スペシャルインタビュー

サイエンス学習で好奇心を引き出す「ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンス 高輪スクール」

都営浅草線「高輪台」駅から徒歩9分。「グランドプリンスホテル高輪」の近くに、「ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンス 高輪スクール」がある。学園長を務める日置麻実さんと施設長の榎澤志穂さんに、同校の教育理念や設立の経緯、力を入れている英語教育やSTEM教育、高輪周辺の魅力などについてお話を伺った。

「ローラス インターナショナルスクール」の本部がある芝国際ビル
「ローラス インターナショナルスクール」の本部がある芝国際ビル

激動の時代を生きる子どもたちを、未来のイノベーターに育てる

——まずは貴校の概要についてお聞かせください。

日置学園長:「ローラス インターナショナルスクール」は、東京・神奈川を中心に展開している日本で唯一のサイエンス・インターナショナルススクールです。プリスクール(1歳半~3歳)とキンダーガーデン(3~6歳)が7校あるほか、本部がある芝国際ビル内には初等部(6~11歳)と中等部(11~14歳)があり、2025年には高等部も開校予定です。生徒は全体で1,500名ぐらいです。

本校のスクールミッションは「世界をより良く変える、未来のイノベーターを育てる」。いまや世界中が、一国では解決できない問題に直面していますよね。一方で技術革新も著しく、自動運転車、量子コンピューター、メッセンジャーRNAといった多様な技術の恩恵を享受できます。イノベーションによって多くの問題解決ができる時代とも言えるでしょう。ローラス生には、旧来の日本教育では培うのが難しいとされる好奇心、情熱、自分の頭で考える力、創造性、コミュニケーション力、レジリエンス、行動力といった力を身につけ、イノベーターとして世界の未来を切り開いていってほしいと思っています。

日置麻実学園長
日置麻実学園長

——次に、学校設立の経緯と貴校の歴史についてお聞かせいただけますか?

日置学園長:30年以上前になりますが夫の海外赴任でヨーロッパに住んでいて、3歳の娘がアムステルダムのインターナショナルスクールに通い始めたとき、衝撃を受けたんです。日本人を含めいろんな国の非ネイティブのお子様が、みんな流暢に英語を喋っていたからです。これこそ日本に必要な教育だと思い、帰国したらインターナショナルスクールを作ろうと思いました。

2001(平成13)年、インターナショナルプリスクールと同時に、自分の子どもたちのために英語スクールも開きました。当初は英語スクールの方が人気でしたが、より長い時間英語にふれるプリスクールに通うお子様の方が英語力がついたので、プリスクールにキンダーガーデンを加えて展開する構想ができました。2010(平成22)年にプリスクールとキンダーガーデンを設けた武蔵小杉校をつくり、そこから次第に広げていきました。2016(平成28)年には保護者様の要望を受けて初等部をオープンさせ、2022(令和4年)年に中等部を開校しました。

芝国際ビル入り口の看板
芝国際ビル入り口の看板

——教育方針についてお聞かせください。

日置学園長:私自身が3人の子どもを育てる中でサイエンスの素晴らしさを感じていたことから、サイエンスは創業時からカリキュラムに取り入れていました。当時から、好奇心がすべての学びの源であり、サイエンスこそ子どもの好奇心を最大限に引き出すものだと考えていました。そして、英語を学ぶのではなく、英語でサイエンスを学ぶことが重要だと思っていました。

初等部・中等部がある「ローラス インターナショナルスクール」玄関
初等部・中等部がある「ローラス インターナショナルスクール」玄関

——特徴的なイノベーター教育ですが、イノベーター教育の成果を感じられた事例があれば教えていただけますか?

日置学園長:ひとつのテーマに数週間から数カ月かけて取り組むプロジェクト型学習は面白いですね。みんなで話し合って考える教科横断のクロスカリキュラムで、例えば無人島からの脱出というテーマなら、雨や寒さ、野生動物から身を守るためにシェルター、結露の原理を応用して飲料水を確保する装置、食料となる魚や獣を捕まえるための罠などを作ります。この授業でもそうですが、私たちが一番重視しているのがエンジニアリングデザインプロセスです。問題提起→解決策の想像・計画→試作・改良→情報共有というプロセスで、これを繰り返すうちに問題解決力が身につきます。

実際にアントレプレナーが育っていて、中等部には、温暖化によって白化・減少するサンゴからカルシウムを抽出して販売し、その利益をサンゴ礁の保全活動に回しているお子様もいますし、自分が作ったNFTアート作品を売って利益を貧困地域に寄付しているお子様もいます。

オールイングリッシュの環境で過ごし、サイエンスや数学も英語で学ぶ

「ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンス 高輪スクール」
「ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンス 高輪スクール」

——「保育」という視点において、通常の保育施設と異なる点があれば教えてください。また、卒園生の進路についても伺いたいです。

榎澤施設長:子どもたちは、スクールにいる間はオールイングリッシュの環境で過ごします。ただ英語を勉強するだけではなく、英語をコミュニケーションツールとして使い、サイエンスや数学も英語で勉強します。卒園生の進路としましては、ローラスの初等部を選ばれる方が多くいらっしゃいます。その次に公立小学校、私立小学校が進学先として選ばれています。

年少クラスの英語の授業
年少クラスの英語の授業

——入園される子どもたちに特徴があれば教えてください。また、入園して初めて英語に触れる子どもの割合をお聞かせください。

榎澤施設長:高輪スクール生の8割以上が日本人、その他2割ほどが外国籍もしくはご両親が海外にルーツをお持ちです。

日置麻実学園長:元々のインターナショナルスクールは大使館員のお子様など外国人のためのものでしたが、ローラスは日本の英語教育のために開校させた学校なので、入園されて初めて英語に触れるお子様もたくさんいらっしゃいます。幼少期は吸収力が高いのでしっかり英語力がつきますが、英語力ゼロの状態で年長さん(5~6歳)から入ると厳しいです。

ICTの授業
ICTの授業

——プリスクール、キンダーガーデンで行う英語の学び、卒園時までに目指す英語力のレベルはどういったものでしょうか。

日置学園長:英語はスピーキングと読み書きに力を入れていて、キンダーガーデンでは、童話を読んでその概要を書くなどの学びを行っています。毎月テーマを決めて、「Show and tell」というプレゼンのようなこともやっています。どの教科でも議論や発表の機会を多く設けていて、卒園式でも保護者の前で1~2分のサイエンスのプレゼンテーションを行います。しっかり準備するので非常にレベルが高く、海洋汚染がテーマならマイクロプラスチックの含有率や生物への影響などについて話すお子様もいます。

目標とする英語力の明確な基準はありません。強いて言えば、ローラスで採用しているケンブリッジインターナショナルカリキュラムをきちんと履修し、その内容をマスターすることでしょうか。参考までに申し上げると2023(令和5)年度の最後の英検で、年長さんで準2級・2級に受かったお子様が7名、3級に受かったお子様が17名いらっしゃいます。

パフォーマンスデイ
パフォーマンスデイ

——プリスクールとキンダーガーデンで行うサイエンスの勉強内容は、どのようなことが行われていますか。

日置学園長:水に物を入れて浮き沈みを観察したり、園庭で野菜を育てたり、カイコを育てたりしています。顕微鏡などもよく使っていますね。高輪スクールの裏手にある「高輪公園」でおたまじゃくしを捕まえてライフサイクルを学ぶのは、毎年恒例となっています。アゲハ蝶の幼虫がさなぎを経て蝶になるところまで観察することも多いですね。

キンダーガーデンでは、月に1度実験とレポート作成も実施しています。疑問を調べ、仮説を立て、実験をしてデータを集め、分析して結論を出すという流れを、幼いうちから実践しているのです。また、毎月サイエンストリップとして植物園や動物園、科学博物館などに出かけ、体験重視のサイエンスを行っています。明確な目標は設定していませんが、好奇心や自分で調べて結論を出すことを大事にしています。

プリスクールの子どもたち
プリスクールの子どもたち

——プリスクールやキンダーガーデンには延長保育があるとのことですが、利用されている方はどのくらいいらっしゃいますか?また、延長保育では子どもたちはどのように過ごしていますでしょうか。

榎澤施設長:全体の半数以上が延長保育を利用されています。保育士が考えたマンスリーテーマを英語で楽しむなど、クラスの宿題に取り組む時間としています。

プリスクールのお子様や年少さんはお昼寝をし、お昼寝をしないお子様は異年齢クラスでおもちゃを使って遊んだり、ぬりえ、パズルなどをしたりしています。また、English Timeを設けて、フラッシュカードやゲーム、ダンスを取り入れ、楽しみながら新たなボキャブラリーに触れる時間をとっています。

榎澤志穂施設長
榎澤志穂施設長

公園が多く、プリンスホテルの庭園や娯楽施設も魅力の高輪・港南エリア

——周辺地域や地元の方々との関わりや交流イベントなどがあれば教えてください。

榎澤施設長:高輪消防署より消防士の方に来ていただき、防災訓練を行いました。そのご縁で、隣の高輪プリンスホテルの消防演習の際にも、子どもたちと消火訓練やはしご車での救出の様子を見学させていただきました。

公園で体を動かして遊ぶ子どもたち
公園で体を動かして遊ぶ子どもたち

——港南エリアから通う子どもたちはどのくらいいらっしゃいますでしょうか。また、スクールバスなどはありますか。

榎澤施設長:港南エリアから通園されているお子様も一定数いらっしゃいます。スクールバスは往路も復路も運行しています。

「マクセル アクアパーク 品川」
「マクセル アクアパーク 品川」

——高輪スクール周辺エリア(特に港南エリア)について、地域・子育てにおける魅力をお聞かせください。

榎澤施設長:高輪スクールのすぐ隣には緑に恵まれた「高輪公園」があり、草花や昆虫など自然を楽しむことができます。また、「品川」駅、「高輪ゲートウェイ」駅、「高輪台」駅に近いためアクセスが良く、さまざまな施設に出向くことが可能です。毎月のサイエンストリップでは、授業での学びを深められるようなところに出かけ、多彩なアクティビティを楽しんでいます。

「高輪公園」
「高輪公園」

日置学園長:「高輪森の公園」も子どもたちに人気です。「高輪公園」と違って遊具はないのですが、起伏があるのが面白いらしく、探検気分で楽しんでいます。天王洲アイルの方にも公園がたくさんありますよ。「プリンスホテル日本庭園」では無料で四季折々の景色を楽しめますし、「品川プリンスホテル」内には水族館「マクセル アクアパーク 品川」や映画館「T・ジョイPRINCE品川」もあります。少し離れますが「東京都庭園美術館」や「国立科学博物館附属 自然教育園」などもいいところです。

 

「ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンス 高輪スクール」学園長プロフィール画像
「ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンス 高輪スクール」学園長プロフィール画像

ローラスインターナショナルスクール 高輪スクール

学園長 日置麻実さん、施設長 榎澤志穂さん
所在地 :東京都港区高輪3-21-7 レガロ高輪1F
電話番号:03-6450-2923
FAX番号:03-6450-2924
URL:https://laurus-school.com/ja/
※この情報は2024(令和6)年6月時点のものです。

 

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