子どもセンターあおぞら 阿部和樹さん インタビュー

縦割りの年齢別に特化せず、0歳の乳幼児から18歳の青少年の “自分の居場所”を提供する「子どもセンターあおぞら」

2018(平成30)年4月にオープンした「子どもセンターあおぞら」は、子どもたちが遊びや文化的な活動を通して、健康で心豊かに育つことを目的とした施設である。前身となる「滝山児童館」から機能移転し平日は約150人、週末は約300人と、すでに地域における認知度は高い。0歳から18歳までの幅広い年齢層を受け入れる「子どもセンターあおぞら」の魅力と、これからの目標について施設を管理する阿部和樹さんにお話を伺った。

阿部さん
阿部さん

ボルダリングやバンド活動といった新たなニーズに応えられる施設

――「子どもセンターあおぞら」誕生の経緯をお教えください

阿部さん:東久留米市には、「子どもセンターあおぞら」のほか、「けやき児童館」「中央児童館」「子どもセンターひばり」と4つの児童館があります。当館は、私立幼稚園の跡地利用を目的に、住民の方の意見や行政が検討した上で、老朽化した「滝山児童館」から機能を移行する形で建設が決まりました。職員の中には「滝山児童館」から異動した方も多く、スタッフ全員で「滝山児童館」時代の良さを残しつつ、新しい「子どもセンターあおぞら」が持つ設備や機能を生かせるよう、日々模索しているところです。

子どもセンターあおぞらの外観
子どもセンターあおぞらの外観

――「子どもセンターあおぞら」の施設面の特長についてご紹介ください

阿部さん:施設には「図書館」、「工作室」、乳幼児向けのおもちゃが揃っている「児童室」、鏡付きの「防音室」、室内遊びができる「集会室」、天井が高くバスケットやバドミントンもできる「遊戯室」があります。その中でも特徴的なのが「防音室」と「遊戯室」です。「防音室」には、ドラムセットもあり、アンプの接続もできるので、中高生のバンド活動やダンスの練習などにも使用できます。また、広い「遊戯室」にはボルダリングの設備もあるので、ボルダリング専門のスタッフによる「ボルダリングの日」も開催しています。「遊戯室」の使い方やイベント、遊び方などは、現在、子どもたちの安全性に配慮したルール作りに注力しています。

遊戯室
遊戯室

「集会室」には「滝山児童館」で使用していた人気のボードゲームがたくさんあって、ジェンガやオセロ、ウノなどスタンダードな物はもちろん、ドイツなど海外のゲームの種類も豊富で、他にはないバリエーションだと思います。私自身、知らないゲームがたくさんありました。計算を必要とするゲームもあって、子どもたちに教えてもらって私もチャレンジしてみましたが、勝てませんでしたね。

様々なゲーム
様々なゲーム

「図書館」の本はこれから少しずつ増やしていく予定です。現在は読み聞かせの時間もあることから乳幼児向けの本が充実していますが、今後は中高生向けの本や漫画など、幅広い年齢層がゆったり読書できる環境を整えていきたいと考えています。また、保護者の方が子どもを遊ばせる傍らで読めるような、ママ向けの雑誌も用意できれば、周辺地域の幅広い世代の人たちに親しんでもらえる施設になると思うので、一つひとつそうしたアイディアを形にしていきたいと思っています。

図書館
図書館

――屋外の施設についてはいかがでしょうか?

阿部さん:「屋外広場」や砂場、鉄棒があり、向かいの「滝山公園」の緑を眺めながら、ボール遊びや一輪車といった外遊びができるようになっています。グラウンドでの遊び方や安全面に配慮したルール作りも検討中です。ルール作りにおいても、できるだけ子どもたちの意思を尊重し、職員はそれを実現するための安全性を考えるというスタンスです。この“子供主導”というスタンスは「子どもセンターあおぞら」が行う活動の核となっています。

ボルダリングのイベントの様子
ボルダリングのイベントの様子

その一例として、「屋外広場」の半分はただの土だけの部分があって、そこで泥遊びをしたり、花を植えたり、野菜を作ったりといった“使い方”は自由。子どもたちと一緒にその“使い方”を考えていくために、あえて土のまま残したんです。そのための第一歩は、普段の子どもたちとのコミュニケーションです。子どもたちのニーズや考え方を知るためには、私たちの方から積極的に子どもたちに声を掛け、会話していくことで、さまざまな意見を出してくれる関係が構築されます。自分たちの意見を反映した遊びを提供できれば、子どもたちもここを“自分の居場所”として認識してくれると思うんです。

屋外広場
屋外広場

子どもたちの意見や希望を尊重した遊び方をサポート

――地域住民の方や子どもたちとのコミュニケーションはどのようなアプローチを行っておられるのでしょうか

阿部さん:この地域の子どもたちは素直な子が多いですね。みんなで仲良く遊べる子どもも多い。ちょっとはめを外しても、注意すれば素直にルールを守ってくれます。「遊戯室」や「集会室」など時間制なのですが、交替でもめることもありません。たとえば、卓球は1組15分というルールがあり、私たちもルールの声掛けは行ってるのですが、みんなが仲良く使えるよう、子どもたちも時計を見ながら遊んでいて、そこからルールを守ることや、社会性が自ら身に付いているようです。

卓球台
卓球台

私たちは館内での見守りだけでなく、利用後の見送りも心掛けています。小学生が帰る17時頃は入り口に出て見送るだけでなく、車が多い道を通る子どももいるので「横断歩道を渡ってね」と声掛けもしています。各年齢に特化した児童館もある中、当館は年齢による縦割りではなく、乳幼児から中高生まで、幅広い年代の子どもたちが利用しているので、とくに小中学生に対しては、当館への往復の安全性にも気を配っています。幅広い年齢層の子どもたちのふれあいや、それによって受ける刺激は子どもたちの成長にもつながるため、東久留米市全体でも“幅広い年代の子供たちが楽しめる環境づくり”に取り組んでいます。今後、乳幼児と保護者の方に対する活動を強化していきたいですね。

防音室
防音室

地域全体で子どもたちの成長を見守る環境

――今後展開していきたい活動や目標はございますか?

阿部さん:幅広い年齢の子どもたちが楽しい時間を過ごせるような、年齢ごとのすみ分けやルール作りが課題となっています。今のところ、平日午前中は乳幼児と保護者の方、午後の放課後は小学生、17時以降は中学生優先としています。小中学生については、「第七小学校」「第九小学校」「西中学校」の児童や生徒の利用が多くなっています。19時半以降の使用については、現在、行政と検討中という段階です。

年齢ごとのおたより
年齢ごとのおたより

土日は保護者でも父親との来館も多く、子育て環境が整っているエリアだと思います。もともと地域のつながりが強く、「滝山児童館」の頃からボランティアの方が多かったそうです。民生委員が乳幼児の活動に手伝いに来てくれたり、絵本の読み聞かせのボランティア活動も盛んですし、祭りのお手伝いなど、すでに地域の協力体制が確立されています。「滝山児童館」時代から将棋を教えてくれるボランティアの方もいらっしゃって、5月から本格始動するイベントも「将棋教室」です。今、注目のジャンルだけに楽しみなイベントですね。

今後は「将棋教室」をはじめ、「卓球大会」、「音楽の日」、「大学生と交流」など、さまざまなイベントを予定しています。“自分の居場所”として毎日来館する子もいれば、イベントや大会だけ参加する子もいるので、そういった子どもたちにも「子どもセンターあおぞら」ならではのイベントを提供して楽しませてあげたいですね。夏のお祭りは「滝山児童館」時代から人気だったという、お化け屋敷「スリラー館」を実施したいと考えています。イベントについても「滝山児童館」の良さを踏襲していく方針です。また、乳幼児と保護者による運動会は、東久留米市の4つの児童館合同で行っているので、参加する予定です。

様々なイベント
様々なイベント

――最後に、地域の方々へのメッセージをお願いします

阿部さん:一人でも、初めてでも、気軽に立ち寄れる環境を用意しています。子どもが遊べる場所、放課後の“居場所”作りに貢献したいと考えています。乳幼児を育てている保護者の方の中には、当館で日々の育児を休憩する場所として利用されている方もいらっしゃいますので、保護者の方の“寛ぎの場”にもしていただけたらうれしいです。月曜日から土曜日の11時30分からは、毎日10分程度の体操や読み聞かせを行っているので、興味があればそのタイミングで是非ご参加ください。繰り返し参加している内に、保護者同士のコミュニケーションも生まれる場所になっていくと思います。お気軽にお立ち寄りください。

子どもセンターあおぞら
子どもセンターあおぞら

子どもセンターあおぞら

阿部和樹さん
所在地:東久留米市前沢4-25-8
電話番号:042-471-7071
利用時間:乳幼児・小学生9:00~17:00、中高生9:00~21:00(日曜日、祝日9:00~18:00)
休館日:館内整理日(毎月、月末の平日)、年末年始
URL:http://www.city.higashikurume.lg.jp/shisetsu/kodomo/jidou/1011080.html
※この情報は2018(平成30)年4月時点のものです。