大学生の考える「多世代交流」とは?多様な価値観が集う住まいのあり方を考える座談会

価値観が多様化する現代、住まいのあり方にも、選択肢が広がっています。
最近では、地域内や近隣とのつながりが薄れている都市部での生活に、不安がある方も多いのではないでしょうか?
今回は、大学生に集まってもらい、生活環境の選び方や「多世代交流」というテーマでざっくばらんに話し合ってもらいました。

【参加学生プロフィール】

Aさん:女性、大学4年、シェアハウス暮らし、地方出身
Bさん:男性、大学3年、実家暮らし、地方出身
Cさん:女性、大学3年、都内一人暮らし、地方出身
Dさん:男性、大学4年、埼玉一人暮らし、首都圏出身
Eさん:女性、大学3年、実家暮らし、首都圏出身

――今日はよろしくお願いします。まず、一人暮らしの人に、住まい選びの決め手を聞きたいです!

Aさん:もともとシェアハウスに住みたいなあと思っていて、偶然学校の近くに見つけました。友達を増やしたい、交流の幅を広げたいと思ったのが理由です。いろんな大学の人と友達になれたらいいなと思います。他の物件の候補もありましたが、ここは駅からちょっと遠いけど、家賃が水道光熱費込みで45,000円と安いので決めました。

Dさん:安っ!シェアハウスってどんな感じなの?

Aさん:玄関入ってすぐ共用のリビングとキッチン、スタディスペースと人工芝が敷いてある映画が観れる部屋もあります。1階に男子用の二人部屋が14室、1階は女子用の相部屋。室内は収納とベッドがあり、洗面所とお風呂は共用です。学生が50人くらい住んでますね。

一同さん:へー!

Cさん:私は、高円寺が大好きすぎて、高円寺に住みたいと思ってたんだけど、家賃が高くて中野付近にしたんだよね。電車のアクセスが良いし、高円寺に行く時も他より交通費削減になるし、社会人になってからも楽だと思って…。埼玉から引っ越すにあたって、JR寄りの物件も考えたけど、家賃6万以上はしんどいから結局丸ノ内線沿いにした。

Eさん:アクセスは確かに大事。学校もそうだけど、自分がよく遊びに行くエリアとか、用がある駅を定期圏内にするとかね(笑)

 

――街単位で住みたい場所を考えたときに、見るポイントやこだわりはある?

Aさん:できれば、商店街の近くが良かったけど、夜遅くまでやっていないから重視しすぎても不便になるだけだなって思いました。小学校があると治安が良さそうだなあと思うかな。

Eさん:住宅街の街灯の距離が遠くないところがいいなー。通学で2時間半かかっているから、安心して家に帰ることができる街を選ぶと思う。帰る途中には24時間のコンビニや交番があると安心する。

――今回のテーマ「多世代交流」についてどう思う?

Eさん:私が、ぱっと思い浮かんだのは、神戸にある「はっぴーの家ろっけん」っていう介護付きシェアハウス。
部屋がいくつかあっていろんな人が住める。小さい子もお年寄りもいるし、リビングには住人以外も出入りできるの。アーティストが来たり、小さい子どもを預けて買い物に行くお母さんがいたりとか。
外にもシェアハウスの看板が置いてないから、シェアハウス感も介護施設感もない。 しかも、入居したいって言っても、人を見て合わないからって断られることもあるらしい。すごいなって思いました。

一同さん:(紹介記事を見ながら)へー。おもしろいね。

Bさん:中学から吹奏楽でトランペットをやっていて、今も社会人バンドに入って活動しています。そこにはおじいちゃん世代の方や親子、大学生もいるので、多世代での交流というと、そのイメージかな。そういう習い事とかで世代を超えて話したりするのも楽しいよね。

Eさん:バイトとかもそうかも。
私は博物館の「寺子屋」って活動でボランティアスタッフとして働いてて、寺子屋の先生は地域のおじいちゃんおばあちゃん、参加者は小・中学生だから、多世代の交流の場 かな。

Aさん:私がバイトしてる介護施設のコンセプトは、隣の家に遊びに行く介護施設。スタッフは子連れ出勤もできるから、施設内では常に赤ちゃんとおじいちゃんおばあちゃんが一緒にいるんだよね。おじいちゃんおばあちゃんは守られる側だけど、赤ちゃんがいるから守る立場でもあるので、互いに自立することにつながる。子どもの成長とともにコミュニティがある感じ。
住んでるシェアハウスのイベントに地域の方や介護施設のおじいちゃんおばあちゃんを呼んだり、一緒に街のゴミ拾いをしたりと多世代交流は結構身近だな。

Eさん:めっちゃ楽しそう!

Cさん:最近バイトを始めて人との交流が生まれてきましたが、今までは全然なかったな。大学で一人暮らしの人の話聞くと、1日中誰とも口聞いていなかった…とか。そういう学生も多いと思うし、多世代交流の場はあったらいいなとは思う。
この間の台風の時は、引っ越してきたばかりだったし、情報も交流もなく、避難所もわからないし何をしたら良いのか分からず本当に怖かった…。

Dさん:災害の時はたしかに怖いかも。シェアハウスだとそういうことはない?

Aさん:んー、でもシェアハウス内でも交流に積極的な人とそうではない人がいるから、すれ違うこともあるよ。同じ意識の人と住むことができたら楽だなって思う(笑)

――現在、社会人とはどんな接点を持っている?

Aさん:国分寺で地域の人と畑で、綿花を育ててます。一緒にやってる人も、整体やってる人やカフェをしている人などバラバラ。親以外の人とその世代と話す機会はないので、いろんな話が聞けて楽しいよ。話していると“お母さんありがとう!”と気づかされることもあるし。デメリットは…面倒臭く感じることがあることかな(笑)

Bさん:学生同士だと集まって夜まで騒いで近所迷惑になってしまうこともあるから、社会人が周りにいると、気を使うことになりそうじゃない?

Cさん:生活リズムが学生と社会人は別々だからねー。でも絶対楽しい。

Dさん:社会人とつながってると就活は便利そうだよね。

Eさん:確かに色々話が聞けて為になるかなあ…。社会経験も豊富だし。その分、学生も社会人と一緒に住むのなら、考え方が違うと認識しないといけないよね。気遣いが多くなるけど、気遣いゼロは生活が破綻してしまうので。お互いの合流点みたいなのが必要じゃないかな。

Aさん:シェアハウスでも、「配慮はしてくれ遠慮はするな」と言われてる!

Cさん:それ面白い!シェアハウスで人と人とがぶつかり合うのってある?

Aさん:あるある。リビングで騒いでいて、何時だと思ってんの!って怒られたり。住人の中でもキレキャラが決まっていて、「○○さん寝たぞ!」ってグループLINEで流れてきてわかると、みんな静かになるとか(笑)。一緒に住んでみてだんだん分かっていく感覚があるかな。

Dさん:ルールを作るならみんなで作るのが大事そうだね。

Aさん:そう。ただ、シェアハウスで一緒に住んでいるとはいえ、みんなで集まる機会って意外とあまりないので…、難しいんだよね。「0時以降は大声出さない」ってこと以外は門限も寮母さんもいないので、ルールはほぼないに等しいかな。

Dさん:たしかに、社会人と学生、多世代にしても生活リズムが違うと集まるのが難しいことも多いよね。そこは逆にルールが決まってるところに入居するほうが、みんなで決めるよりも最初から納得して入ってくる分揉めないかもね。

――いろんな世代の人が住んでいるアパート、マンションを想像してみて、思うことはある?

Dさん:いろんな世代の住人がお互いに関わるのってどうしたらいいんだろうね。イベントとか?

Eさん:イベントは参加する人としない人で二極化しそう。私の実家の地域だとハロウィンパーティーがあって、いつも公園で交流している人たちは参加するけど、私の家は参加してないなー。

Aさん:一部の人たちだけのものになってしまうかも。その点、シェアハウスは生活必需品が共用だから…。ご飯も、みんながいる所で食べないといけないし。みんなが負担なく自然に守りたいと思えそうなものって考えると、共同のペットがいたらいいのかな。あとは、花壇とか。

Dさん:ペット!いいかも。

Cさん:一番嬉しいのはご飯だよね。共同の炊き出し?みたいなものを月1くらいで開催してくれたら、学生なら絶対嬉しい!

Bさん:地域のおばあちゃんが家で作って持ち寄りみたいな感じだったら、健康にもいいだろうしね。

Eさん:強制的に関わらないと生活できないっていい点もあるとは思うけど、それではストレスになってしまって楽しそう!って思わないかも。

Cさん:自分の部屋にはない、ちょっとリッチなものを共同空間に置くのもいいんじゃない?こたつとか、ジムとか、マッサージチェアとか?

Dさん:ジムいいなー。あとは、マンションの下に住人専用の売店やスーパーがあるといいかも。カフェがあってもいいな。

Eさん:近くで見つけた美味しいお店や特売品の情報が共有できると嬉しいかな。それで、高齢者とか、忙しい社会人の代わりに暇な学生が食材を買いに行くアルバイトとかね。報酬はお金でも夕飯を作ってくれるでもいいと思うし。

Bさん:掃除代行みたいなことがマンション内で完結するシステムつくるとか。お互いに補完できるような。

Dさん:お金にシビアになると問題も起こりそうだけど、ボランティアだけでも続かなそう…。要はバランスだよね。ちょっと思ったのは、家を知られると防犯的に嫌な人もいるよね。

Cさん:それはあるかも。規模によるけど、顔が見える範囲もほどほどにまとまってるといいのかもね。