子育てと教育でファミリーに「選ばれるまち」を目指す、東大和市の先進的な取り組みについて聞きました/東大和市役所
西武拝島線と多摩都市モノレールが交わる「玉川上水」駅の北から多摩湖北部まで広がる東大和市は、豊かな自然と生活利便性の高さを持ち合わせる市だが、さらに暮らしやすい市を目指して、さまざまな取り組みを推進している。特に子育てに関して充実しており、市内の待機児童はゼロ、2024(令和6)年からは高校生世代までのすべての子どもの医療費無償化が始まるなど、ファミリーが住みやすい街として人気を集めている。
今回は「東大和市役所」を訪れ、子育て支援をはじめとした市の取り組みについてお話を伺った。

自然と暮らしやすさを両立する東大和市
——まずは、東大和市の概要をお聞かせください。
横山さん:東京都の中央、北多摩地域に位置する東大和市は、面積こそ約13.4平方キロメートルというコンパクトな市ですが、ほどよい「自然」と「便利さ」を兼ね備えたまちです。
具体的には、市域の4分の1ほどを占める多摩湖の「自然」の恵みを享受できます。多くの人が住んでいるのは市内の南側エリアで、ここには「便利さ」がぎゅっと集まっています。「自然」エリアと「便利な場所」が近接していて、自転車などで気軽に行き来できるという点が、東大和市の一番の特徴ではないかと思います。
横山さん:市域の南半分には駅、商業施設、スーパー、ドラッグストアなど、さまざまな生活利便施設がそろっているので、日常生活には困らないと思います。東大和市は「立川の北、所沢の南」という立地のため都市機能も身近です。立川まではモノレールで10分ほどですし、西武拝島線で新宿まで35分ほどと、通勤や通学にも便利な場所だと思います。

2024(令和6)年10月から、高校生世代までの医療費を完全無償化した東大和市
——現在、東大和市として特に力を入れて取り組んでいることは何でしょうか。独自の施策などもあれば教えてください。
垣内さん:いくつかありますが、子育て関連で挙げるなら、まずは「子どもの医療費の完全無償化」です。東大和市では2024(令和6)年の10月から、市内にお住まいの0歳から⾼校⽣世代までのお⼦さんの医療費を完全無償化しました。生涯にわたる健康づくりの基礎を培う大切な時期に、必要な医療が受けられるように医療機関の医療費を無償化し、子育て世帯の経済的負担の軽減を図ることによって、⼦どもたちの成⻑を⽀えていきたい、という思いが込められています。
独自の事業としては、市独自の給付金事業が挙げられます。今年度は0歳から高校生世代の保護者を対象とし、市の公式LINEを通じて申請を受け付ける「⼦育て応援給付⾦」を実施しています。⼦育て世帯や若者を中⼼に⽀給するために、毎年⽀給方法を工夫しながら取り組んでいます。
——子育て関連の施策については、かなり力を入れていらっしゃるようですね。
垣内さん:はい。それを象徴しているのが、2020(令和2)年度に、市の子ども・子育てに関する共通の理念、指針として制定した「東大和市⼦どもと⼤⼈のやくそく(東大和市子ども・子育て憲章)」です。制定にあたっては、市内在住の小学生・中学生と大人の代表が意見交換を行い、子どもと大人が一緒に内容の検討をおこないました。

垣内さん:この「東大和市⼦どもと⼤⼈のやくそく」には、すべての人が未来に夢や希望を持ち、命や人とのかかわりを大切にし、自分らしく成長してくことを目指し、お互いの心を通じ合わせるという思いが込められています。
安岡さん:独自という点で付け加えるなら、東大和市では、小学校入学前の5歳児を対象とした「5歳児健診」を実施しています。最近では他の多くの自治体でも導入が進む健診ですが、東大和市では他の自治体に先駆けて2012(平成24)年度から開始されたものです。
——なぜ、独自の5歳児健診が始まったのでしょうか?
安岡さん:全国的に実施されている「就学前健診」は、入学直前の5歳児を対象としています。東大和市では、一歩踏み込んで、お子さんの発達に関する不安についても相談できる健診にしたいと考えました。保護者の不安を少しでも和らげ、必要なお子さんには継続的なサポートを提供できる機会として、独自の形でスタートさせています。
外国人講師とのオンライン英会話レッスンなど、教育に関する独自の取り組みで子育て世代を支える東大和市
——小中学校の教育にも力を入れていると聞きました。どのような点でしょうか?
垣内さん:東⼤和市内の中学校では、多摩地域で初の「マンツーマン英会話レッスン」を導⼊しています。GIGAスクール構想に基づき整備した1人1台端末を活用し、海外在住の外国⼈講師とオンラインで結び、マンツーマンで英会話レッスンを行っています。この取り組みにより、英語での発話量が大幅に増加し、一人一人の英語力に合わせた授業を行うことができるようになりました。
また、2025(令和7)年9月、小・中学校で使用するタブレット端末を新機種に更新するとともに、モデル校で先行導入されていたAIを活用した教材ソフトの利用を、全小・中学校で開始しました。この教材ソフトは、児童・生徒の学習状況を分析し、つまずきの原因を特定した上で、適切な問題を提示することで、それぞれに最適化された個別学習を行うことができます。これにより、学習習慣の定着や学力向上を目指しています。
——これらの子育て・教育関連政策に関して、市民や利用者の反響はいかがでしょうか?
垣内さん:⼦ども医療費の無償化については、「ありがたい」「助かる」という声を多くいただいています。
市独自の子育て応援給付⾦の申請時に市の施策等に関するアンケート調査を実施しましたが、医療費助成や給付⾦など、経済⽀援に関しては特に歓迎する声が多く聞かれます。
——ここ数年、待機児童ゼロを継続しているそうですね。待機児童をゼロにするために強化して取り組んだ施策があれば教えてください。
富田さん:2021(令和3)年から2025(令和7)年4月まで、5年連続で「待機児童ゼロ」を達成しています。強化して取り組んだ施策として、まず「計画的な保育施設の整備」が挙げられます。既存の保育園の施設の拡充や整備に加え保育園の新設も行い、直近では2024(令和6)年の4月に、社会福祉法人どろんこ会と連携した「子ども発達⽀援センターつむぎ東大和」と「東⼤和どろんこ保育園」を新設しました。
富田さん:現在進んでいる計画として、「大和南保育園」の跡地の活用が挙げられます。保育園の運営法人さんと調整や協議をしながら、子育て支援施設の拡充整備を進めており、今後も継続して子育て世帯の皆様のニーズに応えられるような整備を進めていきたいと考えています。
——出生率が高いことで知られる東大和市ですが、どのような施策が功を奏したのでしょうか?
富田さん:待機児童対策で施設整備などを計画的に進めてきたことが、出生率の高さにも結び付いていると思います。共働き世帯の方が安心してお子様を預けられる環境が整ってきているのが大きいですね。
「子育て、教育で選ばれる東大和市に」を掲げ、妊娠・出産期からの「切れ目のない支援」に注力
——これから東大和市市として力を入れていきたいことはありますか?
垣内さん:安心して子育てができる環境を作るために、子どもの誕生前から青年期を経て、大人になるまでのライフステージを通じ、切れ目のない支援に取り組んでいきたいと考えています。
富田さん:個人的に、これからの時代は「行政だけでやる」のではなく「地域と一緒にやっていく」ことが大事になっていくと思います。子育てでも教育でも、市民と一緒に考え、市民がやりたいことを、行政がサポートする。そうすれば、より良い東大和市になっていくのかなと思っています。

——子育て中の方に人気の施設やスポット、今後新設予定の施設などについて、お聞かせいただけますか?
富田さん:「狭山緑地」がおすすめです。フィールドアスレチックがありますし、カブトムシやクワガタなどもたくさんいます。私自身も子どもと一緒に虫探しに行きました。いつも子どもたちでにぎわっている場所です。
その近くにある「郷土博物館」もおすすめです。公園で遊んでいる間に涼みに行くのも良いですし、プラネタリウムも安い料金で楽しめます。

横山さん:「狭山緑地」のフィールドアスレチックに関してはリニューアルリニューアルも計画していて、完了の時期は未定ですが、今後、もっと楽しめるような場所になると思います。
あとは「狭山緑地」の周辺には、豊かな自然のなかで、キャンプやグランピングを楽しめる施設もあり、家族連れや若者層に⾮常に⼈気があります。
——市内の南側エリアではいかがでしょうか?
安岡さん:「玉川上水」駅の近くの「東大和南公園」には市民体育館と市民プールがあって、夏には親子連れの方でにぎわっています。公園内にある陸上のトラックは自由に利用できるので、運動をされる方も多いです。玉川上水沿いには自然もありますし、市民の方に広く親しまれている公園かと思います。
横山さん:南公園は市や市⺠主催のイベントに使われることもあります。あと、東⼤和市駅前には、ボウリング、テニス、アイススケートなどを楽しめる施設があるのですが、そこにある屋内遊び場が親⼦連れに⼈気です。
それと、駅が⾼架化されて線路の下が空き地になっているのですが、市民の方々が、その空き地を活用したイベントを8月に開催して、大盛況でした。今後も定期的に⾼架下のイベントをやっていきたいと伺っています。
——最後に、玉川上水エリアの魅力と、これから住みたいという方に向けてのメッセージをお願いします。
安岡さん:公園もクリニックもスーパーもあり、玉川上水エリアだけで事足りるので、非常に住みやすいエリアだと思います。ぜひ多くの方にお住まいいただきたいですね。
横山さん:買い物環境としてもショッピングモール、ドラッグストア等が集まっているなど、とても暮らしやすい地域だと思いますね。

横山さん:あとは「東大和南公園」ですね。じゃぶじゃぶ池やプール、体育館もありますし、陸上トラックは走りやすいことで知られていて、遠くからも走りに来る人がいるみたいです。
富田さん:交通の便が非常に良いと思います。西武線とモノレールを乗り継げる駅なので、立川の街にすぐに出られますし、新宿エリアにも、青梅・奥多摩エリアにも出やすくて、東大和でも一番、どこにでも出かけやすい場所だと思います。
そして便利な割には静かで、のんびりできます。プロ野球の埼玉西武ライオンズの本拠地「ベルーナドーム」にも近いですし、立川方面には「昭和記念公園」もあるので、ファミリーで楽しく暮らせると思います。

垣内さん:緑豊かな環境と利便性を兼ね備えている点に加え、車道や歩道が広い点も魅⼒だと思います。⽟川上⽔エリアは道がしっかり整備されているので、⼦どもと⼀緒でも安⼼して歩けますし、少し⼤きくなって、⼦どもたちだけで⾃転⾞で遊びに⾏くようになっても、安⼼して過ごせるエリアです。
市内にはいろいろな地域があって、それぞれ良さがありますが、⽟川上⽔エリアはその中でも、利便性と⾃然がバランスよく共存しているエリアだと感じています。ぜひ⼀度、お越しいただければと思います。

東大和市役所
子ども未来部 子育て支援課 子育て推進係長 垣内晶子さん
子ども未来部 子ども支援センター子ども相談係長 安岡信幸さん
子ども未来部 保育課 管理・給付係長 富田泰之さん
政策経営部 広報プロモーション課 広報プロモーション担当係長 横山太一さん
所在地:東京都東大和市中央3-930
電話番号:042-563-2111(代表)
URL:https://www.city.higashiyamato.lg.jp/
※この情報は2025(令和7)年9月時点のものです。
