3階の「健康増進室」では各種トレーニングマシンも利用できる

清瀬市の子育て環境と「切れ目のない支援策」をご担当者に聞きました!/清瀬市福祉子ども部子育て支援課

清瀬市は、「子どもと幸せを育む“舞台”」を合言葉に、積極的な子育て支援に取り組んでいます。北欧の子育て支援「ネウボラ」を理想に据えて、子育て世帯向けの切れ目のない支援制度を整えながら、子育て費用の負担を軽減するための電子マネー付与など、市独自のユニークな取り組みもスタートさせています。

今回は、2021(令和3)年に建て替えが完了した新しい市庁舎のすぐ隣に、2023(令和5)年に誕生した「しあわせ未来センター」を訪ね、子育て支援課の吉田拓史さんにお話を聞きました。

清瀬市福祉子ども部子育て支援課子育て支援係係長 吉田拓史さん
清瀬市福祉子ども部子育て支援課子育て支援係係長 吉田拓史さん

まずは清瀬市の概要と、子育て支援に関して特に力を入れていることを聞かせてください。

吉田さん:清瀬市は東京都の北西部に位置し、人口およそ7万4千人、面積は10平方キロメートルほどのコンパクトな市です。東村山市や埼玉県所沢市などと隣接し、市内には農地や雑木林などの豊かな自然が残る一方で、「清瀬」駅からは30分くらいで池袋に出られるという、都心へのアクセスの良さが魅力です。車のアクセスに関しても、関越道の所沢インターに近く、電車と車、どちらを利用しても便利な場所かと思います。

清瀬市で特に力を入れている子育て支援施策のひとつに、「スマイルベビーきよせ」という支援制度がございます。

これは妊娠から出産・子育て期まで、切れ目ない継続的な支援を目的とした事業として、2017(平成29)年度にスタートしたものです。北欧の「ネウボラ」という子育て支援制度を参考にした、いわば、清瀬市版のネウボラ事業ですね。

妊娠されて、特にご家族の方が近くにお住まいでない方の中には、強い不安を感じられる方が多いと思います。そういった不安を和らげるために、清瀬市では妊娠の届出をされたすべての方に対し、「妊婦面接」というものをご案内しており、そこから切れ目のない支援をスタートさせています。

面接は専門職である保健師が担当させていただき、その後もずっと、お一人お一人に寄り添いながら、継続的に支援できるような体制をとっています。その先、出産をして、保育園・幼稚園に預けるときや学校に通い始めるときなど、長期的な視点で、切れ目のない支援をしていくという制度となっています。

そもそも清瀬市は、市外から引っ越してくる方がとても多い街なんですね。そういった、外から引っ越してくる方にとって、「子育てをしやすい街」と感じていただけることを目指して、子育て支援制度を設計しており、そこが市の特色になっているかと思います。

2024(令和6)年4月から、「きよせ・チルドレンファーストチケット」の配布をスタートされましたね。こちらはどのような制度でしょうか。

吉田さん:「きよせ・チルドレンファーストチケット」は、お子さんを養育する際にかかる経済的負担の軽減を目的に配布している電子チケットです。以前は「子育て・キラリ・クーポン商品券」という紙のクーポンでしたが、これをリニューアルしたものになります。

具体的には、未就学児のお子さんを養育されているすべての世帯を対象に、お子さん一人あたり1万円分のポイントを、清瀬市の「きよせニンニンポイントアプリ」を通じて付与しています。簡単に言えば、市内専用の電子マネーですね。

チケットの使い道については、清瀬市内の商工会等に入られているお店が対象です。飲食店や美容室などのほか、コンビニや薬局などの日常生活に便利なお店で自由に使っていただけます。さらに一部の保育園では給食費にも充てられます。

――これは毎年もらえるポイントなのでしょうか?

吉田さん:毎年、6歳未満のお子さんの人数分を付与しています。

紙からアプリになったことで、無くす心配もありませんし、タッチ決済も利用できて便利なので、ぜひ活用いただければと思います。

なお、チケットを受け取るには申請が必要なので、まだ申請されていない方は、ぜひこの機会に調べてみてください。

ちなみに私自身も子どもがおりますので、毎年申請して活用しております。

子育てサポートに関する施設がありましたら、その詳細をお聞かせください。

吉田さん:清瀬市で子育てをするにあたっては、まず、この「しあわせ未来センター」が支援の拠点になります。妊娠された時にはまずここで妊娠届を出していただいて、そこから妊婦面接、支援のスタートとなります。

お子さんが産まれたら、隣接する市役所内の市民課に出生届等を出していただき、そのままこちらの建物に来ていただければ、手当の手続きや接種・健診などの情報提供も、すべてここで完結します。子育てのことで何かお困りのことがあったら、まずはここ「しあわせ未来センター」を訪れていただければと思います。

「清瀬市しあわせ未来センター」外観
「清瀬市しあわせ未来センター」外観

――以前は市役所内のあちこちに点在していたものが、「しあわせ未来センター」の1か所に集約された形でしょうか?

吉田さん:私たち「子育て支援課」に加えて、「子ども家庭支援センター」や「教育相談室」もこの建物に移っており、ワンストップで子育てに関するすべての手続きができるようになりました。

また、保健師や栄養士など専門性の高い職員も常駐しておりますので、子育てに関するお悩みをすぐに相談ができる環境が整っています。さらに個室の相談スペースも複数あるので、以前よりも気軽に相談しやすい環境になったと思います。

――「しあわせ未来センター」では、イベントや講座の開催などもありますか?

吉田さん:たとえば健診に付随して、歯医者さんにお子さんの歯の様子を見てもらい、歯磨き指導をおこなうイベントや、2階のクッキングスタジオで、ファミリーや三世代向けの料理講座なども行っています。

「清瀬市しあわせ未来センター」内観
「清瀬市しあわせ未来センター」内観

――このセンター以外で、市内の子育て世代向けのおすすめのスポットがあれば教えてください。

吉田さん:中清戸3丁目には、児童センターの「ころぽっくる」という施設があります。建物自体もかなり大きく、日中は未就学児のお子さんと親御さんが、夕方ごろには小中学生が多く訪れています。小さなお子さん向けの部屋から運動室や自習室などまで完備されているほか、隣接する神山公園には芝生の広場や小さなお山などもあり、幅広い年齢層に楽しんでもらえる施設です。

「清瀬市児童センター ころぽっくる」外観
「清瀬市児童センター ころぽっくる」外観

また、地域ごとに置かれている「地域市民センター」では、小さいお子さんを養育されている方向けに、「つどいの広場」という事業を行っています。スタッフがお子さんを見ているので、親御さんもひと息つけて、子育てに関するお悩みや相談なども気軽にできる場です。

――新しい児童館が建設される計画もあると聞きました。

吉田さん:本庁舎の入口付近に模型も展示していますが、「南部地域児童館・図書館等複合施設(仮)」の建設を予定しています。西武池袋線の線路にもほど近い清瀬中央公園の中に、図書館と児童館が融合した新しい建物を建設する計画です。

敷地内には実際に使われていた鉄道車両を展示する予定もあるなど、今後、清瀬市内のファミリーにとって魅力的なスポットになると期待しています。

南部地域児童館・図書館等複合施設の模型
南部地域児童館・図書館等複合施設の模型

――「ころぽっくる」と並ぶ、市の中心的な児童館が誕生するわけですね。

吉田さん:児童館としての広さは「ころぽっくる」のほうが広いかもしれませんが、「清瀬」駅から徒歩圏内にあって、図書館と一体化しているという点が、南部地域児童館の特徴になってくるのかなと思います。こちらは2026(令和8)年の10月に完成予定となっています。

子育て世帯におすすめの、住民の方々と連携して行っている事業、地域のお祭りなどがありましたら教えてください。特に旭が丘周辺のことをお聞きできればと思いますが、いかがでしょうか。

吉田さん:市内北部の下清戸地区では、毎年夏に「ひまわりフェスティバル」が開催されています。

広大な畑に約10万本のひまわりが植えられて、見晴台から見下ろしたり、ひまわりのそばに寄って写真を撮ったりといった体験をしていただけます。毎年何万人ものお客さんが来場するような、市を代表するイベントです。

このイベントは地域の方々のお力があって実現できているもので、暑い時期に、主催者の方々が一生懸命、広い畑にひまわりの種を植えてくださっています。加えて、イベントの会場では地元の農家さんが作られたお野菜の販売などもしています。

清瀬ひまわりフェスティバルの様子
清瀬ひまわりフェスティバルの様子

それ以外ですと、「柳瀬川」で水遊びを楽しまれる方はかなり多いと思います。流れも穏やかでお子さんが水に親しみやすい場所だと思いますし、家族やお友達とのバーベキューを楽しめるスポットです。柳瀬川付近では「きよせの環境・川まつり」という市主催のイベントも例年7月に開催しています。川沿いには桜も植えられており、桜の時期に現れる桜のトンネルは見どころです。

金山橋からの桜並木
金山橋からの桜並木

吉田さんご自身も清瀬で子育て中というお話でしたが、実際に子育てをされるなかで、「清瀬でよかった」と思っていることなどありましたら、教えてください。

吉田さん:本当に私の身の回りの話になってしまうのですが、近所でどんどん宅地開発がされていまして、若い世代で移住されてくる方が多いんですね。そういった方々だと、お子さんも引っ越されてくるわけですが、私も外から引っ越してきた中の一人ですので、同じ境遇で新しく住まわれる方が多い印象です。

ですので、コミュニティに入る垣根は低いと思いますし、情報交換もしやすい雰囲気があって、そこが非常にいいなと思っています。これから移住してくる方々にとっても、暮らしやすい街だと感じますね。

あとは、本当に緑が豊富な街で、畑もかなり残っています。畑によっては、農家の方がそこで直売などもやっていらっしゃって、そこで買った新鮮なお野菜などもたくさん手に入りますので、そこも魅力的ですね。

私自身も清瀬に引っ越してきて、この地で子育ての真っただ中ですが、本当に「清瀬でよかったな」と感じています。これから引っ越して子育てをされる方にも、ぜひ清瀬をおすすめしたいですね。

お話を伺った吉田拓史さん
お話を伺った吉田拓史さん

清瀬市福祉子ども部子育て支援課子育て支援係係長 吉田拓史さん
清瀬市福祉子ども部子育て支援課子育て支援係係長 吉田拓史さん

清瀬市しあわせ未来センター

清瀬市福祉子ども部子育て支援課子育て支援係係長 吉田拓史さん
所在地:東京都清瀬市中里5-842
電話番号:042-497-2088(直通)
URL:https://www.city.kiyose.lg.jp/shisetsu/kosodatesisetu/1012202/index.html
※この情報は2024(令和6)年7月時点のものです。