市街地には今もなお緑地、農地が点在する町田は、都内でも屈指のホウレンソウや小松菜の生産地として知られている。それらはもちろん一般にも流通されているが、農家の人による直接販売や、定期的に地域の農協による直売市などが頻繁に開催されている。そこには、地元の人たちに美味しいものを知ってもらいたい、お裾分けしたいという気持ちから、朝採れたばかりの新鮮な野菜が並べられている。
作り手の顔が見える安心感と、なんといっても、採れたてで、安くておいしい野菜が手に入るという大きな魅力があり、直売会を楽しみにその日まで買い物をしない、という常連客も多いという。
交通機関が発達し、流通網が張り巡らされた日本では、フィリピンからバナナを、メキシコからはアボカドを、アメリカから米を、中国から野菜を、など世界各国から食材が集まってくる。わざわざ海外から運んできた野菜の方が安い場合もあり、日本の農業は押され気味だといわれているが、国の定めた様々な基準をクリアした安心の国産優秀野菜たちを放っておく手はない。
何よりも新鮮さは最大のごちそうだ。長旅に揺られた野菜たちよりも、ちょっと先の、あの畑で「さっきまで根を張っていた、生命溢れた元気野菜」の方がずっと体に良さそうだ。特にカロテンなどを多く含む栄養価の高い緑黄色野菜「小松菜」は、時間とともにドンドンと栄養素が消失するといわれている。近くで作っているのならば、その野菜を食べた方がいいのだ。
とびきり新鮮な野菜を手に入れて、日々の食生活にとりいれる。昔ならではの、地元で生産されたものは地元で消費する、という『地産地消』という考え方を生活の一部にしてみることは、環境に優しくすることにも繋がる。
自然に囲まれたスローライフを手に入れるには、『地産地消』というキーワードははずせない。