江戸の学問発祥の地として知られる湯島聖堂

湯島聖堂

「湯島聖堂」
「湯島聖堂」

JR「御茶ノ水」駅から徒歩2分の場所に、要塞のような壁に囲まれた不思議な場所がある。近くに「神田明神」があるので、ふと通り過ぎてしまう人もいるようだが、歴史を紐解くと決して無視できない場所であることが分かってくる。

徳川五代将軍綱吉が儒学の振興を図るために聖堂を創建したことが「湯島聖堂」の始まり。およそ100年を経た1797(寛政9)年には、幕府直轄学校「昌平坂学問所」が開設された。

大成殿
大成殿

「昌平坂学問所」の「昌平」は孔子が生まれた村の名前。残念ながら維新政府によって1871(明治3)年に閉鎖されたが、日本の学校教育発祥の地とも言われ、「湯島天満宮」とともに合格祈願に訪れる学生が多い。合格祈願の鉛筆は人気だ。

「大成殿」は、間口20m、奥行14.2m、高さ14.6mの入母屋造りだ。大成とは孔子廟の正殿の名称。中には、孔子尊像、孟子像、顔子像、曾子像、子思像が祀られている。

入徳門
入徳門

「湯島聖堂」では、一流講師陣による生涯学習講座が行われている。「昌平坂学問所」の伝統を継承するべく、「論語を読む」や「漢詩作法」、「孟子を読む」など、中国古典文学を中心とする本格的な講座がラインナップされている。

敷地内にある「入徳門」は、1704(元禄17)年に作られた木造建造物。こうした歴史を感じられる場所で日本文化を学ぶことができるのだ。

孔子銅像
孔子銅像

1975(昭和50)年に中華民国台北市のライオンズ・クラブから寄贈されたのは孔子銅像。丈高4.57m、重量約1.5トンの銅像は世界最大と言われている。凛として真正面を見つめる姿は気品に溢れ、訪れる人を虜にする。

像の右斜め前には、楷の木が植えられている。はじめて孔子の墓に植えられたと伝えられている木だ。1915(大正4)年に日本人が中国から種を持ち込み、儒学に関係の深い場所で植えられるようになった。花が咲くまで30年もかかると言われ、新たな種子を得ることができなかったが、数年前から結実を見るに至った。今後は種が増え、楷の木が全国に広まるかもしれない。

仰高門
仰高門

毎年、元日から4日までは「正月特別参観」が行われる。その間は、関東大震災で焼き落ちた鬼龍子や鬼犾頭が展示されたり、湯島聖堂大成殿前にて素読初めが行われたりする。4月の第4日曜日には孔子祭が、5月第3日曜日には鍼灸祭りが、11月23日には勤労感謝の日には新農祭が行われる。

ノスタルジックな雰囲気に包まれる
ノスタルジックな雰囲気に包まれる

聖堂の敷地内を歩けば心身ともにリフレッシュできるだろう。周辺をビルに囲まれ、ノスタルジックな雰囲気に包まれる。途中、売店もあるので小休止をとることも可能。お守りや絵馬も販売され、御朱印もある。

湯島聖堂
所在地:東京都文京区湯島1-4-25 
電話番号:03-3251-4606(公益財団法人斯文会事務局)
公開時間:9:30~17:00(冬季は16:00まで)
※土・日曜日、祝日には大成殿も公開(10:00~閉門時間)
閉館日:夏季(8月13日~8月17日)、年末(12月29日~12月31日)
http://www.seido.or.jp/

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