江戸~明治の頃から続く名店が揃うグルメストリート・甘酒横丁

効率がよければ、商売は儲かる。しかし人間、そればかりが大切なわけではないということが、ここに来ればわかるはずである。

甘酒横丁
甘酒横丁

甘酒横丁である。水天宮からほど近く、「明治座」のあたりから地下鉄の「人形町」駅A1出口付近まで連なる、まるで時計の針が止まってしまっているのではないか、と感じるような商店街である。飲食店が多く、「グルメストリート」などと呼ばれることもあるという。

もともとはもう少し南の方に位置しており、道幅も狭い小径だったという。明治のはじめ頃、角に「尾張屋」という甘酒屋さんがあり、繁盛していたことから「甘酒横丁」という名がついたのだそうだ。その尾張屋は今は店を閉め、横丁の名もいったんは消えかかったが、1980年代に1907(明治40)年創業の豆腐店「とうふの双葉」が店頭で甘酒を売り出し、復活した。

老舗がズラリ!甘酒横丁散策
老舗がズラリ!甘酒横丁散策

その「とうふの双葉」の名物は直径12cmにもおよぶ、がんもどき。お正月に、大小のがんもどきを重ねてみかんを乗せ、鏡餅風にしたところ評判を呼び、定番商品にしたのだとか。世の中、何がどう転ぶかなんて、効率だけを考えていたらわかるはずもない。

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