独自の施策で成果を上げる練馬区の子育て支援とは/練馬区役所 子育て支援課 山根さん、こども施策企画課太田さん

緑が多く、子育てしやすい街として知られる練馬区。近年全国的に共働き世帯が多くなり、子育てサポートの需要も高まってきているなかで、子育て世帯に人気の練馬区では一体どのような子育てサポートがあるのだろうか。今回は、練馬区 こども家庭部におじゃまして、練馬区の子育て環境向上に尽力されている子育て支援課 山根さんとこども施策企画課 太田さんに、練馬区の子育て環境や子育て施策についてお話を伺った。

子育てに奮闘する共働き家庭のサポートを拡充

今回お話を伺った山根さんと太田さん
今回お話を伺った山根さんと太田さん

――まずは練馬区の概要を教えてください。

太田さん:練馬区は東京都23区内で最も新しい区です。人口は一貫して増加していて、2019年4月時点で739,091人。23区で2番目に多い数字です。肌感覚としては、子育て家庭が多く入ってきている印象ですね。

――児童数と子育て世帯の就労状況はいかがでしょうか。

太田さん:就学前の児童数は2018(平成30)年をピークに減っていますが、6~11才の小学生児童は増加傾向にあります。未就学児のいる世帯と小学生のいる世帯、ともに約半数が共働きで、保育サービスを利用する家庭が増えています。総世帯に占める15歳未満の子どもがいる世帯の比率は16.6%と他区と比べても高く、子育て世帯が多い区です。

――練馬区では子育て支援の必要性をどう捉えていますか。

山根さん:全国的に出生数が下がる一方で働く女性は増え、練馬区でも保育需要は年々増えています。核家族化などを背景に孤立する保護者も多く、育児相談の重要性も高まっていると感じています。区、学校、地域団体など関係機関が連携して子育てを支える仕組みが欠かせません。

乳幼児親子の友だちづくりの場「にこにこ」

太田さん
太田さん

――「学童クラブ室活用型子育て支援事業(通称にこにこ)」について教えてください。

山根さん:「にこにこ」は、学童クラブ室を活用した子育てひろばです。児童が学校に行っている午前中の学童クラブ室を有効活用しようと、2001(平成13)年に始まりました。対象は0~3才までの乳幼児とその保護者で、開放時間は原則10~12時の2時間。親子が安心して遊べて、育児に関する情報交換や悩み相談ができる場となっています。20~30代の利用者が多いですね。「子どもにとっても親にとっても、友だちづくりの場になる」「知らなかった遊びを教えてもらえる」「スタッフの方に育児など悩み相談ができる」「室内なので、天気に左右されず遊べて助かる」などの声が寄せられています。

山根さん
山根さん

――特に「下石神井地区区民館」で行われている活動について教えていただけますか。

山根さん:「下石神井地区区民館」の「にこにこ」は、火曜と金曜の週2回。1回5組ほどの親子が利用しています。そのほか、地区区民館の事業として、乳幼児親子向けに絵本を読み聞かせる「えほんだいすき」やパネルシアター「おはなしだいすき」、子どもの身長や体重を計る「たけのこひろば」など、さまざまなイベントが用意されています。小学生向けの「おはなし会」や工作「つくりんぼクラブ」、七夕など季節行事も行われています。

保育所整備や「練馬こども園」などで待機児童数は過去最少に

ねりま子育て応援ハンドブック
ねりま子育て応援ハンドブック

――練馬区独自の取り組みがあれば、ご紹介ください。

太田さん:一つは、2016(平成28)年度に創設した「練馬こども園」です。夏休みなどの長期休暇も含め、通年11時間の預かり保育を実施する私立幼稚園を、区が独自に「練馬こども園」として認定しています。全国初となる、地方自治体型の幼保一元化施設なんですよ。今年度からは9時間以上の短時間型、3歳未満児を対象とした低年齢型も新設。いずれは区立幼稚園や保育所にも認定を広げたいと考えています。また、保育所整備などにより、今年4月の待機児童数は過去最少の14人となりました。来年4月には、新たに私立認可保育所を16カ所整備し、定員を630人増やす予定です。さらに「練馬こども園」も拡大します。

――最近始まった新しい取り組みはありますか。

太田さん:今年度から「練馬こどもカフェ」をスタートさせました。幼稚園教諭や保育士などによる育児相談や子育て支援講座を、区の施設ではなく民間のカフェで行っています。「リラックスできる空間で、美味しいコーヒーを飲みながら楽しみたい」というお母さん方の声もあり、在宅育児をする人にリフレッシュできる場を提供しようということで始まりました。現在、区内の3店舗で実施しています。親子の時間や保護者同士の交流が、より楽しいものになればと期待しています。

「練馬こどもカフェ」の様子(提供:練馬区)
「練馬こどもカフェ」の様子(提供:練馬区)

小学生の放課後の居場所を確保する「ねりっこクラブ」

――特に力を入れている取り組みを、一つ挙げていただけますか。

太田さん:小学生の放課後の居場所づくりのために、2016(平成28)年度に始まった「ねりっこクラブ」が特徴ですね。近年、共働き家庭の増加で、学童クラブへの入会希望が急増しています。そこで、放課後の小学校で異年齢交流や読書の推進を図る「学校応援団ひろば事業」を継続しつつ、学童クラブの機能を小学校内に移し、二つの事業運営を一体的に行うことになりました。それが「ねりっこクラブ」です。早期の全校実施を目指して進めています。

「ねりっこクラブ」の様子(提供:練馬区)
「ねりっこクラブ」の様子(提供:練馬区)

山根さん:「ねりっこクラブ」をはじめ、学童クラブや児童館などの入退室を保護者が確認できる「ねりまキッズ安心メール」も用意しています。利用登録した児童がICカードを入退室時にカードリーダーにかざすと、その情報が指定したアドレスに送信されるんです。初回登録料1,000円がかかりますが、その後はメール受信に伴うパケット料金のみで利用できます。利用は任意ですが、今はたくさんの方が利用されています。

入退室状況をメールで知らせるICカード
入退室状況をメールで知らせるICカード

子育てしやすい石神井公園エリア

――今後はどんな施策に重点を置く予定ですか。

太田さん:妊娠・出産期から中高生まで、切れ目のないサポートを目指します。電子母子手帳導入の検討のほか、ご紹介した「にこにこ」「練馬こども園」「練馬こどもカフェ」「ねりっこクラブ」のような、子どもの居場所づくりと保護者の負担軽減につながるサービスを一層充実させていきます。多胎児や障害児、ひとり親家庭など、支援を必要とする子どもや家庭へのケアにもしっかり取り組んでいきます。

――今後新たに予定している取り組みなどあれば教えてください。

山根さん:これまで「光が丘公園」等で実施していた外遊び事業に加え、緑豊かな大きなフィールドを活用して親子で散策をする移動型の外遊び事業を来年度から始めます。外遊びを通した子どもの健やかな成長と保護者同士の交流を支援していきます。

石神井公園
石神井公園

――最後に石神井公園周辺の子育て環境について、特に石神井公園駅の南側エリアについて教えていただけますか。

山根さん:23区トップの緑被率を誇る練馬区は、子育てにはぴったりの環境だと思います。2016(平成28)年4月には、住宅情報サイトの「ライフルホームズ」に掲載された「子育てしやすい街ランキング」で1位に選ばれているんですよ。保育園とその定員数が多いこと、公園が充実していること、小児科の数など、すべての項目が平均を上回っていました。なかでも石神井公園周辺は、都心へのアクセスが良く、緑豊かなところが一番の良さだと思います。

太田さん:「石神井公園」駅の南側は保育園がたくさんありますね。また、「練馬区立石神井公園ふるさと文化館」や「練馬区立石神井図書館」など文化施設が充実しているのも魅力です。

全国初となる幼保一元化施設など、独自の施策で成果を上げる練馬区の子育て支援とは
全国初となる幼保一元化施設など、独自の施策で成果を上げる練馬区の子育て支援とは
 

練馬区 教育委員会事務局 こども家庭部

子育て支援課長 山根由美子さん
こども施策企画課長 太田喜子さん
所在地:東京都練馬区豊玉北6-12-1
電話番号:03-3993-1111(代表)
URL:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/soshiki/kodomokatei/index.html
※この情報は2019(令和元)年12月時点のものです。