街の人が語る、立川の魅力

生きる力を育てる「いい顔」いっぱいの伝統校、立川市立第三小学校

「立川市立第三小学校」は、「立川」駅南側から「西国立」駅にかけて広がる立川市錦町エリアにおいて、80年以上の長い歴史を持つ伝統校。子どもたちの「生きる力」の育成を目指し、学力向上の推進力となる校内研究や縦割り班活動、月間のスポーツ活動など、知・徳・体のバランスのとれた教育活動に取り組んでいる。恵まれた学習環境を活かした近くの「国営昭和記念公園」への全校遠足は、50年以上も続く伝統行事だ。赴任7年目を迎えられた校長の井上和芳先生に、同校ならでは教育内容や錦町エリアの魅力について伺った。

想い出に刻まれた創立80周年記念事業

立川市立第三小学校校長 井上和芳先生
立川市立第三小学校校長 井上和芳先生

――まずは、学校の歴史と概要についてお聞かせください。

井上先生:1937(昭和12)年に現在の第一小と第二小から分校してできた「東京府北多摩郡立川町立第二尋常小学校」が前身で、当初からかなり人数が多い学校でした。現在の児童数は昨年より約30名増えて551名で、市内全20校の中で見ても大規模な学校です。周囲にマンションが増えていることから、新1年生には新しく越されてきたご家庭のお子さんが多く、児童数の増加もそうした立地条件によるものと思っています。

校内にある「ホタル池」
校内にある「ホタル池」

――昨年は創立80周年を迎えられましたね。

井上先生:子どもたちの想い出に残るようにと、1年を通して毎月のように創立80周年記念事業を開催しました。最初の「ホタル事業」では、3年生が地域のホタル愛好会の協力で校内の池にホタルの幼虫を放し、ホタルが飛び交う6月には地域に向けて鑑賞会を開きました。7月の「世界の国からこんにちは」では、JICA研修員として市を訪問された13ヵ国の方たちが授業を見学し、子どもたちと給食を食べるなどして交流しました。子どもたちは積極的に英語で話しかけていて、大喜びで歓迎していました。

10月にはオリンピック・パラリンピック教育とも絡めて、元ソフトボール選手で金メダリストの佐藤理恵さんをお招きしました。全校児童の前でお話をしてもらい、5、6年生はソフトボールの授業をしてもらって感激していました。12月には当時の卒業生も呼んで、50周年で埋めたタイムカプセルの公開を行いました。こうした記念事業のほか、5月の運動会は記念大運動会として開催し、子どもたちが「80」の文字を作って校庭で踊るなど様々な工夫を凝らしました。年度の最後は記念式典で締めくくり、子どもたちの記憶に残る周年になったのではないでしょうか。

創立以来、校庭で子どもたちを見守ってきた赤松
創立以来、校庭で子どもたちを見守ってきた赤松

――教育目標や目指す学校像について教えてください。

井上先生:教育目標は、「よく考え実行する子」「思いやりのある子」「健康でたくましい子」と、知・徳・体のバランスがとれるような目標を立てています。目指す学校像は、「いい顔いっぱいの第三小 ―生きる力の育成―」です。朝会でも年度当初に必ず話すのですが、「いい顔」というのは、気力・体力・学力がしっかりと整った状態をいいます。つまり、生きる力がつくということであり、生きる力を育てていくことが基本的な考え方です。それには、子どもたちだけでなく、子どもたちを取り巻く職員、保護者、地域も「いい顔」であることを目標としています。

周年事業の一環として、80年も子どもたちを見守ってきた校庭の赤松を「三小だいす木」に見立て、全校児童が赤松の絵にメッセージを張り付けました。中には「先生大好き」という言葉もあり、感激しました。先生が好きというのは、学級が好き、学校が好きだということ。「いい顔」につながることです。これからも子どもたちが学校を好きになれるような学級づくり、授業力向上に取り組んでいきます。

多摩川や「国営昭和記念公園」も近い恵まれた学習環境

授業風景
授業風景

――朝の三小タイムとはどのような取り組みですか?

井上先生:授業開始前の15分間に設定している反復学習の時間です。基礎学力の育成を目標に、東京ベーシック・ドリルなどを活用し、算数・国語を中心に進めています。昨年の全国学力調査で多くの子どもたちが平均より上の点数をとるなど、子どもたちの学力が上がってきていますが、この三小タイムをはじめ、家庭学習や補修学習といった取り組みが総合的に効果を発揮していると思っています。

校庭の芝生は子どもたちにも好評
校庭の芝生は子どもたちにも好評

――校庭の芝生や地域の自然環境を活かした学習はありますか。

井上先生:7年前に校庭の一部を芝生化したところ、子どもたちは大喜び。運動会に向けて休み時間に組体操や横転の難しい技に挑戦するなど、いろいろなことに活用しています。校外学習から帰ってきた子どもたちが座って、先生の話を聞くのにもいい場所です。

自然環境といえば、学区内に多摩川があるので、2年生が生活科で川べりの草原に虫捕りに行きます。低学年の足で片道20分ほどの距離ですね。公園もたくさんあって、1年生が草摘みに出掛けます。「国営昭和記念公園」は全校遠足で活用していますが、広い草原の中で思い切り遊べるのは本校の自慢のひとつです。

全国遠足は50年以上も続く伝統行事

体育の授業風景
体育の授業風景

――全校遠足や縦割り班など学年を超えた活動が盛んだそうですね。

井上先生:縦割り班での「国営昭和記念公園」への全国遠足は、50年以上も続く本校の伝統行事です。今も全校遠足を行う学校は、めずらしいのではないでしょうか。当日は、出発式を行って20~30人の縦割り班ごとに学校を出発し、班長が引率して公園まで歩いて行きます。みんな、低学年の頃から班長になりたいと憧れて、ようやくなった班長です。公園では班で考えた遊びをして、お弁当を食べて帰ってきます。上級生は下級生の面倒をしっかりみて、遊びに使う用具やリュックを持って行ってあげ、疲れた1年生をおんぶして帰ってくる子もいます。

全校遠足は縦割り班活動の集大成で、遠足を目指して4月から縦割り班を組み人間関係を作っていきます。毎月の縦割り班活動の日には、班ごとに給食を食べて昼休みは一緒に遊びます。秋には落ち葉掃きも班で行います。日頃の積み重ねがあるから、全校遠足ではみんなが顔見知りになっているし、班長がしっかりと指示できる。そして、遠足が終わると、今度は5年生が上級生としての役割を引き継いで、3月の6年生を送る会を迎えます。

今は少子化で異学年が放課後一緒に遊ぶことが少なくなりましたが、昔は放課後の遊びを通して子どもたちは人間関係で大切ないろいろなことを学びました。縦割り班活動は、この放課後遊びに代わることを学校教育として位置づけてやっていることが特徴です。

様々な取り組みの成果、表彰
様々な取り組みの成果、表彰

――オリンピック・パラリンピック教育推進校としてはどのようなことに取り組んでいらっしゃいますか?

井上先生:本校は推進校になる前から子どもたちの体力向上に力を入れ、2年間かけて体育の授業研究に取り組んだ実績があります。授業と合わせ、一カ月間集中的に全校で行う中休みの「持久走タイム」や「縄跳びタイム」にも取り組んできました。オリ・パラ教育ではこれらの財産を活かし、授業と月間の取り組みの双方から体力作りをしています。

もうひとつの柱が、元オリンピック選手の講演と体育の授業です。昨年はソフトボール元日本代表の佐藤さんで、その前年は新体操元日本代表の秋山エリカさんをお招きしました。講演では、困難を乗り越えて栄冠を勝ち取られたというお話をしていただきます、具体的な体験談は子どもたちの胸にすとんと落ちるようで、運動が苦手な子にも得意な子にも、励みや刺激になります。それから、体育の授業をしてもらい、自分たちの体で選手の技を体験するので、子どもたちはたいへん感動します。秋山さんの授業では子どもたちが背中でボールを受け止めるコツを教わって、どの子もできるようになりました。

オリンピアンとの交流も
オリンピアンとの交流も

――そのほか、特色のある活動について教えてください。

井上先生:平成28・29年度東京都道徳教育推進拠点校として、授業を中心に校内研究に取り組んでいます。市の拠点校は小学校では本校だけです。学校の教育目標でも、今年度は特に「思いやりのある子」に重点を置き、よりよく生きようとする子の育成をテーマにしています。朝のあいさつ運動にも特色があり、縦割り班が校門で全校生徒にあいさつをしたり、三中の生徒と本校の児童がお互いの学校であいさつ運動をするなどしています。

にぎわいとやすらぎが両立した住み心地のよい街

保護者有志による図書ボランティア
保護者有志による図書ボランティア

――地域の方や保護者との連携についてお聞かせください。

井上先生:保護者有志による図書ボランティアが、図書室の飾りつけや本の整理などで子どもたちが本に親しみやすい環境を整え、夏と冬にはイベントを開いてくれます。冬のイベント「読書の旅」は、おすすめの本を紹介する部屋や、図書ボランティアや図書委員が読み聞かせをする部屋などをスタンプラリーのように回っていくというもの。私も呼ばれて読み聞かせをしています。放課後子ども教室の「さんさんクラブ」では、保護者や地域の方が見守りや受付をしてくれ、地域の方が講師の企画もあります。月1回のみという学校もありますが、本校は週3日と熱心に取り組んでいることから、都から表彰も受けました。

80周年記念事業も、家庭や地域の協力がなければできなかったことです。数百人もの方が見えたホタルの鑑賞会では、学校職員だけではとても手が足りないところを、PTAの有志が懐中電灯で来場者を誘導してくれました。家庭も地域も本当に協力的で、連携が盛んなのは非常にありがたいことです。学校も、地域の行事には職員総出で参加をしています。地域や家庭の要望を受け止めてきちんと応えていく姿勢をとりたい。それが本当の連携だと思っています。

地域の人たちによる花壇
地域の人たちによる花壇

――校長先生個人からご覧になった立川市錦町エリアはどんな地域でしょうか。

井上先生:錦町は駅から近く、とても利便性が高いエリアです。特にモノレールができて、非常に便利になりました。商店街と住宅街が混在していることが特徴で、買い物に便利な一方で、住宅街はとても静か。にぎわいも落ち着いた雰囲気も両方あって、住み心地がいい街ではないでしょうか。開発計画があるので、これからの発展も期待できます。

街のあちこちに公園があり、学校の隣には「立川市子ども未来センター」や「たましんRISURUホール」もある。子どもたちは「立川市子ども未来センター」の芝生広場でよく遊んでいます。クリニックから総合病院まで病院がたくさんあることも特徴で、安心して住める街といえるのではないでしょうか。

「立川市立第三小学校」校舎外観
「立川市立第三小学校」校舎外観

――この街に住むことを検討していらっしゃる方へメッセージをお願いします。

井上先生:市長もよくおっしゃっていますが、立川市は東京都の中心に位置し、多摩の中心でもある。これからますます発展していきますし、交通の便がよく商店街もあり、便利で楽しく安心して暮らせる街だと思います。

井上和芳校長先生
井上和芳校長先生

立川市立第三小学校

校長 井上和芳先生
所在地:東京都立川市錦町3-4-1
電話番号:042-523-4448
URL:http://www.tachikawa.ed.jp/es03/
※この情報は2017(平成29)年5月時点のものです。