スペシャルインタビュー

主体性を重んじ、“地域のなかの保育園”としてコミュニティの一翼を担う「世田谷仁慈保幼園」

2017(平成29)年4月に開園した「世田谷仁慈保幼園」は、“地域とともに育つ保育園”を目指している。同園は、地域に支えられながら子どもたちの成長を育み、地域のコミュニティの一員としての役割も担っている。

今回は、子どもの主体性を大切にする保育や、地域とともにある子育て環境について、園長の宮口優香先生にお話を伺った。

インタビューにご協力いただいた「世田谷仁慈保幼園」園長の宮口優香先生
インタビューにご協力いただいた「世田谷仁慈保幼園」園長の宮口優香先生

地域と共に子どもの主体性を育む「世田谷仁慈保幼園」の保育方針

——まずは、「世田谷仁慈保幼園」の概要から聞かせてください。

宮口園長先生:当園は2017(平成29)年4月に開園した私立の認可保育園です。定員は102名で、現在は99名の子どもたちが通っています。運営母体である「社会福祉法人 仁慈保幼園」の考えとして、地域と保育園とを別々に捉えるのではなく、“地域のなかの保育園”ということで、地域のコミュニティの一翼を担えたらと思っています。

明るい色合いが目を引く「世田谷仁慈保幼園」エントランス
明るい色合いが目を引く「世田谷仁慈保幼園」エントランス

宮口園長先生:子どもたちが日常的に接する大人は、保護者か保育士くらいですが、街に出れば、さまざまな方と出会えます。そのような地域の方と会い、接することで子どもたちは自然と大人や社会に対する憧れの気持ちや興味を抱くことになります。その気持ちが夢や目標へ向かう原動力になると考えています。

——“地域のなかの保育園”のほかにも、園の特徴があればぜひ教えてください。

宮口園長先生:大人が一方的に指示を出すのではなく、子どもの興味や関心を見守りながら、好きな遊びを自分で見つける主体的な行動や、考える力を育てたいと考えています。その過程ではもちろん上手くいかないこともありますが、次はどうしようか、何が必要だったのかと試行錯誤することで考える力が育まれます。大人がすべてを先回りして与えるのではなく、子どもを一人の人間として尊重し、豊かな経験を重ねてほしいと考えています。

エントランス付近に並ぶ絵本の数々
エントランス付近に並ぶ絵本の数々

宮口園長先生:また、特徴ということでは異年齢保育の実施も挙げられると思います。月齢差、生活リズムの差が大きな0・1・2歳では実施していませんが、3・4・5歳の子どもは縦割りのクラスです。年長者は年長者としての自覚、思いやりの気持ちが育まれますし、反対に年長者への憧れを抱くなど双方によい影響が出ています。

さらに、ポートフォリオとドキュメンテーションも特徴のひとつです。ポートフォリオは0・1・2歳を対象とし、毎月、成長記録を作成して報告するものです。日々の何気ない様子を伝えるだけでなく、なぜこの遊びをしているのか、どのような気持ちでこの行動をとったのかなど保育士の視点を書き添えて作成しています。ドキュメンテーションについては、3・4・5歳を対象に、日々の様子を写真とともに毎日お伝えしています。

温かみのある雰囲気の園内
温かみのある雰囲気の園内

尾山台の地域交流を通じて、子どもの学びと成長を支える取り組み

——地域との関わりを大切にしているとのことですが、印象的なエピソードはありますか。

宮口園長先生:当園は、子どもたちの興味・関心に従って、積極的に街に出ていくようにしています。例えばパン屋さんごっこをしている子どもが、“どんなことをしているのか見てみたい”と言ったので、それなら実際に見に行ってみようと「尾山台」駅前の「ハッピーロード商店街」に行ってきました。事前に連絡をしたわけでもないのに、快く見学を受け入れてくださいました。また、子どもたちを連れてハーブで香水づくりをしている二子玉川の雑貨屋さんまで行き、作り方を聞いたこともあります。

「ハッピーロード商店街」
「ハッピーロード商店街」

宮口園長先生:最近では、当園から歩いて5分ほどの距離にある「玉川清掃事務所」にお世話になることが増えてきました。子どもがごみ収集車に興味を持ったことをきっかけに、スケルトン仕様の展示用ごみ収集車を見学させていただきました。“子どもたちに興味を持ってもらえるのはうれしい”と、いつも親切に対応してくださいます。生ゴミから肥料をつくり、それを使って野菜を育てること、さらに収穫まで体験させていただくなど、よい関係を築くことができ、私たちにとっても大変心強く、うれしく感じています。

「玉川清掃事務所」(引用:世田谷区HP)
「玉川清掃事務所」(引用:世田谷区HP)

——尾山台周辺で子育てをしている方々は、街のどのようなところに魅力を感じていると思いますか。

宮口園長先生:やはり環境のよさは大きいと思います。落ち着いた住宅街が広がり、「等々力渓谷」をはじめ、多摩川の土手や河川敷など自然環境にも恵まれています。一方で、「二子玉川」駅が近いため、日々の買い物や休日のショッピングを楽しむのにも便利な点も魅力のひとつだと思います。

商業施設の集まる「二子玉川」駅周辺
商業施設の集まる「二子玉川」駅周辺

——保護者やお子さまに人気のある尾山台周辺のおすすめの公園や施設などがあれば教えてください。

宮口園長先生:「玉川野毛町公園」に行かれたという話はよく聞きます。テニスコートや野球場、デイキャンプコーナー、屋外プールがあり、さらに今後、拡張工事によって公園区域が広がることが決まっています。

「玉川野毛町公園」
「玉川野毛町公園」

宮口園長先生:また、「多摩川」駅の徒歩1分の距離にある「せせらぎ公園・せせらぎ館」には、集会室、多目的室、キッズスペース、図書室のほかに、レストランが併設されています。公園もあるので、子どもを連れていくにはおすすめしたい施設です。

「田園調布せせらぎ公園・せせらぎ館」
「田園調布せせらぎ公園・せせらぎ館」

自然と商店街の温かさに包まれる尾山台の子育て環境

——尾山台の魅力、特に子育て環境のよさに関係するものがあればぜひ教えてください。

宮口園長先生:公園も、ショッピング施設も充実していますし、人情味あふれる商店街があるというのも魅力だと思います。子どもたちと歩いていると声をかけていただけて、八百屋さんの前を通ったら枝つきの桃をいただいたこともありました。偶然の出会いですが、どれもすてきな体験で、街を歩くたびに心が温まるような気持ちになります。

地域への感謝をお話される宮口園長先生
地域への感謝をお話される宮口園長先生

——最後に、尾山台で子育てをしようかどうかを考えている方にメッセージをください。

宮口園長先生:都内では得がたい自然環境があること、そしていろいろな方が活躍されている商店街が駅前にあります。それぞれの分野で活躍されている方と出会うことができ、それが子どもたちの心の豊かさにもつながっていくように思います。豊富な“地域の資源”があり、便利で、落ち着いている街なので、ぜひ注目していただければ幸いです。

インタビューにご協力いただいた「世田谷仁慈保幼園」園長の宮口優香先生
インタビューにご協力いただいた「世田谷仁慈保幼園」園長の宮口優香先生

世田谷仁慈保幼園

園長 宮口優香先生
所在地:東京都世田谷区玉堤二丁目13番11号
電話番号:03-6432-2663
URL:https://www.jinji.educare.tokyo/setagaya/
※この情報は2025(令和7)年8月時点のものです。