千石エリアは武蔵野台地の先端部分にあたる白山台地の高台と台地を刻む指ヶ谷の低地からなり、その間には猫又橋、網干坂、簸川坂(氷川坂)といった坂が多い。こうした環境から、路地や階段など味わい深い街並みが広がる。
写真 : 「簸川坂(氷川坂)」
写真 : 千石エリア街並み
千石エリアは緑が多いことも特徴だ。「千石緑地」はその代表で、文京区有数の巨木である推定樹齢100年以上のムクノキなどが残る。ここはもともと一橋徳川家の屋敷として使われていた場所だ。一橋徳川家12代の故徳川宗敬氏は都市内の自然林の保存に努めていたことから、樹林を残すよう配慮することを条件に文京区に寄付、その後、緑地として整備された。
写真 : 「千石緑地」
千石エリアの南には16万平方メートルという広さを誇る「東京大学大学院理学系研究科附属植物園」がある。ここは徳川幕府が薬用植物を育てるために開いた「小石川御薬園」がルーツで、明治維新後、「東京帝国大学(現・東京大学)」の植物園となった。現在も多彩な植物の栽培に使われており、一般公開もされている。
写真 : 「小石川植物園」
千石エリアの北東に広がる「六義園」は柳沢吉保の屋敷に7年の歳月をかけて造営された回遊式築山泉水庭園で四季折々の風景が美しい。千石エリアの南西にある「占春園」も水戸徳川家2代徳川光圀の弟であった松平頼元の中屋敷にあった庭園で、現在は「筑波大学附属小学校」の自然観察の場として使われるほか、一般にも公開されている。
写真 : 「六義園」
千石エリア周辺には子どもの遊び場に適した公園も多い。「文京宮下公園」や「大塚窪町公園」には遊具のほか、フェンスで囲まれたボール遊びができる広場も用意され、子どもの姿が絶えない。「文京スポーツセンター」に隣接する「教育の森公園」にも水遊びのできる池や遊具があり、子どもに人気だ。
写真 : 「教育の森公園」
心を穏やかにしてくれる自然が身近で、子どもがのびのびと遊べる公園も揃う千石エリア。ここでは緑を身近に感じながらの暮らしが心地よい。
坂と緑が生み出す、味わい深い風景の街 所在地:東京都文京区