特別インタビュー

東京・神奈川で初!ベーカリーを併設したJA農産物直売所「アグリハウスみなみ」と地域のつながり

都心の趣と、農業生産地としての表情を併せ持つ町田市。そんな市内の南町田エリアにて、主に南町田・金森・つくし野・小川エリアで生産された野菜を販売しているのが2007(平成19)年12月にリニューアルした野菜直売所「アグリハウスみなみ」である。

今回は運営元のJA町田市で次長兼経済課長を務める池田徳光さんに、直売所や町田市の野菜の魅力、そして店舗のある南町田エリアの魅力についてお話を伺った。

池田さん
池田さん

甘さが違う!?地場産野菜をとりそろえる「アグリハウスみなみ」

――まずは、「アグリハウスみなみ」の概要からお聞かせください。

池田さん:当施設は、南町田・金森・つくし野・小川エリアの農家が生産した農産物の直売所です。長きにわたり「A-COOP」という屋号で営業してきましたが、2007(平成19)年12月にリニューアルして「アグリハウスみなみ」となりました。

掲げられた看板
掲げられた看板

池田さん:“アグリ”というのは、農業を意味するアグリカルチャーに由来します。基本的には地元で採れた野菜を販売していますが、品数が足りないときはそれ以外の地域から仕入れているため、店内には必ず一定数の野菜が並んでいます。

ご来店いただけるお客様は地元の方が中心で、歩いて、もしくは自転車の方が多い印象です。

地場産の野菜が並ぶ店内の様子
地場産の野菜が並ぶ店内の様子

――“アグリハウス”は他にも4カ所あるそうですが、その中でも「アグリハウスみなみ」の特徴があれば教えてください。

池田さん:町田市はハクビシン、タヌキ、アライグマによる農業被害が多く、ようやく食べ頃になって出荷するという段階になって、これらの被害にあい食べられてしまうことが多発しています。しかし、南町田エリアに関しては比較的この被害が少ない地域であるため、狙われやすいトウモロコシやイチゴの栽培に適しており、季節になるとそれらの作物が多く並ぶという特徴があります。

夏にはとうもろこしが並ぶ(提供:JA町田市(町田市農業協同組合)公式X)
夏にはとうもろこしが並ぶ(提供:JA町田市(町田市農業協同組合)公式X)

――町田市の野菜は、どのような特徴を持っているのでしょうか。

池田さん:町田市で最も生産の多い野菜はトマトで、その次がほうれん草です。町田市の野菜の特徴というよりは、当施設で扱っている野菜という観点での話になりますが、トマトもイチゴも、いずれも樹上完熟で色づいたものなので甘さが違います。スーパーマーケットで売られているトマトの大半は、見た目こそ完熟の赤色ですが、まだ青い状態で収穫し、陳列棚で色づかせたものとなっています。採れたてを農家さんたちからいただける強みが、活かされている点だと思います。

また、大根については葉っぱがついたままの状態で販売しています。栄養価の高いですし、ぜひご購入いただく皆さまにも、有効にご活用いただきたいです。

葉のついた大根
葉のついた大根

南町田と住民をつなぐ地域に根差したイベントやアイデア

――併設のベーカリーコーナーは、東京・神奈川のJAとしては初めての試みだそうですね。どのような経緯で始められたのですか?

池田さん:当施設は農産物の直売所であるため、最もにぎわうのは午前中です。その反面、午後の集客は長年の課題となっていまして、試行錯誤を繰り返してきたテーマでもありました。それに加え、より多くの若い方に来ていただきたいという願いもあり、2020(令和2)年2月にベーカリーをオープンすることにしたのです。

人気のベーカリーコーナー
人気のベーカリーコーナー

池田さん:反響もなかなかで、特に店内で販売している生産者の野菜を使ったピザや、メロンクロワッサンが人気です。お客さまからは、米粉を使ったパンを作ってほしいといったリクエストが多く、そのようなご要望にできるかぎり応えていきながら、地域に根ざしたベーカリーでありたいと考えています。

豊富な種類のパンを販売!(引用:JA町田HP)
豊富な種類のパンを販売!(引用:JA町田HP)

――季節ごとにイベントを企画されているそうですね。特に人気のイベントはありますでしょうか。

池田さん:最も規模が大きいのは秋の収穫感謝市で、11月の第3土曜日と金曜日に開催します。例年、生産者さんにキャベツの種を配り、それが育ったものを格安で販売しています。また、地場産ではありませんが、みかん、玉ねぎ、じゃがいもの詰め放題も盛り上がります。

秋の収穫感謝市にて行われた、果物詰め放題(提供:JA町田市(町田市農業協同組合)公式X)
秋の収穫感謝市にて行われた、果物詰め放題(提供:JA町田市(町田市農業協同組合)公式X)

池田さん:その次に大きなものとしては7月初旬に開催する夏の夏野菜まつりで、トマト、ナス、キュウリなどのお野菜の特売をしています。

――農家の方以外で、地域の方々や近隣の他施設と協同で行う企画はありますか?

池田さん:年に何度か、すぐ近くの「町田市南市民センター」や「鶴間公園」で出張販売を行っています。この機会に、地元の野菜をより多くの方に知っていただけるとうれしいですね。

「町田市農業祭」にも出店し、地場産野菜の良さを伝えられている(提供:JA町田市(町田市農業協同組合)公式X)
「町田市農業祭」にも出店し、地場産野菜の良さを伝えられている(提供:JA町田市(町田市農業協同組合)公式X)

池田さん:また、現在は「子ども食堂」の力になるよう動き始めています。食堂側が求める食材と、生産者が提供できる野菜との間に立ち、うまく橋渡しができればと考えています。

街の進化や発展が活気を呼び込む、南町田エリアの期待感

――「アグリハウスみなみ」のある南町田エリアの魅力とは、どんなところでしょうか。

池田さん:南町田グランベリーパーク」に代表される商業施設の充実と、街の発展とともに若い方が増えているのが当該エリアです。若い方が増えれば街に活気が生まれ、それにともない新しい施設や、お店ができるといった街のさらなる変化・進化を期待できるのも魅力のひとつではないかなと思います。

「南町田グランベリーパーク」
「南町田グランベリーパーク」

――最後に、南町田エリアに住むことを検討されている方に一言メッセージをお願いします。

池田さん:都心と直結する路線を抱えているため、都内主要都市へのアクセスにも大変便利です。また、生活の基盤に「南町田グランベリーパーク」があるため買い物に困ることはなく、スーパーマーケットも選べるほどにあります。一方で、「鶴間公園」をはじめとした大きな公園も身近にありますので、住みやすさという意味では、とてもよい街だと思います。

次長 兼 経済課長(アグリ担当) 池田徳光さん
次長 兼 経済課長(アグリ担当) 池田徳光さん

アグリハウスみなみ

JA町田市 次長 兼 経済課長(アグリ担当)池田徳光さん
所在地:東京都町田市金森4-5-3
電話番号:042-788-3541
URL:https://www.ja-machidashi.or.jp/agri/farmstand/minami/
※この情報は2025(令和7)年1月時点のものです。