用意しています。例えば「親子でフラダンスを踊りましょう」は、長年フラダンスを習ってきた経験を活かして、私が講師として実施しています。ベビーヨガならぬベビーフラですね。

お母さんたちにはもっと癒しの時間が必要だと考え、今年の途中からは毎回イベント開催日の午後にベビーマッサージも行っています。これも、得意な職員がいるからこそ実現できている取り組みです。

毎日の帰りの会で行われる ふれあい遊び
毎日の帰りの会で行われる ふれあい遊び

「冬に流行する子どもの病気のケア」といった講座は、隣の保育園から職員の看護師さんが来て、子どもが嘔吐したときの適切な処置方法を教えてくれるといった内容になっています。これは保育園と隣接している当ひろばならではの特長だと思います。

子どもの足型を織姫と彦星の体に見立てた七夕の工作など、季節のイベントも好評です。常にみなさんが楽しめよう工夫していますので、ぜひ多くの方にいらしてほしいですね。

保護者に寄り添い、また来たいと思えるひろばでありたい

――利用者の実際の声などを、ぜひお聞かせください。

伊勢さん:ありがたいことに多くの方から「安心して遊べる」「楽しく過ごせる」と言っていただいています。コロナ禍でひろばの利用が厳しく制限されたとき、習い事を始めるご家庭が一気に増えました。まだ喋れない赤ちゃんと一日中二人きりでいるのはストレスですから、高い月謝を払ってでも一人になれる時間を設けることは大切です。その点、ひろばは無料で利用できるという点でも喜んでいただけていると思います。

季節感あふれる出入口
季節感あふれる出入口

「西片タイム」についても、「ためになった」「楽しかった」などの感想をいただいています。特に喜ばれるのは保育園について学べるイベントでしょうか。隣の園長先生が来て保育園の活動内容を説明し、実際に提供している給食を見せてくださるんです。この月齢だとこれくらいの量だと口頭でお伝えしてもなかなかイメージしづらいので、「実際に見て確かめられたのが良かった」という声をたくさんいただきました。

こうした内容でイベント実施できることも、隣の保育園と連携している当ひろばならではのイベントだと思います。職員も幼稚園や保育園で働いていた人が多いので、いろいろ教えて差し上げられていると思います。

選びやすいように並べられた絵本
選びやすいように並べられた絵本

――ひろばで心がけていらっしゃることなどあれば、お聞かせください。

伊勢さん:必ず一人一人にお声掛けして、親身に話を聞くようにしています。悩み事を話したくてひろばに来るお母さんたちもいますから。一日中赤ちゃんと家にいて、旦那さんが仕事から帰ってくるまで誰とも会話ができなくて辛いと、涙ぐんでしまう方もいらっしゃるんですよ。話してスッキリして、少しでも子育てを楽しんでほしいと思っています。

また、子育てひろばは保護者の方が育児について学ぶ場でもあります。お子さんへの対応など、「こうすればいいんだ」とお母さんたちが自分で気付けるように心がけています。

――地域の子どもたちとの交流などが実現できるように、取り組まれていることなどはありますか?

伊勢さん:去年は帰りの会に隣の保育園の子たちが来て、イベントをひろばの子たちと一緒に見るという機会を設けました。それだけではありますが、未就園児の保護者の方々にとっては、「保育園児ってこんな感じなんだ」と知る良い機会になったと思います。

特別新しい取り組みはあまり考えていないのですが、今まで通り、お母さんたちに寄り添ったひろばでありたいなと思っています。気軽に来てもらえるよう、そしてまた来たいと思ってもらえるように取り組んで参ります。

緑豊かで治安が良く、教育環境に恵まれた西片エリア

――文京区西片エリアの子育て環境についての魅力を教えてください。

伊勢さん:文京区は、著名な作家が多く住んでいた文豪の町としても有名です。中でも歩いて行ける距離に東大がある西片や本郷は学問の町で、教育面では非常に恵まれた環境だと思います。文京区には「お茶の水女子大学付属小学校」「東京学芸大学附属竹早小学校」「筑波大学付属小学校」と国立の小学校が3つあり、”お茶大”と”竹早”には幼稚園もあります。そのため、子どもの進学のために引っ越してくる方も多いですね。

東大前のイチョウ並木
東大前のイチョウ並木

「六義園」や「小石川植物園」など緑が多いところもこの辺の良さの1つです。東大は構内も緑が豊かで、正門前には立派なイチョウ並木があります。この周辺の子たちにとっては東大が公園代わりで、主な遊び場のひとつなんですよ。文化祭「五月祭」には小学生の子が楽しめるイベントもありますしね。

「東京ドームシティ ラクーア」や「小石川後楽園」も近くにあり、遊び場には困らないと思います。それと文京区は東京23区のちょうど中央にあって、自転車があれば気軽に色々なところに行けます。電動アシスト付きなら坂道もそれほど気にならないでしょう。「上野公園」も自転車で10分ぐらいで行けますので、「上野動物園」の年間パスポートを持っている方も多いですね。

――子育て環境以外での文京区西片エリアの魅力をお聞かせください。

伊勢さん:周辺には日医、東大、医科歯科、順天堂など大学病院が多くあるためお医者さんも多いですし、高学歴で教育熱心な人が多く住んでいると感じます。大学が多いこともあり、とても治安がいいですね。「春日」駅近くのビルには「マルエツ 春日駅前店」が新しくできて、買い物も便利になっていますね。白山通り沿いには「オリンピック 白山店」もありますし。

「オリンピック白山店」
「オリンピック白山店」

そして西方1丁目の一部と2丁目の辺りは、地盤がしっかりしている武蔵野台地の上なので、そういった面でも安心できる場所だと思います。東日本大震災のとき、ここで遊んでいた人たちは揺れにほとんど気づかなかったと聞きました。

――最後に、今後文京区西片エリアにお住まいになられる方に向けて、ぜひメッセージをお願い致します。

伊勢さん:文京区には、保健所や子ども家庭支援センターなど子育て世帯を支援する施設がたくさんあります。区役所の中にも「ぴよぴよひろば」がありますし、一時預かりできる保育園もあります。文京区では「育成室」と呼ぶのですが、いわゆる学童保育も子どもの数に応じて新設していて、小学校進学後の居場所もあります。子育て中のご家庭にとっても住みよいところだと思います。小さなお子さんがいらっしゃる方は、ぜひ当ひろばにも遊びに来てくださいね。

子育てひろば西片

所在地 :東京都文京区西片一丁目8番15号 1階
開館時間:9月~6月/10:00~16:00 7月~8月/10:00~17:00
休館日:日曜日、祝日、1月2日~3日、12月29日~31日
電話番号:03-3812-2575
URL:http://hiroba-nishikata.com/
※この情報は2023(令和5)年8月時点のものです。

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