子育て支援が充実し、安心して暮らせる自然豊かな街を目指す「武蔵村山市役所」
多摩都市モノレールの延伸が決定し、現在ますます注目を集めている武蔵村山市。アクセス性の向上に加え、子育て世帯に向けた多彩な取り組みを進める自治体でもある。
今回はそんな武蔵村山市の子育てに関する施策について、「武蔵村山市役所」の多くの部署の皆さまにご協力いただき、実際に暮らし、子育てをする街としての魅力を伝えられるよう、多角的にお話を伺った。
子育て支援施設や健診制度が充実する武蔵村山市の取り組み
――まずは、武蔵村山市の子育て支援の特徴から聞かせてください。
石井さん:本市には、0歳から就学前のお子さまと保護者が利用できる子育てひろばの「ひよこルーム」や「うさぎルーム」があります。子育てに関する相談窓口を設けており、日々の育児に悩んでいる方をサポートしています。

今田さん:また、新生児訪問の迅速な実施については、本市における子育て支援の特徴のひとつに挙げられると考えています。事務処理の段階から保健師等専門職が関わることにより速やかな実施につなげるとともに、利便性を考慮し、電子申請にも対応しています。2023(令和5)年度から始まった、妊娠届出時と出生届出後にそれぞれ5万円相当のギフトを支給する「出産・子育て応援ギフト」の効果もあり、直近の実績では、新生児訪問率はほぼ100パーセントとなっています。
若杉さん:未就学児の支援については、0歳児から就学前までを対象とした乳幼児歯科健康診査、乳幼児健診、市独自の2歳児歯科健診に加え、0歳からのむし歯予防・上手にかむこと・飲み込むことを学ぶ「かむかむキッズ(乳幼児歯科健康教室)」も実施しています。さらに離乳食開始時期や2回食が始まるお子さまのご家庭には、離乳食教室を毎月実施しているほか、年に2回、2歳児から就学前までの子どもを対象に幼児食教室も開催しています。

山岡さん:子育て支援施設については、民間保育所が13ヶ所、小規模保育所と認証保育所がそれぞれ1ヶ所、そして私立の幼稚園が4園あります。2025(令和7)年1月1日時点で、就学前人口2,639人に対して保育所等で受け入れ可能な人数は3,247人となっており、この数字からも、子育て支援施設の充実ぶりがわかると思います。
山岡さん:待機児童については、2023(令和5)年4月が0人、2024(令和6)年4月は4人、2025(令和7)年4月は0人です。2025(令和7)年4月からは、1歳児の待機児童対策として、小規模保育所の空き部屋を活用した「緊急1歳児受入事業」を開始しました。同事業は、保育園の入所申込後、認可保育所に入れなかったご家庭を対象としたもので、定員は6人で、利用時間や料金は通常の認可保育所と変わりません。
医療費無償化や保育料無償化など家計に優しい武蔵村山市の支援制度
――子育て世帯を対象にした経済的支援について、特に周知したいことはありますか?
今田さん:「妊婦のための支援給付金」や「バースデー贈呈品」、低所得の妊婦を対象に、初回産科受診料の10,000円を上限とする助成、妊娠・出産に伴う経済的支援、また、産後ケアの利用時に負担を一部助成する施策も実施しています。

蔭山さん:また本市では、0歳から18歳年度末までの子どもを対象に、子どもの医療費助成を実施しており、2024(令和6)年9月30日までは小学生から高校生等までは1通院200円の自己負担や所得制限がありましたが、2024(令和6)年10月1日からは自己負担も所得制限もなくし、子どもの医療費助成については完全無償化を実現しました。
山岡さん:さらに2025(令和7)年9月からは保育料無償化が始まります。2019(令和元)年10月からは3歳から5歳まで、2023(令和5)年10月からは0歳から2歳児の第2子以降、そして今回は第1子から保育料が無償化となります。

――武蔵村山市が提供している子育て支援事業について、特に効果があると感じられるものは何でしょうか。
石井さん:複数ありますが、就学前のお子さまとその保護者が自由に遊べる「健やかひろば」は、育児や子どもの成長について相談できる体制になっています。加えて理学療法を主体としたからだの育ちを支える専門的な遊びを体験できる「健やかひろば」もあります。他市からの参加者がいるということは、人気の高さを物語っていると思います。

今田さん:本市では、さまざまな事業を展開していますが、特に評判がよいと感じるのは心身のケア、育児のサポートをしている産後ケアです。年々利用者が増えているなどニーズの高さを感じます。
荻野さん:また、未来のデジタル社会を担う小・中学生を対象に、プログラミングやデジタルツールを使った「くりらぼ in 武蔵村山」もあります。ロボット製作・ゲーム制作・電子工作など、さまざまなプログラムを実施しており、デジタルを活用し、仲間とともに楽しみながら繰り返し挑戦できます。昨年度に初めて実施し、好評を受けて体験枠を拡大し、実施回数を4回に増やしました。

児童館や学童クラブを通じた地域交流と安心の子育て環境
――子育て支援施設を充実させるために、特に力を入れていることを教えてください。
荻野さん:市内には6ヶ所の児童館がありますが、そのうち5館には学童クラブを併設しています。ここでは他学年との交流の場にもなっており、小学生と中学生が一緒にドッジボールを楽しんでいる光景も見られるなど、学びや成長の場としても機能しています。小学生をターゲットとした施設ではありますが、時間帯によっては、乳幼児を連れた保護者の方が来館されます。市内には学童クラブが11ヶ所あり、前述の児童館併設型が5ヶ所、単独館が6ヶ所となっています。
また、学童クラブについてはICカードで登降をチェックするシステムを導入しているほか、小学校の長期休業中には、保護者の負担軽減のため、契約した3業者のお弁当を提供しています。

山岡さん:認可保育所等に対しては、保護者と保育士の負担軽減を図るため、在園児の使用済み紙おむつにかかる処分費の補助を行っています。
――地域の住民、企業、またNPO団体と協力した子育て支援活動はありますか?
石井さん:家事育児サポーター事業やファミリー・サポート・センター事業についてお話しさせてください。家事育児サポーター事業は地域の団体に委託し、忙しい保護者に代わって家事・育児のサポートをするものです。また、ファミリー・サポート・センター事業では保育園の送迎や外出時の一時預かりを、市民の有償ボランティアに依頼するなどして、市民同士が助け合う関係づくりをサポートしています。
ほかにも本市には、子ども食堂が10ヶ所あるのですが、地域の子どもや、子育てをされている家庭の子どもが気楽に立ち寄るなど、さまざまな世代が交流する場にもなっており、市では運営のサポートをしています。
――保護者同士や地域住民との交流を促すイベントや取り組みはありますか?
石井さん:「健やかひろば」などでは地域の団体により運営されており、就学前のお子さんが自由に遊べる場になっています。また、市民総合センター内にある子育てひろばでは保育園の先生等に来ていただき、読み聞かせや出前保育というかたちでさまざまなイベントも開いています。同年代でまとまっていることもあり、保護者同士の友達づくりの場にもなっています。

自然と都市の利便性が共存する武蔵村山市の魅力
――今後の子育て支援について、どのような展開、もしくは取り組みを予定されていますか?
山岡さん:来年度から「こども誰でも通園制度」を実施する予定です。この制度は、保育所を利用していない満3歳未満のお子さまを対象に、保護者の就労状況に関わらず、月10時間程度まで保育所を利用することができるというものです。
荻野さん:また、学校から出される課題のなかには、インターネットに接続しなくてはいけないものがあることから、各児童館のWi-Fi環境を整備しています。
――最後に、武蔵村山市に住みたいと考えている方々に向けて、一言メッセージをお願いします。
石井さん:都内でも有数の規模を誇る「野山北・六道山公園」をはじめ、本市はたくさんの緑があります。大型ショッピングモール等もあり、日常の買い物にも便利です。待機児童が少なく、子どもの遊び場が多いことも子育て世帯には住みよい環境ではないかと思います。モノレールの延伸が決定したことにより、今後さらなる街の発展も期待できます。
荻野さん:武蔵村山市は「狭山丘陵」、「多摩湖」も近く、また、市内には、みかん狩り農園もあるなど、豊かな自然を身近に感じることのできる環境となっています。このような環境に加え、子育てに関して本市は、さまざまな角度からサポートを充実させていますので、ぜひこの街の環境や魅力を感じていただければと思います。

武蔵村山市役所
(左から順に)
子ども子育て支援課 母子保健係 若杉主査
子ども子育て支援課 母子保健係 今田係長
子ども育成課 保育・幼稚園係 山岡係長
子ども育成課 児童館 荻野主事
子ども子育て支援課 子ども家庭支援センター係 石井主事
子ども政策課 子ども政策係 蔭山係長
所在地:東京都武蔵村山市本町1-1-1
電話番号:042-565-1111
URL:https://www.city.musashimurayama.lg.jp/
※この情報は2025(令和7)年8月時点のものです。

