広い園庭と近くの公園でのびのび外遊び!豊かな自然に囲まれた「深大寺保育園」
京王線「調布」駅からバスと徒歩で20分弱。畑が広がるのどかな深大寺北町に、子どもたちの元気な声が響く一角がある。都内有数の広い園庭を誇る「深大寺保育園」だ。園長の田中賢介さんに、同園が力を入れている保育、地域との関わりや周辺の魅力について伺った。
幼児クラスではミーティングの場を設け、集団の中で自分の意見を言う力を伸ばす
――「深大寺保育園」の概要と特徴を教えてください。
田中園長:2004(平成16)年に公設民営となり、調布市によって移転・新築されました。2020(令和2)年度から私立保育園に移行しました。0歳児から5歳児まで6クラスあり、定員は124名です。認可定員が120名で、待機児童が多かった時代に、弾力定員として認可定員20名だった3歳児を24名に増員したため124名になりました。駅前の園は定員割れが起きているくらいですが、園のある深大寺北町やお隣の深大寺東町では宅地開発により子育て世帯が入ってきているため、保育園はまだ足りていないのが現状です。
特徴は園庭の広さでしょうか。当園の園庭は都内有数の広さだと思います。とはいえ、単に広いだけではありません。2013(平成25)年には職員が園庭プロジェクトを立ち上げ、自分たちで子どもの成長に即した遊具を作っているため、周辺の公園に設置されている既成のものとは一味違った遊具があります。各クラスで子どもの成長を分析し、楽しく遊びながら優れた部分を伸ばし、課題を克服できるようなものを考案しています。すでにいくつか設置されていますが、今後もどんどん発展させたいなと考えています。
――特に力を入れていらっしゃる保育内容やその特徴について教えていただけますか?
田中園長:子どもが自分の意思や考えを発信することを大事にしています。子ども主体の保育というのは保育所保育指針でも謳われていて、どの園も取り組んでいると思いますが、当園ではより子どもが主体性を発揮しやすいよう、4歳児くらいからミーティングの時間を設けています。子どもが輪になって自分の考えを言い合うんです。担任の保育士がお題を与えて、「友だちの好きなところを1つずつ言う」「自分の好きなところを1つずつ言う」といったところから始めて少しずつ難易度を上げ、慣れてきたら「運動会で何をやりたいか」といったテーマを話し合ったりします。
人前で話すのが苦手な子もいますし、無理にやらせることはありませんが、4歳後半ぐらいになるとみんな話せるようになります。最初は全く話せなかった子も話せるようになるんですよ。職員も子どもたちも、人の意見を否定しないことを大事にしているので、続けているうちに徐々に慣れて自信がついてくるのだと思います。5歳にもなると結構しっかり意見を出し合いますし、みんなそれを楽しんでいます。
「北ノ台ふれあい朝市」などで地域の人々と交流を深める
――給食は自園調理とお聞きしました。素材のこだわりや給食づくりで大切になさっていることなどをお聞かせください。
田中園長:栄養価はもちろん、科学調味料を一切使わないことにこだわっています。そしてアレルギー対応には細心の注意を払って取り組んでいます。季節感も大事にしていて、プランターによる少量の栽培ではありますが、夏は園内でナス、キュウリ、ピーマン、スイカ、メロンなどを育てています。食育の一環として、子どもたちが水やりや収穫をし、調理したものをみんなで分けて食べています。
――『地域と共にみんなで創り 育ち合う保育園』を基本方針に、『地域公益活動』も積極的に行っていらっしゃるとお聞きしました。具体的な取り組みや内容を教えてください。
田中園長:地域交友事業として、「ひだまり」という子育て交流広場を週2回、月曜日と木曜日の午前10時から12時まで実施しています。就学前のお子さんと保護者の方は、調布市民に限らずご参加いただけ、室内や園庭で遊んでいただくこともできます。一面芝生の広い園庭で遊べる点は多くのお喜びの声をいただいていて、多い日には10組程度の親子連れがいらっしゃいます。
大きな地域イベントは年に2回夏と秋に開催している「北ノ台ふれあい朝市」です。近隣の農家さんが採れたての野菜を持ってきてくださり、新鮮で立派な野菜がたくさん並びます。非常に良心的な価格で販売いただいており、園児や保護者の方に限らず幅広い世代の方がお見えになって、みなさん喜んで買っていかれます。野菜販売だけでなく、キッチンカーも来ますし、自由に園庭で遊べますし、高齢者の方が昔遊びを教えてくれるコーナーなどもあるので、大勢の人がいらっしゃいます。前回は650人くらいお越しになりました。地域の一大イベントとして市報にも載るほどなので、おそらく調布市全域から来てくださっているのかなと思います。
地域のみなさんとのつながる機会は他にも多くあり、月に1度、お隣の特別養護老人ホームを訪問しています。園児たちにとっては、おじいちゃんやおばあちゃんよりも年齢が上の方々と交流できる貴重な機会で、ホームのみなさんが毎回すごく喜んで歓迎してくださることもあり、子どもたちも嬉しいみたいです。
あとは地域に開いた運動会もやっていて、卒園児や近隣の子どもたちにも参加してもらっています。
住民が子育て世帯に理解があり、丈夫な子どもが多い深大寺東町・北町エリア
――深大寺東町・北町エリアの子育て環境について、子どもたちの特長や周囲の環境などを教えてください。
田中園長:この辺の子どもたちは体が強い子、運動能力に優れている子が多い印象です。園のすぐ近くにある「北ノ台小学校」は、ドッヂビーの大会などでも強いんですよ。私自身、調布市東部の都心寄りの小学校に子どもを通わせているんですが、当園のように広々とした園庭のある保育園はありませんし、ボール遊びができるような場所もなかなかありません。ここは近くに「神代植物公園自由広場」があり、気持ちのいい草地で走り回ったり、ボール遊びをしたりできます。外遊びで存分に体を動かせる環境で、幼児期から自然と足腰が鍛えられるのではないかと思います。
それと、子どもに対して寛容で子育て世帯の味方になってくださる方が多いと感じます。行事があるときはあらかじめ近隣のご家庭にビラを配るんですが、「いつもご迷惑をおかけしています」とご挨拶すると、「いやいや、迷惑なんかじゃないよ。むしろ子どもたちの声に元気をもらっているから」と言ってくださり、非常にありがたいですね。
――最後に、深大寺東町・北町エリアの魅力をぜひお聞かせください。
田中園長:自然が豊かで、子どもがのびのびと遊べるのどかな環境が一番の魅力だと思います。都心のような高い利便性はありませんが、地域の人の優しさや緑豊かな環境は、子育て世帯にとって大きなメリットだと思います。
この辺りは畑が多く、直売所で新鮮な野菜が手ごろな値段で手に入るのもいいですよね。それから「調布」駅の近くには「あおな」という子育て支援のためのカフェもあり、おすすめです。

深大寺保育園
園長 田中賢介さん
所在地:東京都調布市深大寺北町3-31-8
電話番号:042-485-2828
FAX:042-485-2884
URL:https://www.sanshikai.net/jindai/
※この情報は2024(令和6)年8月時点のものです。