副都心・新宿区内でも学生街としてにぎわい、住まいの場としても注目される高田馬場エリア

甲州街道の宿場町からオフィス街、ショッピングタウンへ

東京23区のほぼ中央に位置する新宿区内でも、多くの路線が乗り入れる「新宿」駅周辺は都内有数のオフィス街、ショッピングタウンで活気に満ちあふれる。

新宿区の位置
新宿区の位置

新宿は甲州街道に「内藤新宿」が整備されたことをきっかけに成長の歩みを始めた。明治時代に開設された「新宿」駅には多くの路線が乗り入れ、「新宿」駅周辺は大きく発展を遂げた。

1970年代には「新宿」駅西口にあった「淀橋浄水場」跡地の再開発で新宿副都心が誕生し、1991(平成3)年には「東京都庁」も移転している。こうして新宿区は東京23区の一大拠点という地位を確立した。

新宿副都心には「東京都庁」もある
新宿副都心には「東京都庁」もある

公園が多く、定住意向も高い新宿区

現在の新宿区は歴史と文化が漂う四谷エリア、由緒ある坂道や史跡が数多く残る神楽坂エリア、文教の街で若者が集まる高田馬場エリアや早稲田エリアなど、エリアごとに豊かな個性があることも魅力だろう。

新宿区の2023(令和5)年1月1日現在の人口は346,279人で東京23区中12番目だ。面積は18.22平方キロメートルでこれは東京23区中13番目となる。面積は比較的小さい一方、「新宿御苑」や「新宿中央公園」など大規模緑地が多く、区面積に対する公園面積の割合は6.30%と東京23区で6番目を誇る。

都内の緑のオアシス「新宿御苑」
都内の緑のオアシス「新宿御苑」

また、新宿区に「ずっと住み続けたい」「できれば住み続けたい」と答えた人は8割強を占めており、区民の定住意向が高い。これらのデータから、新宿区はオフィスやショッピング施設が集積している一方で緑にも恵まれ、住まいの場とする人が多いと考えられる。

基本的な子育て支援に加え、情報提供も充実

新宿区は子育て支援にも力を入れている。0~18歳未満の子どもとその保護者が利用できる「子ども総合センター」と「子ども家庭支援センター」を区内に5か所設けており、一時保育にも対応している。子ども医療費助成は18歳までが対象、所得制限なしと使いやすい。

新宿区の子育て支援や子育て施設に加え、ファミリーで楽しめるお出かけ情報、ちょっとした子育てのアドバイスまで子育てに役立つ情報を掲載した「新宿はっぴーガイド」を作成し、母子手帳とともに保護者に渡しているのも便利だ。Webサイト「新宿子育て情報局(いい・ばんび~に)」にも子育てイベントや子育てサークルの情報がまとめられている。

image photo
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また、新宿区は多くの大学キャンパスが広がる文教エリアという性格も持つ。大学附属校や私立の高等学校、中学校も多く、教育の選択肢に恵まれていることも魅力だ。

東京さくらトラム(都電荒川線)が走る学生の街、戸塚地域

新宿区では「新宿区役所」のほか10か所の特別出張所で行政手続きなどに対応している。都市マスタープランでは特別出張所の所管区域を基本として、10地域に分け街づくりの方針を示した。

都市マスタープランで分けられた10の地域(引用:新宿区都市マスタープラン)
都市マスタープランで分けられた10の地域(引用:新宿区都市マスタープラン)

このうち「戸塚特別出張所」が所管する戸塚地域は新宿区の中央からやや北側、「高田馬場」駅周辺に位置する。大学が多く立地し、学生を中心ににぎわう一方、東京さくらトラム(都電荒川線)が走り、桜並木がある神田川が流れるなど潤いにも恵まれている。

戸塚地域を走る東京さくらトラム(都電荒川線)
戸塚地域を走る東京さくらトラム(都電荒川線)

戸塚地域のうち住居系の土地利用が占める面積は2011(平成23)年のデータによると40.3%となっており、新宿区全域よりも高くなっている。つまり、他地域からの通勤、通学する人が多い一方で、戸塚地域に暮らす人も多いと考えられる。

戸塚地域の中心地としてにぎわう高田馬場エリア

戸塚地域でもJR山手線、東京メトロ東西線、西武新宿線が集まる「高田馬場」駅周辺に広がる高田馬場エリアは「戸塚特別出張所」を擁する戸塚地域の中心地だ。

「高田馬場」駅は新宿区内で「新宿」駅に次いで2番目の乗降客数を誇る。「高田馬場」駅周辺には「BIGBOX高田馬場」を中心にショッピング施設が充実、早稲田通りには商店街も広がる。グルメ店も集まり、昼夜を問わずにぎわう。

3路線が乗り入れる「高田馬場」駅
3路線が乗り入れる「高田馬場」駅

2023(令和5)年7月に改定された『新宿区まちづくり長期計画「まちづくり戦略プラン」』では、「高田馬場」駅周辺エリアの目標として『にぎわいとユニバーサルデザインのまちづくりの推進』を掲げた。これに基づき、再開発、快適な歩行者空間や広場の整備、西武新宿線の立体交差化など今後の街づくりが検討される予定だ。

2023(令和5)年と2022(令和4)年の地価を比較すると、高田馬場1丁目、高田馬場4丁目で約4%上昇している。これは高田馬場エリアの将来性に対する期待の高さを反映していると考えられる。

大ターミナル「新宿」駅を擁し、23区内でも屈指の生活利便を誇る新宿区。なかでも高田馬場エリアは学生街としてのにぎわいと穏やかな住環境を併せ持ち、今後の発展も期待できる。住まいの場としてのポテンシャルが高い街と言えるだろう。

副都心・新宿区内でも学生街としてにぎわい、住まいの場としても注目される高田馬場エリア
所在地:東京都新宿区 

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