インタビュー

里山を舞台に自然とのふれあいを提供する「NPO法人くにたち農園の会」

農地の教育的価値や文化的な意味を発信し、“農が身近にある暮らし”を子どもたちに受け継ぐために活動している「NPO法人くにたち農園の会」。昔ながらの里山風景が残る国立市谷保の環境を活かし、農園地「くにたち はたけんぼ」や、子育て支援スペース「つちのこや」などを運営している。同事務局の副理事長に、活動内容や谷保の魅力について伺った。

子どもたちの遊び場としての、田んぼと畑

――「くにたち はたけんぼ」はどのような場所ですか。

小さな子からお年寄りまで、田んぼや畑を楽しみたい人が参加できる新しい形の農園です。畑と田んぼの他にも広場や土管があり、2頭のリトルホースと羊が暮らしていて、子どもたちの遊びや学びの場、地域の人々の交流の場となっています。市外の方もご利用いただけますよ。

田植え体験
田植え体験

活用法は大きく分けて3つほど。1つは田植えや草取り、収穫、脱穀など年間を通して田んぼ仕事を体験できる「田んぼ体験」です。登録制で、小学生以下のお子さんがいる家庭40組まで参加できます。2つめはイベント会場としての利用で、畑で採れた野菜を楽しむ「農園祭」をはじめ、野外保育や婚活パーティなど幅広く使われています。3つめは団体への貸農園。企業や市民サークルなどに、年間利用料60,000円で畑をお貸ししています。

リトルホースのジャックとダンディ
リトルホースのジャックとダンディ

――「森のようちえん 谷保のそらっこ」について教えてください。

月に1~2回実施している、乳幼児(0~2才)と保護者の方、妊婦さんを対象にした自然体験プロジェクトです。火曜日の10~13時に「くにたちはたけんぼ」で、芋掘りなどの収穫体験や草木染め、たき火といった野外体験を楽しめます。親子一組で1回2,000円(保険代、ミニランチ込み)です。

収穫体験
収穫体験

――「放課後クラブ ニコニコ」についても教えてください。

毎週月曜日と木曜日の14時半~17時半に活動している、小学生を対象にした放課後クラブです。「くにたち はたけんぼ」で里山の生き物や草木にふれながら、違う年齢の友だちと過ごすことで、みずから遊んで学ぶ自由な発想力をつけることを目的にしています。週1回3,000円/週2回6,000円の月会費、あるいは都度会費(1回1,000円)で利用できます。

放課後に遊ぶ小学生と、くにたち農園の会のスタッフ
放課後に遊ぶ小学生と、くにたち農園の会のスタッフ

縁側でくつろぎ、庭で遊び、食事を楽しむ古民家

――「つちのこや」はどのような場所ですか。

国立市谷保の甲州街道沿いに建つ「やぼろじ」内にある、子育て支援スペースです。「やぼろじ」は昔ながらの縁側や庭のある古民家。空き家を改築してシェアオフィス&コミュニティスペースとして使っており、母屋を親子で過ごせる場所として提供しています。

空き家となった古民家をリノベーションした建物「やぼろじ」
空き家となった古民家をリノベーションした建物「やぼろじ」

――「つちのこや」ではどのようなことができますか?

月・火・木・金曜日に食堂をやっていて、月・火は韓国料理、木・金は和食が楽しめます。小さい子がいても周りに気兼ねせず、畳の部屋でのんびり食事ができますよ。金曜日の16時半~18時半には大学生が勉強をみてくれ「つちのこ学舎」(一回500円)を開いています。

畑で採れた野菜をふんだんに使った料理
畑で採れた野菜をふんだんに使った料理

――国立市地域子育て支援拠点事業の「つちのこひろば」もオープンしたそうですね。こちらの概要を教えてください。

「やぼろじ」を拠点に今年の8月に始めて、毎週水~土曜日の10~15時に活動しています。水曜日は絵本の読み聞かせや手遊びなどを楽しむ「おやこびより」、木曜日は国立市南部にある城山公園で外遊びを楽しむ「おでかけひろば」、金曜日は畑で土と親しむ「はたけびより」、土曜日は赤ちゃんとの付き合い方や離乳食の作り方などを学ぶ「遊びと学びの日」と、曜日ごとにテーマを設けています。

イベントを楽しむ子どもたち
イベントを楽しむ子どもたち

――利用者にはどのような方が多いでしょうか。

子どもに自然とのふれあいを体験させ、のびのびと育ってほしいと考えている親御さんが多いですね。国立市内にお住まいの方が多いですが、立川市や杉並区などから来る方も少なくありません。

「やぼろじ」の庭で、葉っぱを傘にする子どもたち
「やぼろじ」の庭で、葉っぱを傘にする子どもたち

――最後に、谷保エリアの魅力をお聞かせください。

一番は田んぼや用水路、畑、古い家並みの残る風景ですね。そこに魅かれてこの場所を拠点にしました。生産性や雄大さは、地方の広大な農地にはかないません。でもこの小さな里山の、“ハケ”と呼ばれる川沿いの階段状になった河岸段丘、その下から湧き出る水、田んぼで遊ぶ子どもたち、夜になるとコウモリが飛び交う風景に、愛おしさを感じるんです。

そして、人々の温かさ。周りの人のことを気にかけて、ここにも子どもたちの相手をするために来てくださる方がいらっしゃるんです。これからも地域の人々に助けていただきながら、子育て家庭の支えになっていければと思います。

「NPO法人くにたち農園の会」副理事長のすがいさん
「NPO法人くにたち農園の会」副理事長のすがいさん

NPO法人くにたち農園の会

副理事長 すがい まゆみさん
所在地:東京都国立市谷保5011(やぼろじ内)
URL:http://hatakenbo.org/
※この情報は2018(平成30)年9月時点のものです。