キリスト教保育を行う、駅前の私立認可保育園

キリストの教えに則し、日々子どもたちと真摯に向き合う「山手こひつじ保育園」。ありのままを認め自己肯定感を養う保育とは?

“めぐみを感じることのできる子ども”、そして“意欲のある子ども” の育成を保育目標とする「山手こひつじ保育園」。神から授かりし大切な命である子どもが平和な世界の救い手となるように、イエス・キリストの教えを基本とした保育を実践している。今回は園長である高原先生に、「山手こひつじ保育園」の特徴や子どもを育てる上で大切にしていること、武蔵野台エリアの魅力について伺った。

子どもは神様に与えらえたかけがえのない存在

――「山手こひつじ保育園」を開園したきっかけを教えてください。

高原さん:1984(昭和59)年、母体である「社会福祉法人 東京山手マリヤ会」が開園した0〜2歳を対象とする乳児保育園、「山手保育園」が本園の前身です。小規模保育園として府中市の子どもたちを見守り続けてきましたが、開園当時から徐々に時代は変化します。産後に社会復帰する女性も増え、待機児童の問題も取り上げられるようになりました。
“もっと長く通わせたい” という保護者からの声も聞かれるようなり、2012(平成24)年4月、小学生までの子どもを対象とする「山手こひつじ保育園」を開園しました。

2012(平成24)年に開園した「山手こひつじ保育園」
2012(平成24)年に開園した「山手こひつじ保育園」

――キリスト教主義の保育を実践しているとのことですが、普通の保育園との違いはなんですか?

高原さん:子ども一人ひとりを大切にというのは全ての保育園に共通した理念だと思います。私たちは、子どもは神様からいただいたかけがえのない命である、だからこそ守らねばならないという考えのもとで保育を行っています。具体的な活動では、食事前のお祈りや毎日歌う賛美歌など、神様を中心とした活動は他の園にはない特徴だと思います。

日々、園内に響きわたる賛美歌
日々、園内に響きわたる賛美歌

――保育の根底に神様がいるということなんですね。すると、入園される方はキリスト教の方が多いのでしょうか?

高原さん:いえ、全然そんなことないです(笑)!園児のほとんどがクリスチャンではありません。なので、宗教を気にして入園を踏みとどまっている方は、ぜひ一度保育所体験に参加して園の雰囲気を感じてもらいたいですね。

――その他、保育をする上で重視していることはありますか?

高原さん:生活面においては1日の生活をこなせるようになることが大切だと思っています。トイレに行ったら手を洗うというように、次に何をすべきか見通しを持った行動ができるような指導を実践しています。 遊びの面においても、保育者が指示をしたりルールを定めるのではなく、子どもたちが自分たちで考えて遊ぶ探究心を養えるように心がけています。園の裏にある広場で遊ぶことが多いのですが、遊具は砂場と築山だけ。その限られた条件の中で子どもたちは自主的に動いて遊びを探し、毎日楽しく過ごしています。

木の温もりを感じるきれいな園舎
木の温もりを感じるきれいな園舎

イベントや行事は日常の延長上にあるもの。だからこそ日々の生活が大切。

――1年を通して行われる園の行事やイベントについて教えてください。

高原さん:園の行事はキリスト教にちなんだものが多いですが、私たちはこれらのイベントは『日々の生活の延長上にある姿を保護者の方々に見ていただく機会』と捉えています。普段、園で楽しんでいる歌や踊りを披露する「プレイ・デイ」や、1年に一度すべての人に誕生日が来るように、イエス・キリストが降誕した日をお祝いする「クリスマス祝会」など、いつもの園での子どもの様子を見ていただくというのがコンセプトです。だからこそ、日々の生活をしっかりとこなせるようになることが大切だと考えています。
その他にも「平和聖日礼拝」や「収穫感謝礼拝」などを開催しています。毎日を平穏に暮らせる幸せや、大地がもたらす恵みなど、普段当たり前になってしまっていて気づきにくいことに感謝する礼拝です。

――これらのイベントに関して、保護者の反応はいかがですか?

高原さん:子どもの通園が日常になると、あまり意識はしないようですが、「クリスマス祝会」では、毎年イエス・キリストの誕生したシーンを描いた「ページェント」という劇を行います。また、牧師様に来園いただきお話をしてもらうと、保護者の方からは『温かい気持ちになれました』、『クリスマスの本当の意味を知ることができました』と毎年、好評をいただいています。

「花の日礼拝」、園児に優しく語りかける高原園長
「花の日礼拝」、園児に優しく語りかける高原園長

一人ひとり違っていい、みんな神様に愛されていることをこれからも伝えていく

――今日は毎年6月に行われる「花の日礼拝」でしたね。

高原さん:はい、「花の日」とは、花も人も神様から与えられ、守られ、愛されて育ってきたことに感謝するキリスト教の行事の1つです。普段は日頃お世話になっているドクターや農家の方に感謝の気持ちを込めてお花を渡しに行くのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年、今年は園内での礼拝となっています。

園長の話を真剣に聞く子ども達
園長の話を真剣に聞く子ども達

――園長先生の話に真剣に耳を傾ける園児の姿、賛美歌の斉唱が印象的でした。

高原さん:はい。花にはいろいろな形や色があって、どの花もきれいです。人間も同じようにいろいろな人がいて良いという話をしました。これは当園が子ども達と関わる上で最も大切にしていることの1つです。
子どものありのままを認め、「あなたのままでいい」というスタイルで向き合うことを大切にしています。子ども達が自己肯定感を持つことができれば、それはやがて自信につながるからです。 こう育ってほしいという思いももちろんありますが、大切なのは子どもの力を信じること。『神様がみんなを守ってくれていて、愛してくれている』ということを頭で理解できてはいなくても、私たち大人が手を合わせ、日々祈る姿を目にすることで少しでも感じていってくれたら良いですね。

手を合わせ祈る子ども達
手を合わせ祈る子ども達

――最後に、このエリアに移住を検討している子育て世代、府中市で保育施設を探している家庭にメッセージをお願いします。

高原さん:このエリアは緑も多く、自然豊かで都内でも子どもを育てやすい環境だと思います。当園では不定期ですが出前保育「あそびましょう」を開催しています。絵本を読んだり体操したり、同じエリアに暮らす保育園に通っていない子育て世代が集まりますので、ぜひ参加してほしいですね。子育ての悩みの共有や情報交換など、保護者同士の交流の場にもなっていますし、私たち保育者が相談にのることもできます。
また、栄養士が離乳食の作り方を指導したり、看護師が感染症に関する講義をする「育児講座」も開講しています。情報はH Pで公開しますので是非チェックしてください。

園児が持ちよった花束と十字架
園児が持ちよった花束と十字架

「山手こひつじ保育園」
「山手こひつじ保育園」

山手こひつじ保育園

園長 高原雅美さん
所在地:東京都府中市白糸台4丁目13-8
電話番号:042-314-0840
URL: https://www.kohitsuji-hoikuen.com
※この情報は2021(令和3)年6月時点のものです。