再開発レポート

2023年、虎ノ門・麻布台エリアに新たな街が誕生!「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の今をご紹介します!

アークヒルズと虎ノ門ヒルズ、六本木ヒルズを結ぶ中間地点といえる東京都港区の虎ノ門・麻布台地区。その8.1haの広大な土地に、オフィス、住宅、ホテル、インターナショナルスクール、商業施設、文化施設など、多様な都市機能を高度に融合させた「虎ノ門・麻布台プロジェクト」が、森ビル株式会社によって2023(令和5)年の竣工に向けて進行しています。そんな「虎ノ門・麻布台プロジェクト」のコンセプトや入居予定施設、期待される街の変化について、最新情報をご紹介します!

「虎ノ門・麻布台プロジェクト」全景のイメージ図 ⓒDBOX for Mori Building Co.
「虎ノ門・麻布台プロジェクト」全景のイメージ図 ⓒDBOX for Mori Building Co.


都市インフラとしての課題解決を超え、「都市とはどうあるべきなのか?」

東京の中心部・港区に位置する虎ノ門・麻布台は、経済・文化・国際性など、様々な側面で極めて注目度の高いエリアです。しかし、実は、今回の「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の計画地には、都市インフラとしての観点からも整備が必要な状況があったとのこと。当該エリアは、東西に細長く、高台と谷地が入り組んだ高低差の大きい地形。そのため、敷地は細分化され、小規模な木造住宅やビルが密集し、建物の老朽化も進むなど、防犯防災面等の課題を有していたのです。これらの課題を解決するだけでなく、テクノロジーが進歩し、働き方、暮らし方、そして生き方までもが大きく変わろうとしている今、「都市とはどうあるべきなのか?」という問いに立ち返った本プロジェクト。それは、これまでとは異なる全く新しい都市づくりを目指す、開発思想においても世界に類を見ない取り組みとなっています。

東側エントランスのイメージ図
東側エントランスのイメージ図


コンセプトは「緑に包まれ、人と人をつなぐ、『広場』のような街」

「都市の本質は、そこに生きる人にある」という思想に基づき、人々が人間らしく生きるための環境として、都市のあり方をゼロから考え直すことからスタートした本プロジェクト。開発のコンセプトは、「Modern Urban Village」=「緑に包まれ、人と人をつなぐ『広場』のような街」です。自然と調和した環境の中で多様な人々が集い、人間らしく生きられる新たなコミュニティの形成を目指しています。
そのため、まず人の流れや人が集まる場所を考え、街の中心に広場を据えるという思想でエリア全体を設計。これは、まず建物を配置し、空いたスペースを緑化するという、従来の手法とは全く逆のアプローチです。
また、圧倒的な緑を実現するために、建物の超高層化が行われています。細分化された土地を取りまとめて、超高層タワーを建てることで、足元に緑豊かなオープンスペースを生み出す。これは、森ビル株式会社が長年にわたりこだわってきている都市づくりの手法でもあります。

中央広場のイメージ図
中央広場のイメージ図


ホテル、ミュージアムや約150店舗の商業施設も

「虎ノ門・麻布台プロジェクト」によって入居を予定している施設は、住宅、事務所、店舗、ホテル、インターナショナルスクール、中央広場、文化施設、そして予防医療センターです。その中でも注目度が高いのが、日本初進出のラグジュアリーホテル「ジャヌ東京」。世界で数々のリゾートを手掛けるアマンが手掛ける、これまで東京にはなかったような世界トップレベルのホテルが完成する予定です。
他にも「街全体をミュージアム」とするというコンセプトのもと、延床面積約9,000㎡のミュージアムやギャラリーを中心に、オフィスや住宅、ホテルのロビーや広場など、広大な街のあらゆる場所に文化・アートを展開し、芸術・文化が一体となった街ができる予定になっています。

中央広場をのぞむホテルのレストランのイメージ図
中央広場をのぞむホテルのレストランのイメージ図

ファッション、ビューティー、カルチャー、アート、ウェルネスなど、多彩な店舗が揃う商業施設もオープンします。広く国内外からの訪問者はもちろん、港区を中心とした周辺エリアの方々が日常的に利用できる店舗構成を予定しているとのこと。中央広場の地下には、約4,000㎡を誇る巨大なフードマーケットが誕生。厳選された食材や東京の豊かな食文化に触れる楽しさ、美味しく健康的なライフスタイルの提案を通じて、「世界有数の食体験」を味わうことができます。

約4,000m²の大規模なフードマーケットのイメージ図
約4,000m²の大規模なフードマーケットのイメージ図


世界中から超一流の建築家・デザイナーが結集

もちろんデザインも超一流です。まず、3棟の超高層タワーの外観デザインを担当したのは、アメリカのPCPA(ペリ・クラーク・ペリ・アーキテクツ)。世界各国でランドマークとなる超高層タワーをデザインし、国内では「愛宕グリーンヒルズ」や「アークヒルズ 仙石山森タワー」などを手掛けています。特に、約330mの高さを誇るA街区タワーに見られる、ビルの中ほどがほんの少し膨らんだシルエットが特徴的で、最上部には王冠のような造形が加えられています。

低層部のユニークな建築とランドスケープ
低層部のユニークな建築とランドスケープ

また、低層部のユニークな建築とランドスケープは、イギリスのトーマス・ヘザウィック氏がデザイン。ヘザウィック氏は、ロンドンオリンピックの聖火台など、数々の独創的なプロジェクトを手掛けてきたデザイナー兼クリエイターであり、建築家です。低層棟はグリッド状の構造の一部がイレギュラーに歪んだ非常にユニークな造形で、屋上から壁面まで緑化し、植物が育って絡み合い全体が「ガーデン・パーゴラ」となることを目指しています。


環境や健康への取り組みにも注力

環境課題への取り組み、また、この街に住み、働くことの全てが「真に豊かな健康」に繋がるようにという思想に基づく取り組みにも注目です。
環境課題に対しては、エリア全体に「RE100」(Renewable Energy 100%)に対応する再生可能エネルギー電力を供給し、電力の脱炭素化を図る計画となっています。この街のあらゆる活動がすべて再エネ電力で賄われるということができます。
また、健康への取り組みでは、慶応義塾大学病院の予防医療センターを核として、スパやフィットネスクラブ、レストランやフードマーケットといった様々な施設のほか、広場、菜園なども1つのメンバーシッププログラムで結び、外部施設や医療機関とも連携しながら、この街でのすべての活動が「ウェルネス」につながる仕組みが導入される予定です。

商業施設のイメージ図
商業施設のイメージ図


道路ネットワークの課題突破と都市のDX化でより豊かな生活を

周辺エリアを含めた、期待される街の変化として、交通網の改善も大きなテーマです。
「虎ノ門・麻布台プロジェクト」が位置するエリアは、桜田通り、外苑東通り、麻布通りに囲まれた中にありながら、東西を貫通する道路が未整備、かつ、南北方向の主要な道路である通称「尾根道」は外苑東通りに抜けることができないなど、不完全な交通網が長年の課題でした。しかし、本プロジェクトによって、東西と南北の道路を整備。この地域の悲願でもあった道路ネットワークが完成します。さらに、六本木一丁目駅と神谷町駅を結ぶバリアフリー/アンブレラフリーの歩行者ネットワークも整備され、周辺地区を含むエリア全体の回遊性向上が期待できます。

また、六本木ヒルズを始めとする「街(ヒルズ)」を舞台に、都市のデジタルプラットフォーム(都市OS)「ヒルズネットワーク」を開発し、より便利で、より豊かな都市生活・顧客体験の提供が加速されるとのこと。「ヒルズネットワーク」によって統合された施設・サービスと利用者のデータをベースに、様々な最先端技術を実装。そのことによって、街全体がワークプレイスとなり、リビングスペースともなるような、従来以上にシームレスな都市生活の実現が目指されています。

ヒルズネットワークのイメージ図(プレスリリースより)
ヒルズネットワークのイメージ図(プレスリリースより)


エリアのポテンシャルの活用、近隣施設との連携により新たな文化・経済圏を創出

今回の開発エリアである虎ノ門・麻布台は、東京の中心部・港区に位置し、国際色・多様性にあふれ、「国際新都心」としても極めて高いポテンシャルを有するエリアです。さらに、本プロジェクトは、「アークヒルズ」に隣接し、「文化都心・六本木ヒルズ」と、「グローバルビジネスセンター・虎ノ門ヒルズ」の中間に立地します。「虎ノ門・麻布台プロジェクト」が要となり、既存のヒルズと連携・融合することで、都心部の新たな文化・経済圏の創出が期待されています。世界トップレベルの住環境の整備は、東京、そして日本の国際競争力の向上に必要となる「都市の磁力」向上につながるとも言えるでしょう。

「虎ノ門・麻布台プロジェクト」全景のイメージ図
「虎ノ門・麻布台プロジェクト」全景のイメージ図


多様なグローバルプレーヤーとともに、日々新たな刺激を感じながら創造的に生きること、また、住み、働き、遊び、学び、憩うことのすべてに上質を求める方にぜひ知っていただきたい「虎ノ門・麻布台プロジェクト」。
人の営みを中心にした、オフィスや住宅、商業施設、オープンスペースがシームレスにつながる新しい街づくりがどのように発展していくのか、今後の動向にも期待が高まります。

※この情報は2021(令和3)年12月時点のものです。