羽田空港~「東京」駅を18分でダイレクトに結ぶ

羽田空港アクセス線

羽田空港アクセス線(仮称)の鉄道事業区間位置図 東日本旅客鉄道株式会社より提供
羽田空港アクセス線(仮称)の鉄道事業区間位置図 東日本旅客鉄道株式会社より提供

2018(平成30)年、JR東日本の「グループ経営ビジョン『変革2027』」でも述べられていた「羽田空港アクセス線構想」。多方面から羽田空港へダイレクトアクセスし、時間を短縮してシームレスな移動を実現するというものだ。これにより輸送力も鉄道だけで約1.8倍へと上昇するという試算。今後、より首都圏から羽田空港への移動ニーズが増えることを想定し、その足を用意しておこうというものだ。

実際、羽田空港の空き地には、2020(令和2)年4月に「ソラムナード羽田緑地」が全面開園。同年7月には商業施設や研究開発施設などが集まる大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」がまちびらきをし、2022年にはグランドオープンを控えている。海外から訪れる人と国内の人が交流し、技術や文化を世界へと発信する重要な拠点としての役割へと舵を切り始めているのだ。

「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より
「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より

「羽田空港新(仮称)」駅は国内線の第1・第2ターミナルに設けられる予定。そこから「東京貨物ターミナル」付近の約5.0kmの部分がトンネルを掘って新設される。「東京貨物ターミナル」からは3つのルートに分かれていく。ひとつは「東山手ルート」で、既存の貨物線ルートであり現在は運行されていない大汐線を改良して「田町」駅付近まで行く。そこからは東海道本線に合流して「東京」駅を経由し、宇都宮・高崎・常磐線方面へと向かっていく。もうひとつは「西山手ルート」で「東京貨物ターミナル」から新設される線路を経てりんかい線と合流。りんかい線と埼京線は乗り入れができるため、「大井町」駅付近を経て新宿・池袋方面へと向かっていく。

貨物線
貨物線

そして3つめは、「東京貨物ターミナル」からりんかい線へと合流し房総方面へと向かう「臨海ルート」。これらが完成すれば最短で、「東京」駅まで約18分、「新宿」駅まで約23分、「新木場」駅まで約20分となる予定。もちろん、「東京」駅からは新幹線、「新宿」駅からは甲信越方面への特急などへと乗り換えることができ、地方へのアクセスも便利になる。

羽田モノレール
羽田モノレール

アクセス新線区間(東京貨物ターミナル~(仮称)羽田空港新駅間)については、去る2021(令和3)年1月、国土交通大臣から鉄道事業許可を受け、いよいよ東京貨物ターミナルから「羽田空港新(仮称)」駅の約5.0kmが建設されることとなった。東山手ルートは2029年度の運行開始を目指しており、運行が開始されれば片道1時間に4本、1日に72本もの列車が運行される予定だ。各方面、各地方都市からますます世界が近くなる日に向けて、本格的なスタートが始まっている。