家族のように子どもを預けることができ、いつでも困ったことを相談できる。子育て親子のためのほっとスポット「生活クラブ子育て広場 ぶらんこ国分寺」

西国分寺駅のすぐ近く、大通り沿いにある「生活クラブデポー」が入るビルの2階。ごく普通のマンションの一部屋に、地元の人々の口コミで利用が広がっている、「子育て広場ぶらんこ」がある。ここは小さな子どもをもつ保護者のための、「生活クラブ」が運営しているコミュニケーションスペース。保育士スタッフが見守る中で安心して過ごすことができる。 今回はこの「生活クラブ子育て広場ぶらんこ国分寺」で施設長を務められている菊地智子さんにお話を聞いた。

「生活クラブ子育て広場 ぶらんこ国分寺」施設長 菊地智子さん
「生活クラブ子育て広場 ぶらんこ国分寺」施設長 菊地智子さん

保育園だけでなく、子育て支援の拠点を作ろうと開設

――まずは、「子育て広場ぶらんこ国分寺」の施設概要について教えてください。

菊地さん:ここ「子育て広場 ぶらんこ」は2017(平成29)年の12月に、「生活クラブデポー」が今の場所に移転する機会に、地域の子育て支援拠点を作ろうということで開所した施設です。「子育てひろばぶらんこ」は世田谷区経堂、粕谷のほかに、町田、西東京、江戸川、そしてここ国分寺と6ヶ所あります。

同じビルの1Fにある「生活クラブデポー」の移転とともに2017(平成29)年12月にオープン
同じビルの1Fにある「生活クラブデポー」の移転とともに2017(平成29)年12月にオープン

私達は生活クラブから「ぶらんこ」の運営を委託されている「ワーカーズ風ぐるま」に所属しています。「風ぐるま」では以前より、産後支援や障害者支援などの活動をしてきていましたが、「ぶらんこ」が開所するときに生活クラブからお声がけをいただき、当初の3年間は生活クラブと共同で運営、2021(令和3)年度からは生活クラブから委託を受けるという形で運営をしています。「風ぐるま」のスタッフの中でも保育士の資格を持っている者を中心に、お子さんと利用していたママが、保育園・幼稚園入園を機会に、スタッフとして仲間に加わり先輩ママとして働いています。

明るく広々としたスペースで、ゆっくりとくつろぐことができる
明るく広々としたスペースで、ゆっくりとくつろぐことができる

「子育て広場ぶらんこ」は、「3歳以下のお子さんと保護者が利用できる施設」です。月曜日から金曜日の10時から15時、今年度は第2土曜日の午前中も開所しています。誰でもご利用いただけて、生活クラブの会員さんは何回でも無料、一般の方は初回のみ無料、以降は1日1回300円という形になっております。生活クラブへの加入は、「子育て広場ぶらんこ」で当日加入できます。

木のぬくもりを感じられる「木のおもちゃ」
木のぬくもりを感じられる「木のおもちゃ」

すべての基準がほぼ保育所レベル。厳しいチェックの下に運営

――日々の運営にあたって、大切にされていることを教えてください。

菊地さん:開所当時から、「木のおもちゃ」をはじめ「木でできたもの」を使うということにはすごくこだわりを持っています。中でも生活クラブの生産者「酒井産業」の国産の木の素材のものを多く取り入れています。このうさぎのマークは生活クラブの組合員同士のたすけあい「エッコロ基金」で購入したマークです。

うさぎのマークは「たすけあい」の目印
うさぎのマークは「たすけあい」の目印

「東京おもちゃ美術館」が毎年選定する「グッドトイ」を多くそろえ、絵本がたくさん置いてある点も特徴です。年に何回かフリーマーケットを開催、ご利用者さんたちにお洋服などを購入いただいたお金で、少しずつ絵本を増やしています。

「ぶらんこ国分寺」の施設は、東京都の認可外保育施設として認定を受けておりますので、すべての安全基準が保育園レベルで、消毒の方法や、使用するおもちゃに関して、厳しくチェックしながら運営しています。

子どもに読み聞かせたい絵本もたくさん
子どもに読み聞かせたい絵本もたくさん

――一時保育のサービスがとても好評だと聞きましたが、詳しく教えてください。

菊地さん:一時預かり保育は大きな特徴のひとつでして、開所時間内のみになりますが、原則最大4時間まで、有料でお預かりしています。ご利用にあたっては、初回に面談をさせていただいて、アレルギーや予防接種のこと、離乳食、乳児食など食事の様子、お昼寝の仕方など、いろんなことを詳しく聞くために30分から1時間程度お時間を頂いています。面談終了後からは電話でお申し込みいただけます。 このサービスは人気があり、混んでいる時期は1ヶ月くらい先まで予約が取りづらいこともあります。保育士が1対1でお預かりさせていただいていますので、そこに安心を感じていただけているのかなと思います。

具体的なご利用のケースとしては、ご自身の健康診断を受ける時に利用したり、お母さん自身の婦人科検診等、子連れでは行きづらい用事やリフレッシュ等のお申し込みが多いです。緊急用途として、出産前後で上の子のお預かりをお願い、そういった場合には随時お引き受けすることもしています。

イベントも開催されアットホームな雰囲気で安心と好評

――広場に来て、皆さんはどのように過ごされていますか?

菊地さん:1日にだいたい5~6組平均でいらっしゃっていますが、今年(2023年)からお昼ごはんを食べられる時間を作ったので、親子で楽しくお昼を食べて1日過ごされる方が多くなっています。特に0歳のお子さんなどは、なかなか、親子連れで外で食べることが難しいので、パンやおにぎりなど簡単に用意が出来るものやレトルトの食べ物などを持って来られて、ゆっくり楽しんでいる方が多いですね。0歳の方が多いというのも、転勤族が多い西国分寺の地域柄かもしれません。

――広場は、登録すればすぐに利用できますか?

菊地さん:はい、登録はつねに受付しています。年間でだいたい、広場の登録が100組程度、一時預かりが30名ほどあります。9割くらいは組合員の方です。ここを利用するために新しく組合員になる方も多いです。

市のイベント情報など、様々な情報も得られる
市のイベント情報など、様々な情報も得られる

――どの辺りにお住まいの方が来られますか?

菊地さん:基本的にはベビーカーで来られる範囲内の方が多いと思いますが、自転車に乗せられるようになると、もうちょっと遠いところからも来られています。隣駅の国立駅の近くの方の利用も多く、小平市方面からも来られています。もちろん国分寺市以外の方も、同じ条件でご利用いただけます。

――いろいろなイベントも開催されているそうですね。詳しく教えてください。

菊地さん:0歳向けのイベントとして、毎月わらべうたやベビーマッサージを楽しむ「ベビーぶらんこ」を開催しており、そこに来ていただいた方がイベント参加をきっかけに、広場を利用されるという方は多いです。第2土曜日には「ファミリーぶらんこ」という、その後他の家族皆さんで参加しやすいイベントの時間も作っています。この時にはプラレールを出したりもしているので、パパたちが一緒に作って楽しんでいますね。パパとお子さんだけで参加したり、それを機会に平日も父と子で広場を利用されている方もいらっしゃいます。また音楽に触れる機会を多く取り入れ、年に4回、音楽会を開いています。季節ごとにテーマを設けて、たとえば6月だったら雨をテーマにしたり、秋には虫の声をテーマにしたりして、その季節ごとの音楽会を企画したり、普段の日もウクレレで一緒に歌を歌ったり楽しんでいます。

また年に2回、「東京おもちゃ美術館」からおもちゃを借り、「おもちゃの広場」というイベントを開催しています。おもちゃコンサルタントの方に来ていただき、遊び方を聞きながら、一緒に遊んだり、手作りおもちゃを作ったりしています。「食」を大切にしている生活クラブなので食のイベントを行っていて、今年の9月には0才から食べられる「かんたん野菜のおやつ」ということで、「芋きんとん」と「裏ごしコーンでつくる蒸しパン」を作りました。10月にはかぼちゃのグラタンも作りました。3月には手作りの味噌作りも予定しています。

パパも一緒に楽しめるプラレールのイベント
パパも一緒に楽しめるプラレールのイベント

――利用されている方のからの声には、どのようなものがありますか?

菊地さん:実際にお聞きしてみたところ、「第二の実家みたいにアットホームで、おうちにいるような感じなので、安心して遊びに来られます」、「お母さん同士の会話がとてもしやすいです」、「いつでも来られて、時間制限もないので、午前午後と通しでいられるのが嬉しいです」といった声がありました。また、「いつでも受け入れてもらえるのが嬉しい」、「いつでも相談ができて、スタッフがいつでも寄り添ってくれる安心感がある」といった、嬉しい声もいただいています。預かり保育に関しても、この地域には転勤で来られたりして、実家から遠い方が多いので、「近くに預けられるところがあって、いつでも困ったことを相談できる」という点についても評価をいただいています。

――今後進めていきたい取り組みなどがあれば教えてください。

菊地さん:西国分寺は初めての子育てを、初めての土地でされる方が多い地域なので、生後2~3ヶ月等小さなお子さんにも声をかけられるようなイベントを増やし、赤ちゃんが生まれたことで生活が大きく変わったお母さんたちに寄り添っていければいいな、と思っています。また、最近は育休中のパパもけっこう登場していますので、パパたちが来やすい環境づくりと、パパが参加しやすくパパ達が地域の中での子育てを実感できるプログラムを増やしていきたいと思っています。

季節のテーマに合わせたイベントも開催される
季節のテーマに合わせたイベントも開催される

公園などの緑に恵まれ、図書館や医療センターなども充実。子育てには住みやすい環境の国分寺市

――子育て環境としての、西国分寺エリアの魅力を教えてください。

菊地さん:国分寺市はとても自然環境が豊かなところで、近くには「武蔵国分寺公園」という大きな公園があり、「姿見の池」ではカワセミも見られます。歴史的にもいろいろある地域で、「お鷹の道」という、江戸時代に将軍が鷹狩をしていたという散歩道があったり、天平時代に建立されていた「国分寺」の史跡があります。史跡の隣の「黒鐘公園」には大きな桜の木があるので、春にはお花見もできますし、「エックス山」という雑木林では、天然モノのカブトムシも採れます。親子でどんぐり拾いもできて、季節ごとに楽しめる自然環境がとても豊かにあるというのが、大きな魅力だと思います。

あと、西国分寺近辺は歩道が広いですから、ベビーカーで動きやすいと思います。近くに「都立総合小児医療センター」があり、子どもの急病の際、心強いという話もよく聞きます。駅の近くに小児科も多いので、アレルギーや便秘など得意な分野や、休診日などで使い分けされているようです。2016(平成28)年に「都立多摩図書館」が立川から西国分寺に移転、子ども向けの蔵書も多く、「こどものへや」や「えほんのこべや」など子ども専用のコーナーもあり、親子でゆっくり楽しめるおすすめの場所です。

国分寺市は子育て世代の方がとても多く住んでいるところなので、市内のいろいろなところに子育て広場があり、子育て中のお母さん同士での出会いも多く、街として子育て世代にとても寛容な雰囲気があるので、子育て世代には住みやすいところだと思います。

アクセスも良く、豊かな自然環境にも恵まれた子育てのしやすい環境
アクセスも良く、豊かな自然環境にも恵まれた子育てのしやすい環境

――大人が暮らすにもいい街ですか?

菊地さん:もちろんです。西国分寺駅は中央線と武蔵野線2つの路線が使え、都内だけではなく埼玉、神奈川、千葉方面にも移動しやすいアクセスの良い駅です。また商業施設が多い立川までは電車で5分、車では国立インターが近く、移動にも生活するのにも便利な場所です。「東京なのにのびのびと生活できる便利な街」だと思います。

――最後に、ひとことメッセージをお願いします。

菊地さん:私もここで子育てをしてきましたが、西国分寺は子育て世代にとって、とても住みやすくて、あたたかい街だと思います。自然が豊かで、歴史もあり、何よりも地域の方が子どもに対してすごく優しいです。まずは一度、西国分寺に来てみてください。

「生活クラブ子育て広場 ぶらんこ国分寺」施設長 菊地智子さん
「生活クラブ子育て広場 ぶらんこ国分寺」施設長 菊地智子さん

生活クラブ子育て広場 ぶらんこ国分寺

施設長 菊地智子さん
所在地:東京都国分寺市泉町3-33-2 西晴ビル203号室
電話番号:042-312-2576(開室時のみ)
URL:https://tokyo.seikatsuclub.coop/activity/care/raise/burankokokubunji.html
※この情報は2023(令和5)年12月時点のものです。