多摩エリアで“うなぎ”といえば、まず先に「藤田」の名が浮かぶ。そもそもは、初代が浜名湖で捕れたうなぎを行商したことから始まるそうだ。2代目は浜名湖でうなぎの養殖業を営み、3代目は門外不出のタレを完成させるとともに、日野市多摩平で「藤田」を開業させる。現在、店を切り盛りするのはこれまでの伝統を受け継いだ4代目だ。

まずは、米について。銘柄・産地は「藤田」のうなぎに最も合うものを吟味して使用している。タレは50年以上も“継ぎ足し”を繰り返し、味わいの成熟を増した“秘伝”を冠するに相応しいもの。タレへの心配りは相当なもので、一勤一休、要するに使用日と休ませる日を交互に繰り返し、旨味をさらに凝縮させている。

肝心のうなぎについては、捌き・蒸し・焼きを最良の加減にできるよう細心の注意を払っている。個体差がある以上、全て同じようにはできない。マニュアルが存在せず、頼るものは経験しかないのだ。先代から数えて4代目の「藤田」にとって、そうした積み重ねてきた経験は何よりも大きな財産。それこそ、うなぎ好きを満足させる、見えない“タレ”とも言える。

うなぎ藤田 東京店
所在地：東京都日野市多摩平3-7-4 
電話番号：042-581-2099
営業時間：11:30～14:00、17:00～21:00　※最終入店時間20:00
定休日：木曜日、月～水曜日夜
https://unagifujita.jp/