谷根千（谷中・根津・千駄木）を散策中に、もしうどんを食べたいと思ったのなら迷わずに「釜竹」を訪ねるべきだ。とは言え、店先につくられた列に並ばないといけないということも一言添えておこう。同店がのれんを掲げたのは2005（平成17）年のこと。敷地内にある圧倒的な存在感を放つ石蔵は、1910（明治43）年に建てられたものだ。

その石蔵を移築し、建築家・隈研吾氏が手を加えたものが現在の姿である。このような特別な空間で、格別の釜揚げうどんと日本酒を味わえる「釜竹」。必要以上に手を加えず、素材の味を活かすというのが基本的な考えだ。水・小麦粉・醤油などそれぞれの特徴を踏まえ、ほどよく調和する加減を心がけているという。

そのようなシンプルな考えは、うどんの「釜揚げうどん」、「ざるうどん太打ち・細打ち」だけという品書きにも通じている。一方で、日本酒は随時30種ほどの用意があり、それにあう一品料理はどれも興味深い。特別な空間で味わううどんと日本酒、これを求め、期待とともに今日も列がつくられる。

根津 釜竹
所在地：東京都文京区根津2-14-18 
電話番号：03-5815-4675
営業時間：11:30～15:00（L.O.14:30）、17:30～21:30（L.O.20:30）※うどんがなくなり次第終了
定休日：日・月曜日
https://www.kamachiku.com/