スペシャルインタビュー

2018年度に新校舎完成。地域との連携でのびやかに学ぶ「世田谷区立山野小学校」

1963年に開校した「世田谷区立山野小学校」は、小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅から徒歩5分。地域住民や保護者が運営に携わる「地域運営学校」として、地域に開かれた学校づくりを実践している。2019年度から着任した神田校長先生に、同校の取り組みや砧エリアの魅力について伺った。

世田谷区内屈指の大規模校

2018(平成30)年度から新校舎になった「世田谷区立山野小学校」
2018(平成30)年度から新校舎になった「世田谷区立山野小学校」

――まずは山野小学校の現在の児童数を教えてください。

神田校長:現在、児童数は1,092名で、世田谷で最も児童数の多い小学校です。1~5年生は1クラス30人強で5~6クラスずつ、6年生が1クラス38~40名で4クラスとなっています。あと4名多ければ6年生も5クラスになるので、学年の人数差はあまりないですね。児童の数は引き続き増加傾向にあるため、この夏にも3階のオープンスペースを教室にする工事が始まる予定です。

2019年度から着任された神田光子校長先生
2019年度から着任された神田光子校長先生

2018(平成30)年竣工の新校舎で快適に学ぶ

――2018(平成30)年度から校舎が新しくなったそうですね?

神田校長:はい。以前の3階建ての校舎から新校舎は4階建てになり、プールや体育館を建物内に設けたことで、十分な広さの校庭を確保することができました。また建物がコの字型からL字型になったので、校庭も以前に増して開放的な印象になったように思います。

採光性が高く、明るい新校舎内
採光性が高く、明るい新校舎内

また、校舎に面した校庭以外にも「第二グラウンド」というものがあるのが本校の特色のひとつです。世田谷区では認可保育園の整備や保育定員の拡大の強化が図られており、旧校舎を建て直すことが決まった際に、第二グラウンドの場所に新設の保育園を作る案も出たそうなのですが、学校と地域の強い要望で残すことになりました。本校の児童数を考えると、残って良かったと思います。なお、新設の保育園は、旧プールがあった場所に建てられることになりました。

正門の向かいにある第二グラウンド
正門の向かいにある第二グラウンド

――そのほか、設備面で特色あるものはございますでしょうか?

神田校長:太陽光発電や雨水利用システムを採用するなど、環境に配慮した設計になっています。また、音楽室や多目的室をはじめ、アイランドキッチン型の家庭科室など、多彩な行事や取り組みに対応できるように設計されています。プールも最新式になってスイッチひとつで水位調節ができるようになったので、教員の負担が減り、水の無駄もなくなりました。

また、「3大フェスタ」をはじめとする、本校の特色ある教育に対応できるよう様々な工夫が凝らされています。
校舎のどこからでもアクセスしやすい体育館、照明や音響設備を備えた音楽室、劇もできる広い多目的室。自慢の場所はたくさんあります。

音楽室の様子
音楽室の様子

知・徳・体をバランスよく養う「3大フェスタ」

――教育活動の中で、特に力を入れているものや貴校ならではの取り組みについて教えてください。

神田校長:本校は、教育目標として校名の“山野”の各文字を使った「(や)わらかく、(ま)んまるく、(の)びやかに」を掲げ、知・徳・体をバランスよく育むことを目指しています。特に力を入れている活動としては、まず「3大フェスタ」が挙げられます。これは、春の「スポーツフェスタ」、秋の「山野フェスタ」、冬の「ミュージックフェスタ」の3つの催しから成り、子どもたちは毎学期、それぞれのフェスタに向けて全力で取り組んでいます。

イベントや休み時間に使う一輪車
イベントや休み時間に使う一輪車

――各フェスタはそれぞれどんな内容なのでしょうか?

神田校長:「スポーツフェスタ」はいわゆる運動会ですが、組体操やダンスといった出し物は一切なく、競技に特化しているのが特徴です。縦割りの4チーム対抗でしっかり競い合う、中学や高校の体育祭に近いものです。学芸会のような位置付けの「山野フェスタ」も企画段階から児童が関わり、高校の文化祭のような盛り上がりを見せます。子どもたちの意見や希望が反映される内容は、落語やダンスなど多彩です。一番新しい「ミュージックフェスタ」では、学年ごとに合唱を披露します。

地域の人が教えるワークショップ「てっぺん教室」

鉢で育てている植物を世話する児童たち
鉢で育てている植物を世話する児童たち

――世田谷区の学校は、地域が学校運営をサポートする「地域運営学校」ですよね。山野小ではどんな協力がありますか?

神田校長:代表的なのは、ひと月に一度の割合で土曜日に開催している「てっぺん教室」ですね。これは、地域の方々を講師に招き、普段は味わえないことを児童に体験してもらうワークショップです。先日は専門家を招いて将棋と空間設計が行われていました。他にも、1~3年生を対象にした放課後学習、夏休みのラジオ体操、学校に宿泊する「山野キャンプ」、ダンスや山野太鼓などの音楽サークルを招いて開く「ふるさと山のふれあいコンサート」など、本当に多彩で魅力的なイベントを主導していただいています。

校舎に掲げられたスローガン
校舎に掲げられたスローガン

――日々の授業や登下校では、どんなサポートがありますか?

神田校長:毎週月曜日と水曜日には、砧町自治会の人たちが学校周りに立って児童の登下校を見守る挨拶運動をしています。春・秋の交通安全週間で行う下校指導にも協力いただいています。地域の方による「小1サポーター」も大きな助けになっています。新入学児童が集団生活になじんで安心して授業に取り組めるよう、1年生の各教室に地域の方が一人入って半日フォローするんです。4月から12月まで、1年生の全クラスに毎日です。多くの人数が必要ですし、簡単にできることではありません。本当にありがたく思います。

強い地域力が魅力的な砧エリア

休み時間は児童でいっぱいになる図書室
休み時間は児童でいっぱいになる図書室

――他の教育施設や団体と情報交換などはしているのでしょうか?

神田校長:しっかり連携できていると思います。児童館や校内にある学童クラブとは、日頃から密に情報を交換し合っていますし、地域懇談会にはそういった施設の担当者だけでなく、PTAや校外委員、人形劇サークルなど子どものための活動をしている人々も交えて、その年の方針などを話し合います。近隣の幼稚園や保育園の先生が、園児を連れて学校見学に来ることもあります。

近隣にある「山野児童館」
近隣にある「山野児童館」

――砧エリアの魅力はどんなところでしょうか?

神田校長:一番の魅力は、この地域に住む人々です。地域の学校に対して“おらが(私たちの)学校”という気持ちをもっている方が多く、学校の活動を熱心に応援してくださるんです。言葉だけでなく、知恵や手も貸してくださいます。世田谷区内でもこの辺りは抜きん出て地域愛が強いエリアでしょう。

東京都立砧公園
東京都立砧公園

かつて私が副校長として5年間勤めていた「砧小学校」でも同様に地域の方々に多くのサポートをいただいていましたが、「山野の地域力もすごい!」と感じています。近くには「都立砧公園」や「祖師谷公園」などの豊かな自然もありますし、子育てしやすい街ではないかと思います。

神田光子校長先生
神田光子校長先生

世田谷区立山野小学校

校長 神田光子先生
所在地:東京都世田谷区砧6-7-1
電話番号:03-3417-3322
URL:http://school.setagaya.ed.jp/yano/
※この情報は2019(令和元)年5月時点のものです。