自主・自律の校風を受け継ぐ「杉並区立西宮中学校」
「杉並区立西宮中学校」は1961(昭和36)年4月1日に開校した。自主・自律の精神を尊び、標準服を設けず、学校行事に対しては主体的に行動する生徒が多いという。教育活動の特色や、予定されている校舎の改築計画、そして久我山エリアの魅力についてお話をうかがった。
主体性を育む教育方針と特色ある取り組み
——まずは、「杉並区立西宮中学校」の沿革と概要について教えてください。
立花校長先生:本校は、「旧・杉並区立宮前中学校西分校」が独立して1961(昭和36)4月1日に開校し、今年度で創立から65年目を迎えました。学級数は各学年3クラスずつで、337名の生徒が通っています。
立花校長先生:学区の特徴として、区内では比較的新しく、統一感のある落ち着いた住宅地が広がっています。
——教育方針や特色ある教育活動について、少し詳しく聞かせていただけますか。
立花校長先生:教育目標として掲げているのは、『心豊かな人』『自ら学ぶ人』『健康な人』の育成です。徳・知・体のバランスを大切にしながら、学校生活を通じてこれからの時代を生き抜く力を身につけてほしいと考えています。
本校の特色のひとつとして、学校行事を重視していることがあげられます。5月の体育大会、10月の音楽会、そして3月に開かれる展示会を加えた3つを総称した『西宮祭』は、いずれも大変盛り上がります。生徒は実行委員を中心とし、各学級が協力して取り組むなど主体的に行動しています。例えば音楽会の場合、自主的に練習日程を組み、必要であれば教員はアドバイスや支援もしますが、基本的には生徒の考えを尊重して一歩下がって見守る姿勢をとっています。

立花校長先生:また、学習活動、特に普段の授業を重視していることも本校の特色です。勉強を試験のためのものと捉えるのではなく、課題に対して主体的に取り組みながら、生きる力として思考力・判断力・行動力を培い、『剥がれ落ちない学力』を身につけてほしいと考えています。
学校行事としては、キャリア教育の一環として、近隣の事業者に協力していただき職場体験学習を実施しています。体験とはいえ、“社会人”になることは生徒にとっても新鮮な出来事のようで、“この仕事に就こう”と思った生徒もいるほどです。宿泊行事としては「フレンドシップスクール」、「スキー移動教室」、「修学旅行」があります。
それ以外にも外部講師を招聘した授業を重視しています。例えば本校の卒業生というつながりから、能楽の世界で活躍されている方を外部講師としてお招きして「能楽ワークショップ」も開催しています。
——標準服がないなど、生徒さんの主体性を大切にされているといった印象です。
立花校長先生:本校の校風は『自主・自律』で、この校風を生徒も誇りに思っているように感じます。放任主義ということではなく、遠くから見守りながらも必要なことはしっかりと伝え、教育活動を通して、社会で求められるルール・マナー・モラルを身につけてもらいます。このような環境のなかで生徒はのびのびと学校生活を送り、一方で学校行事や学業については、全力で取り組んでいます。
——進路指導についてはどのように取り組まれていますか。
立花校長先生:進路指導についてですが、進路選択というのは生徒一人ひとりの自己実現に向けた機会であると捉えています。3年間でキャリア教育を計画的に進め、最終的には本人の希望する進路選択を実現できるように指導しています。1年生は職業についての理解、2年生は職場体験学習・上級学校についての理解、3年生になると、上級学校訪問・進路選択に向けた取り組みを行います。
立花校長先生:近年の進学状況ですが、高校授業料無償化の影響からなのか、私立高校への進学者が増えています。これまで公立と私立との比率は均衡していましたが、現在は約6割が私立高校を選択しています。
2025(令和7)年の全国学力・学習状況調査によると、3年生の年度当初の通塾率は83パーセントでした。調査結果ではないのですが、現在は9割近い数字になっているといった印象です。
校舎改築で進化する「杉並区立西宮中学校」の学習環境
——校舎の改築計画と、その後の学校環境がどのように変わるのか、わかる範囲で構いませんので教えてください。
立花校長先生:計画段階の話ではありますが、2027(令和9)年度中に仮設校舎の建設・移転を進め、その翌年から校舎の解体と新校舎の建設が始まり、2031(令和13)年度中に新校舎が完成。2032(令和14)年度からは仮設校舎等の解体が始まります。
現在の校舎は、有効利用できていないスペースがある反面、必要な教室が少ないため、教育活動にどうしても制約がありました。しかし今回の改築計画により、多世代が活用できるコミュニティセンター「コミュニティふらっと」の併設が決まっており、地域におけるつながりの核としての役割が期待されています。杉並区立学校では初めての試みで、本校としても積極的にかかわっていきたいと考えています。
——地域との連携や、周辺の子育て・教育環境とのつながりについて聞かせてください。
立花校長先生:本校は、地域の方が学校運営に参画する『コミュニティ・スクール』です。地域とのつながりを大切にしながら、各委員の意見を取り入れて運営しています。また、それを実行する組織として「学校支援本部」が設置されています。「アフター・スクール・スタディ(定期考査前自習教室)」を開催したり、各検定試験の試験監督を務めていただいたりすることもありますし、外部講師の招聘などコーディネートも行っています。
また、地域の方で組織される「西宮中学校震災救援所連絡会」もかなり先進的な取組みを行っており、いざというときの訓練をはじめ、学校の教育活動にも積極的にご協力いただいています。
立花校長先生:それ以外では、地域行事での吹奏楽部の演奏や、「久我山商店会」が主催する「ほたる祭り」ではたくさんのボランティアの生徒が集まり清掃活動をしています。これらの活動を通して地域に貢献する心を育てています。
久我山エリアの住環境と子育ての魅力
——久我山エリアの魅力や、子育てをする上でのメリットはどのようなところにあると思いますか。
立花校長先生:やはり、教育環境が充実していることだと思います。近くには「都立西高等学校」や「國學院大學久我山中学校・高等学校」などがあり、高校を卒業するまで地元で教育を受けることができます。
——これから久我山エリアやその周辺に住みたいと考えている方々にメッセージをお願いします。
立花校長先生:子育てをする環境として、とてもよい街だと思います。交通の利便性が高く進学先の選択肢も豊富ですし、街には地域全体で子育てをしようという雰囲気があります。
自校のことで恐縮ですが、西宮中学校で生徒は心身ともに大きく成長して、自らの可能性に果敢に挑戦しています。数年後の改築により教育環境が大きく改善されることは間違いないので、新校舎もふくめ、ぜひ本校に注目していただければ幸いです。

杉並区立西宮中学校
校長 立花忠司さん
所在地:東京都杉並区宮前5丁目1番25号
電話番号:03-3333-8828
URL:https://www.suginami-school.ed.jp/nishimiyachu/index.html
※この情報は2026(令和8)年1月時点のものです。