新宿、渋谷、横浜に30分程度で行ける交通の利便性が高いJR横浜線・小田急小田原線「町田」駅周辺は、大規模商業施設が建ち並ぶ賑やかなエリアである。その規模は小田急線沿線最大の繁華街を抱える新宿に次ぐといわれていて、隣接する神奈川からも多くの人が目指してくるほどだ。
しかし賑やかな駅前をすぎると、すぐその先には閑静な住宅街が控え、そしてそれらを包み込むように緑をたたえた公園が数多く点在している。駅前しか知らない人たちには、この光景は新鮮にうつるにちがいない。
町中にある公園は遊具が置かれた児童公園か、樹々が植えられ、ベンチが置かれた休息目的のものが一般的だが、ここ町田周辺にある公園は子ども連れで遊ぶならば「こどもの国」、動物にふれあう事ができる「町田リス園」、季節になれば美しい花が咲き誇る「町田ぼたん園」、散策を楽しむならば「薬師池公園」など、目的に応じて公園を選ぶことができる緑と自然に溢れた街なのだ。
農業の分野においても都内屈指の生産量を誇る町田は、自然を守る事を大事にし、また農がある町を目指しているという。公園と農業の融合を図った「市民農園」などの施設も多く、農業体験を活動の軸にしたNPO法人もあり、農業は一般市民にも身近なものとなっている。
小さな農園は七国山周辺に集中しているそうだが、この一帯には緑や花を楽しめる場所が点在していて、春には黄色の絨毯のように大地を埋め尽くす菜の花を、秋には風になびく金色に輝くススキなど楽しめる、日本の四季に出会える人気の散歩コースになっているという。
都会からすぐのところに、豊かな大地を感じさせる場所がある。日本の原風景が残された街、町田。それが町田のもつ大きな魅力なのだと思う。