オリンピックの選手村が整備され、ベッドタウンとしても注目が集まる湾岸エリア

湾岸エリアの埋め立ては古くから行われていた。佃島もその一つで、隅田川の砂洲に築かれ、工事に携わった漁民の故郷にちなんで名づけられたという。また、佃島に隣接した石川島には江戸時代に水戸藩の徳川斉昭によって創設された「石川島造船」があった。明治時代以降は埋め立てが加速し、現在の勝どきや晴海なども完成、漁業や工業を中心とした産業が発展した。

鉄砲州佃真景(国会図書館蔵)
鉄砲州佃真景(国会図書館蔵)

第二次世界大戦後、以前から存在した東京の埠頭の多くは接収され使用できなかったため、現在の新豊洲一帯が埋め立てられ、新たな港が整備された。この港周辺には石炭置き場や発電所、ガス工場などが造られ、東京の復興を支えた。

昭和後期になると産業構造の変化に伴い、多くの工場が閉鎖されるようになる。広大な敷地を持つこれらの工場跡地は1988(昭和63)年の営団地下鉄有楽町線の「新富町」駅から「新木場」駅間の開通に伴い、都心にアクセスしやすい住宅地として注目されるようになった。

豊洲の風景
豊洲の風景

工場跡地だけでなく周辺の倉庫も高層マンションへ建て替えが進み、「東雲キャナルコート」や「晴海アイランドトリトンスクエア」などが完成。豊洲でも都市整備と合わせてオフィスビルやマンション、「ららぽーと豊洲」など大規模ショッピング施設が誕生している。

アーバンドック ららぽーと豊洲
アーバンドック ららぽーと豊洲

2018(平成30)年には「豊洲市場」も開場した。以前の築地市場になかった「豊洲市場」の新たな商業施設「江戸前場下町」とともに、東京の新たな観光地としてにぎわっている。また、湾岸エリアには2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村をはじめ多くの競技場の建設が進められており、開催時には盛り上がりを見せることが予想される。

豊洲市場
豊洲市場

これまでの開発は行政主導の計画であり、経済状況もあって開発の進捗は遅かったが、今後の湾岸エリアの開発は民間主導がメインであり、開発の進捗が期待される。また、これまでは都市インフラ整備やショッピング施設の開発が中心だったが、今後は住宅の開発も計画されており、人口も増え、これまで以上に暮らす場所として注目されそうだ。