江戸川区役所インタビュー

家庭保育の負担軽減と保育所の拡充に 力を注ぐ江戸川区の子育て支援

全国に先駆けて始めた「保育ママ制度」、希望者全員が入れる学童保育「すくすくスクール」など、「江戸川方式」と呼ばれる革新的な子育て支援策で、多くのファミリー層に選ばれている江戸川区。子育て支援課の今澤博史さんに、柱となる施策や最近始めた取り組み、江戸川区の魅力について伺った。

独自の施策で子育て世帯をサポート

江戸川区役所
江戸川区役所

――江戸川区独自の施策、特に力を入れている取り組みなどあれば、ご紹介ください。

今澤さん:独自性を評価いただくようになったきっかけは「保育ママ制度」ではないかと思います。仕事や病気などで育児が難しい方に代わり、区の認定を受けた「保育ママ」が、昼間に子どもを預かってくれる制度です。預けられるのは生後9週間から1歳未満の赤ちゃん。月額14,000円の基本料に加え、雑費3,000円、時間外保育料が1時間400円かかります。「保育ママ」は保育士や看護師などの資格を持つ方、もしくは育児経験のある女性で、利用前には面談もあります。江戸川区は都心にある区と比べて人口が多く、以前からファミリー層の割合が高い地域です。そのため取り組みが比較的早く、この制度は1969(昭和44)年からあるんです。現在も、およそ150人の「保育ママ」が江戸川区の子育てを支えてくださっています。無償奉仕ではありませんが、地域の役に立ちたいという気持ちがなければできないこと。誇れる数字だと思います。また、保育園などを利用せず家庭で0歳児を育てている世帯には、月額13,000円の「乳児養育手当」を支給しています。

「よちよち応援隊」の案内
「よちよち応援隊」の案内

――「よちよち応援隊」も江戸川区独自の取り組みと聞きました。どんな制度でしょうか。

今澤さん:「よちよち応援隊」は0歳児のいる家庭をサポートする事業で、ヘルパーさんが自宅に伺い、家事や育児を手伝います。保護者が育児で疲弊・孤立しないようにと始めました。一回の利用時間は2時間以上で、年間14時間しか使えませんが、所得制限はなく、保育園を利用していない方が無料で利用できます。特に第一子のときはお母さんに大きなストレスがかかりますから、最大限活用して負担を軽減してもらえればと思います。また、ヘルパーさんは研修を受けていて、さらなる支援が必要と判断した場合は担当部署などに連絡を入れてもらうようにしています。

江戸川区の子育て支援に関する冊子
江戸川区の子育て支援に関する冊子

――区立小学校の「すくすくスクール」について教えてください。

今澤さん:各小学校の施設を有効活用して、小学生に放課後の居場所を用意する仕組みです。区の職員だけでなく、ボランティアの区民と協働して運営しています。地元のお兄さんがサッカー教室を開いたり、高齢者が将棋を教えたり。各学校、地域ぐるみで行われています。保護者が仕事をしている、していないに関わらず登録でき、希望する児童全員が利用することができます。2005(平成17)年度から全校実施となり、2010(平成22)年には「地域づくり総務大臣表彰」を受賞しています。

全国初の「長期育休支援制度」など、新たな施策も推進

食の支援や里親制度など、多彩な制度が用意されている
食の支援や里親制度など、多彩な制度が用意されている

――他区や国に先駆けて始めた「保育ママ制度」のように、率先して取り組んでいる事業などはございますか。

今澤さん:昨年度から始めた「長期育休支援制度」は、全国初の取り組みです。国の育休制度だと原則1歳まで、保育園に入れない場合でも2歳までです。そこで江戸川区では、国の制度に上乗せして最長3歳の年度末まで利用できる独自の制度を作ったんです。区が認定した区内の中小企業と、そこに勤める区民が対象で、保護者には育休手当と同等の支援金を、企業には最大200万円の手当を支払います。子どもの愛着形成など家庭保育の支援に加え、企業のワークライフバランスを推進する狙いがあります。 また、児童福祉法が改正されて東京23区でも児童相談所が設置できるようになりました。そこで先陣を切って昨年4月に児童相談所を設置したのが、世田谷区と荒川区、そして江戸川区です。児童相談所というと虐待される子どもを保護するところというイメージが強いかもしれませんが、実際は子どもの福祉全体をカバーするものです。それまでは都と区の二重行政だったわけですが、制度のはざまに落ちてしまうお子さんをなくすためには基礎自治体がやるべきだという判断がありました。

江戸川区の散策ガイド
江戸川区の散策ガイド

――いま注力している取り組み、その意気込みをお聞かせださい。

今澤さん:江戸川区では現在、待機児童の多さが課題となっています。そこで認可保育園やその分園を増やすなどして、解消に努めているところです。具体的には、今年4月と来年4月で合わせて約1,200人の保育定員拡大を図っています。昨年4月時点では203名の待機児童がいましたが、今年は50人以下になるだろうと思っています。育休が明けて職場復帰される際にお子さんを保育園に入れられるよう、待機児童ゼロを目指して頑張ります。

公園が多く緑豊かな江戸川区は、都心まで20分と便利

小松川境川親水公園
小松川境川親水公園

――江戸川区の住みやすさは、どんなところにあるでしょうか。

今澤さん:まず、東西線でも新宿線でも20分程度で都心に出られるアクセスの良さ。最近は在宅勤務も増えてきましたが、やはり何かと便利だと思います。次に、無料で楽しく遊べる公園がたくさんあること。江戸川区は公園が多く、その総面積は23区No.1なんですよ。滝やせせらぎなど水の流れが涼しい親水公園も数カ所あります。土地がフラットなのもポイントです。ベビーカーの利用や自転車での移動がラクですから。歩道も整備されていますし、小さいお子さんと安心して外出できる環境が整っていると思います。

共育プラザ中央子育てひろば
共育プラザ中央子育てひろば

――江戸川区での子育てには、どんな魅力やメリットが考えられますか。

今澤さん:区内でもエリアによって違いはありますが、下町的な雰囲気が良さだと思います。義理人情というか、良い意味でおせっかいというか。特に松江など総武線沿線は比較的早くに開発された場所なので、何代にもわたってその地域に住んでいる人が多く、都市部では貴重になった地域の人々の結びつきがあります。新小岩方面も商店街があり、町会の活動や地域のお祭りが盛んなので、自然と地域の人と親しくなります。子育ては一人ではできませんから、困ったときに気軽に声をかけ合える地域性は、子どもを持つ家庭にとって大きなメリットだと思います。「保育ママ制度」や「すくすくスクール」が成り立っているのも、ボランティア意識の高い人がたくさんいる証でしょう。

「共育プラザ中央子育てひろば」のみなさん
「共育プラザ中央子育てひろば」のみなさん

――江戸川区のファミリー向けのおすすめスポットを教えてください。

今澤さん:この近くだと、江戸川区のコミュニティ施設「グリーンパレス」内にある「共育プラザ中央子育てひろば」と、その近くにある「小松川境川親水公園」ですね。「共育プラザ中央子育てひろば」には子育てアドバイザーが常駐していて、気軽に育児相談ができますし、絵本の読み聞かせなど乳幼児の親子向けのイベントが開かれています。「小松川境川親水公園」の浅く緩やかな流れは子どもにとってはジャブジャブ池のようなもので、格好の遊び場になっています。区全体でいうと、やはり「葛西臨海公園」でしょうか。海が眺められる貴重なスポットです。2023(令和5)年7月には、映画『魔女の宅急便』の原作者として知られる作家、角野栄子さんの功績や作品の世界観を伝える「(仮称)江戸川区角野栄子児童文学館」が「なぎさ公園」内にできる予定です。隈研吾さんによる設計で、新たな人気スポットになるでしょう。

「共育プラザ中央子育てひろば」の遊戯室
「共育プラザ中央子育てひろば」の遊戯室

――最後に、今後このエリアに住む方に向けてメッセージをお願いします。

今澤さん:交通手段はいろいろありますが、江戸川区に住むなら是非バスも選択肢のひとつとして考えていただきたいです。バス路線がかなり整備されていて、運行頻度も高いので、便利だと思います。例えば、一之江駅からは東京ディズニーリゾート行きのシャトルバスが出ていて、30~40分で着きます。もちろん葛西臨海公園行きのバスもありますし、羽田空港や成田空港に行くのにも便利ですよ。ぜひ、江戸川区での生活を楽しんでください。

江戸川区 子ども家庭部 子育て支援課 計画係

係長 今澤博史さん
所在地 :東京都江戸川区中央1-4-1
電話番号:03-5662-0659
URL:https://www.city.edogawa.tokyo.jp/
※この情報は2021(令和3)年5月時点のものです。