コミュニティ・スクールとして地域の人が集う場に!地域連携に注力する「西東京市立保谷第一小学校」
西武池袋線「保谷」駅から徒歩約15分。「西東京市立保谷第一小学校」は、自然豊かな武蔵野台地に位置し、近年宅地開発が活発な下保谷にある。副校長の藤本知子先生を訪ね、現在力を入れている取り組みや今後の展望、地域の人々とのつながりや下保谷周辺の魅力についてお話いただいた。
多様な人々が穏やかに暮らす保谷エリアで、のびのびと育つ子どもたち
――まずは「西東京市立保谷第一小学校」の概要、独自の教育方針などがあればお聞かせください。
藤本副校長先生:1947(昭和22)年に「保谷第一小学校」として開校しました。西東京市では、3番目に古い学校です。本校の前身となる学校は1874(明治7)年に白子川の近くの梅林に創立されたことから、校章がしらうめになったと聞いています。
藤本副校長先生:現在、児童数は604名、19学級です。教育目標は「よく考え進んで学ぶ子ども(問題解決力)」「なかよく助け合う子ども(人間関係形成力)」「元気で明るい子ども(生き抜く実践力)」で、確かな学力、豊かな心、健やかな体を培うことを目指しています。特別支援教室の拠点校として、特別支援教育の充実にも努めています。
本校の校舎は「蜂の巣校舎」と呼ばれる変わった造りで、四角形ではない教室もあります。2030(令和12)年度には、校舎の建て替えを予定しています。
――学校に通われている子どもたちや保護者の皆さんに、地域的な特徴などがあれば教えてください。
藤本副校長先生:今まで何校も経験しましたが、ここの子どもたちは本当に素朴な子どもが多いです。のどかな地域で、保護者の方々が穏やかで落ち着いているからではないかと思います。
また、代々この地域に住んでいて、農家さんのご家庭が多いですね。おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんも本校出身という子もいます。一方で、学区には住宅地として開発されている土地もあり、新築住宅を購入されて引っ越してくる方もいらっしゃいます。近年は外国籍のお子さんも増えてきています。そのため、多様な価値観をもつ方々が暮らす地域だと思います。
「西東京市立保谷第一小学校」周辺施設と連携しながら行える子育て環境
――共働きのご家庭が増えている中で、そうした家庭の手助けとなるような制度はございますか。
藤本副校長先生:確かに働いているお母さんは非常に多いです。1~4年生を対象とした西東京市の学童クラブが、共働き家庭の助けとなるでしょう。学童クラブは校内に併設されています。その他にも、「保谷」駅の近くに「下保谷児童センター」内に学童クラブがあります。下保谷の方に住んでいる子にとっては、自宅近くの学童から帰れるというメリットもあるかもしれません。また、学童に通っていないお子さんも児童センターでは、放課後を楽しく過ごすことができます。
――中学受験の割合はいかがでしょうか。
藤本副校長先生:本校の場合、例年約2割弱のお子さんが中学受験をします。市内の公立中学校に進学の場合、本校を卒業すると「西東京市立青嵐中学校」に「西東京市立栄小学校」の児童と共に進学をします。
――近隣の幼稚園や保育園と連携して行われる行事はありますか。
藤本副校長先生:毎年3学期に、近隣の保育園や幼稚園とは、幼保小連携活動を行っています。昨年度は、「つくし幼稚園」、「しもほうや保育園」、「こまどり保育園」、「みらいく保育園」と交流活動を行いました。お店屋さんごっこや昔遊び、タブレットを使った活動を一緒に行うことで、小学校のことをよく知ってもらい、小1ギャップの解消にも努めています。
――学校HPのカレンダーに定期的に「レインボー班」という活動がありますが、こちらはどのような活動でしょうか。
藤本副校長先生:縦割り班活動のことです。各学年から1名以上入り10名程度の異学年集団を「レインボー班」と呼んでいます。月に1回程度集まって一緒に遊びます。上級生を中心に、協力する態度や思いやりの心を育てることをねらいとしています。
地域の人や保護者と一体となって、ともに子どもたちを守り育てる
――周辺施設や保護者の皆さんと連携して行う授業や活動があれば、ご紹介ください。
藤本副校長先生:西東京市の小中学校はすべてコミュニティー・スクールです。本校も地域との関わりをとても大切にしています。
特に学区ある「下保谷四丁目特別緑地保全地区(旧髙橋家屋敷林)」は、授業で多く活用させていただいています。ここは、藍栽培や養蚕等により家格を保っていた有力農家の1軒ですが、2017(平成29)年に西東京市の所有となりました。母屋や蔵、井戸などの貴重な文化財があり、高さ20メートルを超える高木や野草園など豊かな自然も残る素敵なところです。
本校の児童は、ここで虫探しをしたり、蔵の中にある昔の道具を見せてもらったりして、生活科や社会科の学習をすることがあります。そのため、屋敷林保存会の方々には授業で多くの協力をいただいています。
藤本副校長先生:保谷エリア周辺は藍で財を成した土地です。本校では毎年4年生が「西東京ふるさと探究学習」という地域学習で藍について学んでいます。「下保谷の自然と文化を記録する会」の方々に指南していただきながら校庭の一角で藍を育て、染料にして布を染めるまでを体験しています。
藤本副校長先生:2年生の授業「まち探検」では、郵便局や消防署、「保谷」駅の北側にある「中華麺 江川亭 保谷店」や「米粉パン コイガクボ 保谷店」、イタリア料理の「トラットリア エ ピッツェリア リンカント」など12の施設やお店の協力を得て、インタビューさせていただいています。このような活動を通して、子どもたちは地域のことを知り、この地域に愛着をもつようになっています。
藤本副校長先生:市に依頼して行う出前授業もありますし、本校でボランティアを募って保護者や地域の方に授業支援に来ていただく場合もあります。
例えば、七輪を使って何か焼く、図工の授業でノコギリを使うといったときには地域の方が来てくださいますし、家庭科でミシンを使うときには保護者の方が来てくださいます。地域とよく連携して、密着した活動を続けています。
――今後の学校運営で、より一層力を入れていきたいことはございますか?
藤本副校長先生:校長の経営方針に「家庭や地域と共にあり、信頼される学校」というものがあります。そのために、これからも地域連携に力を入れていきたいです。コミュニティー・スクールとして学校が地域のキーステーションとなれるよう、学校を中心に地域の活性化を図っていきたいです。そして、子どもたちの多様性を認め、どんな子どもにとっても居場所となれる学校でありたいと思っています。
――学校から見た周辺エリアの魅力を教えてください。
藤本副校長先生:自然が豊かで、のどかなところです。緑が多く、公園もたくさんあります。この辺で一番大きい公園は「保谷」駅前の「あらやしき公園」です。旧髙橋家屋敷林として地域の方々に親しまれている「下保谷4丁目緑地保全地区」に隣接しています。福善寺通り沿いには「下保谷森林公園」がありますし、本校の北にある「北宮ノ脇公園」は本校の子どもたちがよく遊んでいます。
藤本副校長先生:「保谷」駅周辺は平坦で、自転車を利用されている方が多いです。「保谷」駅北口の駅前には6月に「いなげや」ができると聞いているので、買い物にも困らないと思います。
――これからこのエリアに住みたいと考えている方々に一言お願いいたします。
藤本副校長先生:のどかな場所なので、子どもをのびのびと育てたいという方にとっては非常に良い環境です。本校の子どもたちも穏やかで優しい子どもが多いです。5~6年後には校舎も新しくなって設備も整えられると思いますので、ぜひお越しください。

西東京市立保谷第一小学校
副校長 藤本知子先生
所在地:東京都西東京市下保谷1-4-4
電話番号:042-422-4513
FAX:042-424-7117
URL:https://www.nishitokyo.ed.jp/e-houya1/
※この情報は2025(令和7)年4月時点のものです。