スペシャルインタビュー

2019(平成31)年に新校舎誕生!歴史と伝統を引き継ぐ「台東区立蔵前小学校」

蔵前のランドマークともいえる「蔵前小学校」校舎
蔵前のランドマークともいえる「蔵前小学校」校舎

歴史と伝統を身近に感じることができる蔵前エリア。ここに2019(令和元)年に新校舎への移転をした伝統ある「台東区立蔵前小学校」がある。同校は地域の魅力を活かした「本物を知る」授業や、100名以上の生徒が参加するオーケストラなど、他校にはない特徴がたくさん。今回はそんな蔵前小学校におじゃまし、校長の針谷先生に学校の魅力についてお話を伺った。

「みんなの蔵前小」を合言葉に、地域に見守られる小学校
「みんなの蔵前小」を合言葉に、地域に見守られる小学校

――まず、「台東区立蔵前小学校」の歴史について教えてください。

本校は元々あった「精華小学校」「小島小学校」「済美小学校」の3つの学校を統合して、2003(平成15)年にできた学校で、そのうちの「精華小学校」があった場所に作られています。その当時は児童数の減少を理由に統合したのですが、最近は子どもたちの人数が増えてきて、教室が足りなくなってしまったので、新たに学校を建て直すことになりました。そして、2019(平成31)年1月26日にこの新しい校舎が誕生しました。

――現在の児童数や学級数について教えてください。

現在は560名ほどの子どもたちが通学しており、学級数は17学級あります。6年生が3学級、4、5年生が2学級、2年生と3年生が3学級、1年生が4学級、特別支援学級が2学級あります。

校内は木材を多用した温かみのあるデザイン
校内は木材を多用した温かみのあるデザイン

――新校舎の特徴について教えてください。

本校は「知をはぐくむ」ということをコンセプトにしているので、勉強するために必要なスペースや設備については非常に力を入れています。教室は廊下と一体化できるオープンルームの形をとっており、必要があれば広いところでお友達とディスカッションをしながら勉強できるようになっています。また、1階の中央奥に「メディアセンター」という名前で図書室を整備しています。様々な形で本を読めるように、畳を敷いたり、円形の椅子を設置したり、書棚を低くして子どもの目が届きやすいように工夫したりとこだわりがつまっています。

また、1階の中央にある「オレンジホール」も大きな特徴です。この広いスペースには小さな舞台が付いているので、全校朝会や子どもたちの発表会などにも使えるようになっています。2階にも「さくら広場」という小さな広場があり、ここは主に低学年の子どもたちが様々な活動で使っています。

――校庭が屋上にあるというのも珍しいですね。

そうですね。実は、もともとの学校の敷地が狭いので、校舎を広く作ろうとしたら、校庭が取れなくなってしまったのです。そこで、校舎の屋上部分を使って校庭を作りました。50メートルの直線と、1周100メートルのトラックを備えた素晴らしい校庭になっています。水はけも良いので、雨が降ってもすぐに使えます。

校舎の屋上にある校庭
校舎の屋上にある校庭

――蔵前小は子どもたちのオーケストラも有名と聞きました。

実はこれが本校の大きな特色だと思います。4年生以上の希望者を募ってオーケストラをやっており、現在100名の児童が参加しています。楽器はほとんどが学校のものです。朝練も毎日やっています。オーケストラをやっているのは都内でも20校以下で、そのなかでも100人を超えるオーケストラというのはなかなかないと思います。

オーケストラ以外にも、6年生が全員参加する「金管ドリル」というものがあって、「ドリルマーチ」をやっています。1年間、一人ひとつの楽器を持って練習をします。オーケストラの子は、弦も金管も両方やっています。

――オーケストラの演奏はどのような機会に聴けますか?

発表会を年に2回、「サマーコンサート」と「スプリングコンサート」ととして開いています。今年は「上野学園の」コンサートホールでも演奏会をさせていただきました。こういった時には全校児童が聴きにいくのですが、1年生からちゃんと静かに聞いていますね。このようなことができるのも、この地区だからこそだと思っています。

校内には子どもが学習に取り組むための工夫がたくさん
校内には子どもが学習に取り組むための工夫がたくさん

――このほか、力を入れて取り組んでいることがあれば教えてください。

やはり小学校ですので、まずは「授業中にしっかり勉強する」ということが第一だと思っています。先生たちにも、「先生も子どもたちと一緒に学んでいこう」ということで伝えており、いわゆる座学だけではなく、一緒に話し合ったり、体験できるような学習を取り入れるようにしています。

――「本物に触れる」ということを大切にされているそうですね。具体的な例があれば教えてください。

例えば、歴史を学ぶ時には上野の「寛永寺」に行って長臈にご案内をいただき、一般の人が入れないような場所を見学させていただきました。また、蔵前には伝統工芸に関わる職人さんたちがたくさんいらっしゃるので、そのような方を招いての学習も頻繁にしています。指物、革工芸、つまみ細工など、色んな伝統的なものがこの蔵前にはあります。

図書室
図書室

――地域との交流・連携について教えてください。

この地域は昔からのお祭りがとても盛んな地域で、うちの学区の町会には、「三社祭 」「鳥越祭」「第六天榊(だいろくてんさかき)」のお祭りに、蔵前神社のお祭りと、4つのお祭りがあります。それが5月の半ばから続けてあるので、なるべく子どもたちが参加できるように呼びかけています。これは地域との大切な交流だと思っているので、もちろん教員もたくさん参加しています。

また、本校は「蔵前警察署」、「浅草消防署」、「浅草税務署」と非常に深く連携していますので、警察の方に来ていただいて直接指導をしていただいたり、消防署の方に消火訓練で来ていただいたり、浅草法人会が行っている「税のはがきコンクール」というものに応募させていただいたりと、いろんな連携をしています。

音楽に親しむ環境が充実し、校内は音楽に溢れている
音楽に親しむ環境が充実し、校内は音楽に溢れている

――校舎は地域の方にもよく利用されているということですが、どのような利用の形がありますか?

本校は地域の防災拠点なので、さまざまな防災のための設備や備蓄がありますし、周辺の7つの町会の避難所に指定されています。有事の際には1階のホールで医療業務も行われることになっており、ホールが広くなっているのはそのための配慮という面もあります。

あと、学校内に地域コミュニティのための部屋があり、ここは管理区分を変えて、地域の方が活用しやすい仕組みにしています。屋上やアリーナも同様なのですが、学校がない時にも利用できるので、今後いろいろな形で利用していただけると思います。

災害の際は、地域の防災拠点にもなる
災害の際は、地域の防災拠点にもなる

――今後力を入れていきたい教育活動や、学校全体のビジョンについて教えてください。

ひとつは、ICTを使ったプログラミング教育の充実です。タブレットの台数を増やすのもそうですし、プログラミング教育はパソコンを使うスキルだけではなくて、論理的思考力を学ぶという側面もありますから、それらを意識しながら授業を作っていきたいですね。

ふたつ目は、「本物に触れる」活動の充実です。実はこの建て替えと引越しが非常に大変だったので、最近少し停滞していたのですが、ようやく落ち着いてきましたので、来年以降はもう少し地域の色々な方を招いたりして、子どもたちに直接お話をしていただきたいと思っています。

3つ目は「心の教育」ですね。今は子どもたちも親御さんもとても心配ごとが多いと思います。でも、子どもたちが「自分の力でできる」ようになっていくのを「見守っていく」ことが本来の教育の姿ですから、子どもたちにはどんどんチャレンジしてほしいですし、もしうまくいかなくても、そこで落ち込まずにまたチャレンジをする、という気持ちの強さを身につけてほしいです。本校ではそのための取り組みをもっとしていきたいですね。

――最後に、蔵前の街の魅力を教えてください!

何といっても地域の人がとても優しいことです。警察や消防の方、街の消防団の方、地域の方などがいろんな場面で街の安全を見守ってくれています。また、文化的な施設も素晴らしいですね。動物園に行くとなれば一番近いのは「上野動物園」ですし、同じ敷地内には「国立西洋美術館」や「国立科学博物館」など、日本の最高峰のものに触れることができます。そのほか、交通の便も良いので新生活を始めるにはとても良い場所だと思います。

学校からも近い「上野動物園」
学校からも近い「上野動物園」

蔵前小学校インタビュー
蔵前小学校インタビュー

台東区立蔵前小学校

校長 針谷玲子先生
所在地:東京都台東区蔵前4-19-11
電話番号:03-3851-1535
URL: http://www.taitocity.net/kuramae-es/
※この情報は2019(令和元)年12月時点のものです。