日野市のロケ地を巡る

都心から電車で40分と少し離れた郊外にある日野市は、「多摩川」や「浅川」に代表される豊かな自然がいっぱい。さらに、歴史あるお寺や廃校となった学校校舎などもあります。そんな魅力を活かし、日野市では市の活性化と街の魅力を市内外の人たちに知ってもらう取り組みの一環として、ロケ地誘致によるシティセールスを行っています。その積極さは、ロケ地の紹介や相談、制作会社と施設との調整など、撮影に関する様々な事務処理を行うなどのフィルムコミッション事業を行う非営利公的機関「日野映像支援隊」も存在するほど。この機関は2003(平成15)年に設立され、既に多くの作品の中に日野市の風景が登場しています。今回は、日野市のロケ地となったスポットをご紹介します。

歴史ある建物から何気ない古い建物が作品のワンシーンに

「日野」駅を出発して甲州街道を10分程東へ進んでいくと、「日野宿本陣」があります。江戸時代に建てられた本陣の建物が今に残っているのは、都内でここだけ。そんな貴重な建物は、バラエティ番組でスポット的に使われることが多いようです。日本テレビ系のバラエティ番組『嵐にしやがれ』の放送がここで撮影されました。

このあたりには、他にも撮影スポットが多数あります。「日野市生活保健センター」は警察署設定での撮影が多く、2014(平成26)年にテレビ東京で放送されたドラマ『玉川区役所 OF THE DEAD』では物語のメインとなる玉川区役所の設定で撮影されました。その他にも2015(平成27)年にフジテレビ系で放送されたドラマ『HEAT』や『私という名の変奏曲』、最近では2020(令和2)年11月からフジテレビ系で放送されたドラマ『監察医 朝顔2』もここで撮影されています。

「日野宿本陣」
「日野宿本陣」

「日野市生活保健センター」
「日野市生活保健センター」

「ひの市民活動支援センター」は、捜査本部や塾、選挙事務所、児童相談所などの設定でよく使われるそう。フジテレビ系では2014(平成26)年に放送された稲葉尚弥と山崎賢人主演のドラマ『水球ヤンキース』、2016(平成28)年に放送された安田成美主演のドラマ『朝が来る』、2020(令和2)年にドラマ化された石原さとみ主演の『アンサング・シンデレラ』など。2018(平成30)年には『貞子』などの映画も撮影されています。さらに、2020(令和2)年にはテレビ朝日系の『未解決の女2 警視庁文書捜査官』、NHKの『天使にリクエストを』など、実にたくさんの撮影が行われています。

近くの「市民の森スポーツ公園」内の陸上競技場は、2005(平成17)年にフジテレビ系列で放送されていた木村拓哉主演のドラマ『エンジン』の撮影が行われた場所です。

「市民の森スポーツ公園」
「市民の森スポーツ公園」

「市民の森スポーツ公園」陸上競技場
「市民の森スポーツ公園」陸上競技場

川が流れる穏やかな風景と美しい橋のフォルムが爽やかな屋外ロケ地

「ひの市民活動支援センター」から多摩モノレールの軌道の下を歩いて北へ向かっていくと、すぐに「多摩川」に出ます。「多摩川」は、河川敷の悠々とした景色が広がり、川沿いには約18.6kmのサイクリングロードが整備されています。この場所では、2019(令和元)年に日本テレビ系で放送されたドラマ『HiGH&LOW THE WORST EPISODE.0』や、志村けんのバラエティ番組『天才!志村どうぶつ園』が撮影されました。「多摩川」のサイクリングロードを東へ3kmほど走ると、「府中四谷橋」という橋があります。ケーブルを斜めに張った斜張橋で2つの三角形のフォルムがとても美しい橋です。2017(平成29)年にアニメが実写化されて公開された映画『一週間フレンズ。』はここで撮影され、アニメにもケーブルが斜めに伸びる橋の景色は幾度となく登場しています。

同じく2017(平成29)年に公開された松坂桃李や菅田将暉出演の映画『キセキ -あの日のソビト-』も日野市各所で撮影されています。キセキとは“奇跡”であり“軌跡”でもあります。監督は「道」を意識してアップダウンのある風景にしたかったため、坂の多い東京都日野市をメインロケ地として選んだそう。「府中四ツ橋」では映画のシーンほか、ポスターも撮影されています。「府中四谷橋」の橋下のコンクリートに書かれた文字が今もありますし、「府中四谷橋」のサイクリングロードには現在「kiseki」のロゴプレートが設置されています。

「府中四谷橋」
「府中四谷橋」

「府中四谷橋」橋下
「府中四谷橋」橋下

「府中四橋」付近では、「多摩川」とその支流である「浅川」が合流しています。「浅川」を2.5kmほど上流に向かうと、「万願寺歩道橋(浅川ふれあい橋)」があります。白いケーブルが延びる吊橋のフォルムは美しく、橋付近は親水広場としてきれいに整備されています。このあたりは高い建物もないので見晴らしもすばらしく、富士山も望めます。撮影スポットとしては最適ですね。2014(平成26)年11月からTBS系で放送されたドラマ『ママとパパが生きる理由。』、2017(平成29)年公開の映画『彼らが本気で編むときは、』、2018(平成30)年に日本テレビ系で放映され2019(令和元)年には映画公開された『PRINCE OF LEGEND』、2019(令和元)年フジテレビ系で放送されたドラマ『ラジエーションハウス』、2021(令和3)年3月からテレビ東京で放送されたドラマ『ハクタカ』など、こちらも例を挙げればきりがありません。

浅川の親水広場と「ふれあい橋」
浅川の親水広場と「ふれあい橋」

正面から見る歩道橋「ふれあい橋」
正面から見る歩道橋「ふれあい橋」

「ふれあい橋」の500mほど南には、関東三大不動に数えられる「高幡不動尊金剛寺」があります。新選組・土方歳三の菩提寺でもあり、広い敷地には五重塔や弁天池などがあり季節の花々も楽しめるお寺です。ここでは2016(平成28)年公開の映画『TOO YOUNG TO DIE!若くて死ぬ』や、同じく2016(平成28)年に日本テレビ系でドラマ化された石原さとみ主演の『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』が撮影されました。石原さとみが参道前の「開運堂」で名物の大きなソフトクリーム「クレミア」と「高幡不動せんべい」を買って行ったそうです。

「高幡不動尊金剛寺」
「高幡不動尊金剛寺」

「高幡不動尊金剛寺」五重塔
「高幡不動尊金剛寺」五重塔

「浅川」周辺では、サイクリングロードをメインにたくさんの撮影が行われています。京王電鉄京王線「南平」駅付近では2016(平成28)年に公開された映画『ピンクとグレー』が撮影されました。一方、「平山城址公園」駅付近では、2015(平成27)年にテレビ朝日系で放送されたドラマ『アイムホーム』や2016(平成28)年に日本テレビ系で放送されたドラマ『そして、誰もいなくなった』などが撮影されました。

「浅川」沿いの平山2丁目には、2018(平成30)年から多世代交流の拠点として活動を始めている施設「浅川リバーハウス」があり、ここでもたくさんの撮影が行われています。ここ最近はフジテレビ系ドラマが多く、2019(令和元)年放送の『シャーロック』や2020(令和2)年放送の『アライブ がん専門医のカルテ』、2020(令和元)年11月から第2シリーズ放送の『監察医 朝顔2』など。また、2019(令和元)年に公開された映画『ブラック校則』も「浅川リバーハウス」の建物の中のほとんどの場所が撮影場所として利用されたそう。『ブラック校則』は日本テレビ系テレビや、WebドラマとしてHuluでも配信されました。

浅川 南平付近
浅川 南平付近

浅川サイクリングロ―ド 南平付近
浅川サイクリングロ―ド 南平付近

大規模ホールは作品内でもステージパフォーマンスの場に

南平付近から浅川サイクリングロードを離れて北上し、「日野」駅に向かうと「日野中央公園」です。2012(平成24)年にフジテレビ系で放送されたドラマ『PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~』や2016(平成28)年に日本テレビ系で放送されたドラマ『家売るオンナ』などが撮影された場所です。いずれも公園のベンチが使われていたのが印象的です。

最後に、「日野中央公園」に隣接する「ひの煉瓦ホール(市民会館)」。ここには1,094席の固定席を有する大規模なホールがあります。前出の映画『キセキ -あの日のソビト-』が撮影されたほか、2017(平成29)年3月に映画が公開され翌年にはTBSテレビ系で続編が放送されたドラマ『チア☆ダン』も撮影されました。テレビドラマ『チア☆ダン』の撮影では日野市内の様々な場所で主要キャストらにより撮影が行われ、日野市での延べ撮影日数は27日だったそうです。

「日野中央公園」
「日野中央公園」

「ひの煉瓦ホール(市民会館)」
「ひの煉瓦ホール(市民会館)」

いかがでしたか? 紹介したスポットのほかにも、バラエティ番組などで撮影に使われることの多い「百草台コミュニティセンター」など、日野市にはロケ地がまだまだたくさんあります。テレビや映画に出てきたワンシーンと重ね合わせながら、日野の自然や文化や歴史にもぜひ目を向けてみてください。

日野市のロケ地を巡る
所在地:東京都日野市 

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