学校・家庭・地域が一体となった教育を推進する三鷹市の一貫教育の取り組み

コミュニティスクールをベースとした三鷹市の小中一貫教育

三鷹市では、市内全ての公立小中学校を、「コミュニティ・スクール」に指定し、市民による学校運営への参画、教育活動への支援など、学校・家庭・地域がそれぞれ当事者意識をもち「ともに」手を携えて、児童・生徒の教育にあたるシステムを構築。この「コミュニティ・スクール」の活動をベースとして、対話・参加型の小中一貫教育を推進している。

三鷹市教育委員会では、いきいきと子どもが輝く学校教育の実現をめざして、小中一貫教育の検討を開始。2005(平成17)年4月に設置された「開設準備検討委員会」にて、小・中一貫教育校の開設に向けての具体的な課題について検討を重ね、同年12月に「実施方策」を策定した。2006(平成18)年には、最初の小中一貫校となる「にしみたか学園」(第二小学校、井口小学校、第二中学校)を開園して取り組みを検証。その後順次小中一貫教育校の開園を進め、2008(平成20)年には「第一小学校」、「北野小学校」、「第六中学校」からなる「東三鷹学園」も開園した。

小中一貫カリキュラムと相互乗り入れ授業による、系統性と連続性のある教育

三鷹市の小・中一貫教育校構想は、
(1)既存の小・中学校を存続させた形で、児童・生徒は現在の小・中学校に在籍しながら、現行の6・3制のもとで、9年間の一貫カリキュラム(指導計画)をとおして、小・中学校間の強固な連携と交流を図ること。
(2)地域ぐるみで子どもたちの教育を支援する「コミュニティスクール」を積極的に推進すること。
の2つを大きな特色としている。

この構想のもと、各学園では小中学校間での相互乗り入れ授業や協働、小学校での教科担任制の実施、少人数指導・習熟度別学習といった「教員の指導体制」、「児童・生徒の交流活動」、「小・中一貫カリキュラム」により指導の徹底、小学校での英語授業や事務教育の9年間を見通したキャリア・アントレプレナーシップ教育の実施といった「特色ある教育活動の充実」などを行い、小・中学校の教員が、児童・生徒の各発達段階を理解し、系統性と連続性のある指導を目指している。

さらに、三鷹市では、この「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育の推進」を基本として、「三鷹市教育ビジョン2022」で5つの施策目標を掲げている。そして、この5つの目標を推進することによって、「学校を核とするコミュニティづくり」、「知・徳・体のバランスのとれた児童・生徒の育成」を図ることにより、義務教育の9年間に責任を持ち質の高い教育の提供をどの学校においても保証、多様な教育的ニーズに対応し、子どもたちの個性や特性を最大限に発揮できる教育方法の推進を目指していくとしている。

国際社会に貢献する児童生徒の育成を目指す東三鷹学園

「東三鷹学園」では、「豊かな心をもち、地域と共に生き、人間力・社会力にあふれ、国際社会に貢献する児童生徒の育成を目指す。」を、学園全体の教育目標として、「学力」「人間力」「社会力」の3つの力を育むことを目指している。

小学校と中学校の教員が相互に授業を行うチームティーチング、子どもたち同士の「小・小」の交流、「小・中」の交流の機会も多く持っている。小・中交流の取り組みでは両小学校の児童が中学校を訪問して、生徒が合唱を披露する「音楽交流会」、第六中学校の生徒が出身の小学校を訪れ、児童の学習支援やお世話をする「ふれあい学習」などを実施。小・小交流では、長野県の川上村にある三鷹市の施設で、両小学校の児童が一緒に宿泊学習を行い、交流を深めている。こういった活動は、いわゆる「中一ギャップ」の軽減にもつながり、より継続性のある指導・教育ができるようになっている。

コミュニティ・スクールとして、地域の取り組みも盛んだ。朝のあいさつ運動では、児童・生徒が中心となり地域住民もあいさつ活動に参加。日頃から地域の中であいさつを交わすことで、犯罪の少ないまちづくりにも寄与している。また、様々な教育活動で教師の補助をする「ボランティア隊」も結成。校外学習の引率や読み聞かせ、授業サポートなどをすることにより、よりきめ細かく丁寧な指導をできるようになっている。

このように、「東三鷹学園」をはじめとした各学園では、それぞれの学園の特性を活かした特色ある教育が行われている。学園・学校の教育目標を地域と共有し、連携・協働しながら、新しい時代に生きる子どもたちに求められる資質・能力の育成を目指す三鷹市の教育に今後も注目が集まるだろう。

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