町田の魅力を体感! 「芹ヶ谷公園“芸術の森”パークミュージアム」に向けた取り組み
都心や横浜方面への交通アクセスに優れた「町田」駅周辺には、大型商業施設をはじめ個性的な商店や多様なサービスがそろう利便性の高い生活環境が整っている。一方で「芹ヶ谷公園」に象徴される自然環境にも恵まれた場所で、子育て世帯にとってはまさに理想的な環境だろう。
今回は「芹ヶ谷公園“芸術の杜”プロジェクト」に関する話を伺うため、町田市役所文化スポーツ振興部文化振興課を訪ね、プロジェクトの概要や「町田」駅周辺の魅力について教えていただいた。
公園全体をミュージアムに。「芹ヶ谷公園“芸術の杜”パークミュージアム」プロジェクト
――まずは、「芹ヶ谷公園」について教えてください。
原田さん:「芹ヶ谷公園」は「町田」駅から歩いて12〜13分のところにある緑豊かな公園です。谷戸の地形がそのまま残る園内には湧き水が流れ四季折々の自然に触れられるほか、多目的広場や芝生広場、水遊びのできるジャブジャブ池やシーソーのように水が流れる彫刻噴水などもあり、子どもから大人まで楽しめる憩いの空間です。
また国内でも数少ない版画専門の美術館「町田市立国際版画美術館」があるのも特徴で、将来的に「芹ヶ谷公園」を“芸術の杜”パークミュージアムにしていこうというプロジェクトが現在進められています。
――プロジェクト発足のきっかけは、なにかあったのでしょうか。
原田さん:日本有数の工芸美術品が所蔵されている、「町田市立博物館」の老朽化による移転検討がひとつのきっかけでした。「町田」駅から距離のあったこの施設を、駅から歩いて行ける「芹ヶ谷公園」や「国際版画美術館」とも連携して楽しめるような、また市民の方により親しみをもっていただけるような施設としてリニューアルできないかと考えたのがプロジェクトの始まりです。
原田さん:このプロジェクトでは公園全体をまるでミュージアムのようにしようというテーマがあり、「国際版画美術館」や現在整備を進めている「(仮称)町田市立国際工芸美術館」があるというだけではなく、もっと広い意味で美術やアートに親しめる場所にしたいという思いから「芹ヶ谷公園“芸術の杜”パークミュージアム」と名付けました。
公園に遊びに来る子どもたちやその保護者、また近くに住んでるけど美術館には足を運んだことがない方など、子どもから大人まで普段アートに親しむ機会のない方にも楽しめるような場所にしていきたいと考えています。
文化芸術の持つチカラをまちの活性化に活かす町田市の取り組み
――「芹ヶ谷公園」だけではなく、町田市は市全体でもアートに焦点をあて、まちづくりを進めていらっしゃいますね。
原田さん:現在町田市では、「(仮称)町田市文化芸術のまちづくり計画」の策定に向けた検討を進めておりまして、文化芸術の持つチカラをまちの活性化に活かして行こうという動きがあります。
この動きには、大きく4つの町田市の要素が結びついています。1つ目は大学が周辺にあり学生が多く、ライブハウスやスタジオ、楽器店など音楽的な活動が盛んである点です。
2つ目は市民の文化芸術活動が活発である点です。「町田フィルハーモニー交響楽団」をはじめオペラやバレエの市民団体もあり、文化芸術活動が盛んに行われています。
原田さん:3つ目は国内有数のコレクションが収蔵されている美術館が複数市内にある点です。「国際版画美術館」には歌川広重の東海道五十三次もありますし、「町田市立博物館」もガラス器や陶磁器などさまざまな工芸美術品を有しています。
そして4つ目は、美術系学部のある大学が市内にあることです。また、版画工房やクラフト工房など民間にもアートの基盤があり、地域にアートの文化が根付いています。
原田さん:このように多様な文化芸術活動が行われているところが町田市の特徴で、「(仮称)町田市文化芸術のまちづくり計画」の策定が進められているところです。
「芹ヶ谷公園」の将来の姿を、市民の皆さまと一緒に想像して創造する「Future Park Lab」
――プロジェクトでは「市民参加型」という点も重視されているようですね。
原田さん:プロジェクトにおきましては、2019(令和元)年8月にスタートアップミーティングが行われ、市民の方にご参加いただき「芹ヶ谷公園」を今後どういう公園したら良いかという話し合いからスタートしました。その後ワークショップを行い、意見やアイデアを抽出しながら公園の将来について話し合いを重ねました。
さらに翌年1月には「Made in Serigaya(メイドイン芹ヶ谷)」という市民参加型のプラットフォームを発足し、「公園で〇〇したい」という市民の方の意見を集めるようになりました。
――現在は「Future Park Lab(フューチャーパークラボ)」という取り組みも行われているようですね。
髙橋さん:「Made in Serigaya(メイドイン芹ヶ谷)」と並行して取り組みを進めているのが「Future Park Lab(フューチャーパークラボ)」という市民参加型の実証実験イベントです。「芹ヶ谷公園」の将来を想像して創造するをテーマに2020(令和2)年11月にスタート、現在では季節ごとに年4回行なっています。
イベントを通して公園の中でアートを体験するってこういうことなんだとか、“芸術の杜”パークミュージアムってこういうことなんだというのを、皆さんにも体感していただけるような取り組みを目指しています。
直近の2024(令和6)年8月に行ったのはインドネシアの伝統的な影絵「ワヤン・クリット」です。園内にある大きな2本の木に白い布を張ってスクリーンに大きな影絵を映し出しました。インドネシアとの関わりは、オリンピック・パラリンピック2020でホストタウンになったのがきっかけで、自然の中で音楽を演奏していただきながら観る「ワヤン・クリット」は本市ならではのイベントです。
髙橋さん:ただ観るだけではなく実際に影絵の中に入ってみようとパフォーマンスに参加していただいたり、影絵に使う人形をつくるワークショップを開催して想像上の生き物をみんなで創ってみました。実際に参加していただくというのを大事にしています。
他には公園にストリートピアノを置いて音楽に親しんでいただいたり、ランタンに絵を描いてみんなで一斉に飛ばしてみたり、過去にもさまざまな企画を行ってきました。
原田さん:イベント自体は年4回の開催ですが、将来的にはこういう取り組みが常に行われていて、「芹ヶ谷公園」に行くと芸術、アートを気軽に楽しめるんだという状況にまで発展させたいですね。
――「Future Park Lab」などを通し、街や市民の皆さまの様子に変化はありましたか?
髙橋さん:「Future Park Lab」については、リピーターが増えているように感じます。影絵の人形制作でも去年のワークショップに参加したお子さんがいましたし、次回はどんな企画をやるのかといった問合せもあります。
また、「芹ヶ谷公園“芸術の杜”パークミュージアム」プロジェクトが、「町田」駅を中心とした中心市街地と「芹ヶ谷公園」を一体的に捉えているのも重要なポイントで、中心市街地との関係性も考えながら企画を考えているところです。イベントを通じて地域の方や街とつながりながら一緒に公園を楽しんでいただきたいなと思います。
緑と街のバランスが良い豊かな暮らしができる町田市
――最後に、これから町田市で生活しようと考えていらっしゃる方へメッセージをお願いします。
原田さん:町田市は23区を除くと、都内で八王子市に次いで人口が多い町として知られています。都心にもアクセスしやすいベッドタウンとして発展し、新宿まで小田急線で約30分、横浜にもJR横浜線で約30分とアクセスの良い環境です。
一方で「芹ヶ谷公園」に象徴されるように豊かな緑があるのも町田市の特徴で、緑と街のバランスが良い豊かな暮らしができるというところで注目が集まっています。
原田さん:また、「町田」駅周辺にはデパートやファションビル、歴史のある「町田仲見世商店街」もあり、いろんな楽しみ方ができるのも魅力のひとつです。ラーメン屋激戦区としても知られていますね。
髙橋さん:あとは本日ご紹介させていただいた「Future Park Lab」に参加していただくことで、「芹ヶ谷公園“芸術の杜”パークミュージアム」プロジェクトがどういうものなのか、町田市の魅力と合わせて知っていただく良い機会になると思います。皆さまのご参加、お待ちしております!
町田市役所
文化スポーツ振興部文化振興課 原田さん(左)、髙橋さん(右)
所在地:東京都町田市森野2-2-22
電話番号:042-722-3111
URL:https://www.city.machida.tokyo.jp/
※この情報は2024(令和6)年10月時点のものです。