丁寧な店づくりが魅力。人と人を食でつなぐイタリアン

FIOCCO(フィオッコ)

2025(令和7)年1月にオープンしたばかりのお店
2025(令和7)年1月にオープンしたばかりのお店

西武池袋線「保谷」駅から徒歩約1分。黒い外壁、木製ドア、そして大きなガラス窓という、スタイリッシュな中に温もりのある外観が印象的な「FIOCCO(フィオッコ)」。栄養士だった兄弟の影響もあり、料理に自然と興味を持つようになったというオーナーシェフの新中隆太氏。料理学校を卒業後、都内の有名イタリアンで修行を積み、縁あって生まれ育ったこの地で独立、店をオープンした。

カウンターには、ゆったりと腰を落ち着けられる背の高いチェアを採用
カウンターには、ゆったりと腰を落ち着けられる背の高いチェアを採用

店のコンセプトは、ヴェネツィアの「Bacaro(バーカロ)」呼ばれる、小皿料理をつまみにワインを傾けて楽しむ立ち飲みスタイルの食堂。ただし、この店ではその気軽さに「ゆっくりと過ごせる心地よさ」をプラス。料理だけでなく、家具や空間にも「思い思いのペースで自由に食事時間を楽しめるように」という店主の温かな思いが込められている。

小人数で食事を楽しめるテーブル席も
小人数で食事を楽しめるテーブル席も

ランチでは2種類のセットメニュー、ディナーでは料理を少しずつ楽しめる小皿スタイルのメニューを提供。野菜はできるだけ近隣の農家から仕入れたものを使い、ハムなどの加工品以外はすべて手作り。妥協のない料理の中でも特におすすめなのが生パスタ。尊敬する師匠の信念を受け継ぎ、生パスタは作り置きを一切せず、必ず作りたてを出すため、注文は予約制。手間も時間もかかるが、本来の「生パスタの味」を提供したいがゆえのこだわりだ。

生パスタ「Vigoli(ヴィゴリ)」。太くもちもちの麺は魚介の旨味をしっかり感じる濃厚なソースと相性抜群
生パスタ「Vigoli(ヴィゴリ)」。太くもちもちの麺は魚介の旨味をしっかり感じる濃厚なソースと相性抜群

また、創作料理やフュージョンが主流になりつつある今、現地で昔から食べられているような郷土料理を出すことも新中氏の大事にしている姿勢。「食文化そのものを伝えていけたら」という料理に対する誠実な想いが、一皿一皿の上にそっと現れる。

塩鱈とミルク、オリーブオイルで仕上げた「バッカラ・マンテカート-塩鱈のペーストとポレンタ」。素朴ながら奥深い風味が広がる
塩鱈とミルク、オリーブオイルで仕上げた「バッカラ・マンテカート-塩鱈のペーストとポレンタ」。素朴ながら奥深い風味が広がる

もう一つ、この店を特別にしているのがサービスだ。水を出すタイミングやおしぼりの状態、目に見える箇所の整頓まで、店に対してプラスの価値を感じてもらうために細やかな気配りを常に忘れない。

そんなこだわりの店づくりをする新中氏が目指しているのは、ふとお腹がすいたとき、最初に思い出してもらえるような暮らしの一部として親しまれるお店。また、店名の「FIOCCO」は、イタリア語で「リボンの結び目」を意味する言葉。食を通じて人と人をつなぎたいという願いも込められているという。美味しい食と心地よい空間で、客同士が自然に距離を縮め、笑顔になれる。そんなこの店ならではのひとときを一度体感してみては。

FIOCCO(フィオッコ)
所在地:東京都練馬区南大泉3-31-29 第二市川ハイツ1F
open 12:00-13:00(LO) 17:30-21:00(LO)
月曜定休、不定休あり
https://www.instagram.com/fiocco_oizumi/

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