西東京市立芝久保小学校 渡邊俊一校長先生 インタビュー

豊かな緑に囲まれ、50年以上続く地域との温かい交流に支えられた「西東京市立芝久保小学校」

小平市との境界線から程近い西東京市西部。閑静な住宅地の中に建つ「西東京市立芝久保小学校」は、緑豊かな木々に青々とした芝生の校庭が特徴だ。2017(平成29)年度に開校50年を迎えた伝統ある学校で、子どもたちが自ら考え、活動する力を伸ばす教育に注力。地域の青少年育成会や老人会との交流も盛んで、連携したイベントも開かれている。同校の渡邊俊一校長先生を訪ね、学校の取り組みや地域との交流、街のことについてお話を伺った。

「西東京市立芝久保小学校」の校舎
「西東京市立芝久保小学校」の校舎

自然豊かな周辺環境に建つ歴史ある小学校

――まずは「芝久保小学校」の概要から教えてください。

渡邊校長先生:本校は、旧田無市の5番目の小学校として1968(昭和43)年に開校しました。旧田無市で5番目の学校だったことから、校章はペン先で象った五角形の中に、旧田無市の市章である「田」をモチーフにした形と「芝」の字を重ねたデザインになっています。実は校歌も少しユニークで、歌詞は詩人の谷川俊太郎さんに書き下ろしていただいたものです。

開校当時は人口がどんどん増える時代でしたから、最初の数年間で本校の児童数も増え、開校から10年弱の1975(昭和50)年には過去最多の1,141名に。そのうち一部が分離する形で新しい小学校が作られました。今は、2年生だけ1学年3クラス、ほかの学年は各2クラスの計13クラスでの編成で、435名の子どもたちが元気に通学しています。

2013(平成25)年度に芝生化が完了した校庭
2013(平成25)年度に芝生化が完了した校庭

開校当時、学校の周りに広がっていた雑木林や畑は多くが住宅地に変わりましたが、今も校内外に緑が多く、農地も点在しています。2013(平成25)年度には校庭の芝生化も完了しました。

年間を通じた集団行動で育むリーダーシップ

――2017年(平成29年)度には開校50年を迎えられていますが、伝統や校風にはどんな特色がありますか?

渡邊校長先生:伝統的に、学年を越えた集団活動に力を入れています。地区班での避難訓練を行ったり、学期に一度は、1~6年生を横断して編成した「縦割り班」で交流給食をしたり。また6年生は係り活動の一環として交替で7~8人ずつ、登校してから授業が始まるまでの間、1年生の教室へ行って、1年生の担任の補助もしています。1年生の中には、まだなかなか準備や片付けができない子もいるので、手伝ってあげたり、こうするんだよと教えてあげたりするわけです。同様の取組みを1学期当初に行う学校は割と多いのですが、本校では年間を通して行っているのが特徴です。

お話をうかがった、渡邊俊一校長先生
お話をうかがった、渡邊俊一校長先生

活動の狙いは、上級生にリーダーシップを取らせること。特に6年生は、下の子たちの面倒をみる中で、「最校学年として、自分が学校をまとめていくんだ」という意識がどんどん出てきますし、しっかりリーダーシップが取れるようになっていきます。

――「芝久保小学校」が掲げる3つの教育目標には、どんな思いが込められているのでしょう?

渡邊校長先生:本校の教育目標「粘り強く考える子」「仲良くする子」「元気に活動する子」は、50周年の際に従来のものを見直して決めたもの。保護者に地域の人たち、子どもたちにもアンケートをとって、元の教育目標の成果と伝統を受け継ぎつつ、いろいろな意見を取り入れて考えました。

校内の様子
校内の様子

3つの目標は「知・徳・体」の三位一体を考えています。「粘り強く考える子」は「知」の面を具体化したもので、子どもたちに「粘り強く考えて課題を解決する力を付けてほしい」との思い。「仲良くする子」は「徳」の面から豊かな人間性を育み「主体的にコミュニケーションをとれる人になってほしい」との思い、「元気に活動する子」は「体」の面で、心身ともに「健全で、元気よく活動でき、社会に貢献できるように」との思いがこもっています。

――教育目標に基づく具体的な活動としては、どのようなものがありますか?

渡邊校長先生:まず、昨年度より「仲良くする子」に重点を置いて指導をしています。この2年間、市教育委員会の研究指定校として道徳科の授業の研究を進めています。道徳の授業を軸に、様々な授業や特別活動・学校行事を通して道徳教育に力を入れています。また、「粘り強く考える子」については、考える土台となる基礎的な学力を養うために取り組んでいます。特に、低学年では、算数の計算や国語の漢字の指導に時間をかけ、丁寧に指導しています。中学年以上では、必要に応じ、保護者と連携してサマースクールなどの補修の取り組みもしています。

中庭の様子
中庭の様子

「体」の面では、数年前に行った研究を引き継いで「楽しみながら主体的に運動するための授業づくり」に力を入れています。また、2校時目と3校時目の間の中休みを使って、一定期間全校みんなで集中して体育を行う「業間体育」の時間を設定し、全校一斉で縄跳びや大縄跳び、5分間走などを行っています。運動委員の子が中心となって、「○○ができたら縄跳び名人!」「走った周回数ですごろく市内一周!」などとモチベーションをあげる工夫をして、みんなが楽しみながらできるものを考えて行っています。

行事は自分たちでつくりあげたという実感を持てる機会に

――子どもたちが自分で工夫しているんですね。

渡邊校長先生:ええ。この運動の時間に限らず本校の行事は、子どもたちが「自分たちで作り上げた」と感じられるものが多いと思います。

例えば、運動会では体育委員や放送委員など、委員会や応援団の子どもたちが活躍していますし、年に一度のミニチュア学園祭「芝久保フェスティバル」では、学級ごとに企画をして、趣向を凝らした出し物を作っています。進めていく上では、子どもたち同士の話し合いを基本としていますので、時には意見が対立し、分裂することもあります。そこを教員が手助けしながら上手にまとめ、子どもたちの力を伸ばしていくことを大切にしています。

校舎内の様子
校舎内の様子

――「西東京市立田無第一中学校」との連携教育も行っていると聞きました。

渡邊校長先生:年に一度ですが、「田無第一中学校」の2年生と本校の3年生で、一緒に地域の団地と公園の清掃活動を行っています。「田無第一中学校」は、本校を卒業したほとんどの子が進学する学校なので、3年生からみれば大きな先輩ですね。お兄さん・お姉さんに甘え、面倒をみてもらいながら交流を深めています。

温かい地域との連携

――地域の方々が主導で行われるイベントもあるそうですね。

渡邊校長先生:地域の青少年育成会「こぶしの会」が主体で開催してくれるイベントが、毎学期1回あります。小学生はもちろん、中学生や保護者も集まるイベントで、自由参加ですが毎年楽しみにしている子は本当に多いですね。1学期は、農家さんでのジャガイモ掘りと消防訓練、2学期はミニ運動会、3学期は和太鼓の演奏を聞きながら、豚汁とお赤飯を食べるのが恒例です。ミニ運動会は、「パン食い競争」や「デカパンレース」のように、昔の町内運動会のようなユニークな競技が中心。毎年「田無第一中学校」のバドミントン部の生徒さんが、ボランティアで運営に当たってくれています。

「西東京市立田無第一中学校」との連携や、地域の方々との交流も活発。
「西東京市立田無第一中学校」との連携や、地域の方々との交流も活発。

この地域は、昔ながらの農家さんがたくさんあった場所で、本校が開校した時からサポートしてくれている人も少なくありません。また20、30年前は保護者として関わってくれた方が、今は孫が小学校に行く年になり、再び支え手になってくれています。このような取組が学校主催ではなく、地域の会が主催して子どもたちを呼んで下さるというように、地域との関わりはとても温かいものがありますね。

――学校周辺の地域の魅力を教えてください。

渡邊校長先生:環境面でも人々の気持ちの面でも、のんびり穏やかで温かいことかと思います。例えば道路にしても、危険な場所や死角になる場所が他の地域より比較的少なく、通学路の見守りは、地域の老人会の方々も一緒に行ってくれたりといった支えもあります。

穏やかな環境が魅力の街(花小金井駅付近の狭山・境緑道)
穏やかな環境が魅力の街(花小金井駅付近の狭山・境緑道)

校庭の芝生では、冬季以外は毎朝「体操会」の方々がラジオ体操をしていて、夏休み中は子どもたちも100人を超えて参加していますね。そういう風に、昔からお互いに気に掛け合い、地域との温かい交流の中で子どもを育ててきた地域であり、学校なんだなと感じています。

利便性の面でも最寄は「花小金井」駅、少し足を伸ばせば「田無」駅と2駅利用できますし、各駅の周りには商店街があるので買い物にも便利です。子育て世代の方々にはいい地域だと思いますよ。

渡邊俊一校長先生
渡邊俊一校長先生

西東京市立芝久保小学校

渡邊俊一校長先生
所在地:東京都西東京市芝久保町3-7-1
電話番号:042-463-2869
URL:http://www.nishitokyo.ed.jp/e-shibakubo/
※この情報は2019(令和元)年7月時点のものです。