調布市立調和小学校 インタビュー

自然豊かな野川に接して建つ、調布市で最も新しい「調布市立調和小学校」

調布市の南西部、狛江市との境界となっている野川に接して建つ「調布市立調和小学校」は、近隣にあった2つの小学校が合併して、1998(平成10)年に誕生した調布市内で最も新しい小学校。民間の活力を利用した学校管理、空き時間の学校施設の外部利用、市立施設と一体化した建物など、数々の新しい取り組みや構造も見られる。今回は「調布市立調和小学校」の特徴と地域の魅力について、校長の井上潔先生にお話を聞いた。

「PFI事業」による学校運営

校長の井上先生
校長の井上先生

――まずは、学校の設立経緯などについて教えてください。

井上校長:本校は1998(平成10)年に、「野川小学校」と「大町小学校」が統合される形で生まれた小学校です。児童数については、現在増加傾向にあります。現在では、普通学級だけで約670名となっておりまして、市内では大きなほうの小学校です。一番の特徴は、「PFI事業」(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ=民間資金等活用事業)という形で管理されていることにあります。

通常、小学校は自治体の教育委員会が管理していますが、本校は「PFI法」という法律にもとづいて、PFI団体である「調和SHC倶楽部」によって管理されています。そのような形で民間が入っているのは、調布市で本校だけです。体育館や温水プールについては、授業等で使っていない時間帯については、地域の方々に開放し、有料でいろいろな団体や個人の方にご利用いただいています。また、小学校の図書館とは別に市立図書館の分館があり、小学校と同じ建物の中に入っています。これらの管理についても、すべて「調和SHC倶楽部」が一括して行っています。

調和小学校外観
調和小学校外観

――先生は、去年の春に着任されたとお聞きしました。1年が経って、学校の印象はいかがですか?

井上校長:「素直で元気な子どもたちが多いな」という印象です。神代団地の中にある「すりばち公園」に行って遊んでいる子は多いですね。そして学習についても、非常に水準が高いです。地域の行事にも積極的に参加する子が多いですね。

それから、地域の方が非常に学校に対して協力的ですね。たとえば、学校農園についても、地域の方が中心になって指導をしてくださっていますし、地区協(ちょうわ地区協議会)さんや、健全育成(健全育成推進調和地区委員会)さんなど、いろんな方々が関わって、いろんな行事を作ってださっています。

そのほかにも、保護者の団体である「調和小わんぱくおやじ倶楽部」が主催する、夜中に10キロ歩くイベントなども、ずっと前から伝統になっている行事ですし、他にも、子ども会が主催のもの、PTAが主催のもの、「調和SHC倶楽部」が行っている地域運動会など、とにかく、地域行事がすごく盛んなところですね。

「素直な子が多い」という印象
「素直な子が多い」という印象

――学校の教育目標、目指す児童の像などについて教えてください。

井上校長:本校では「豊かな心のハーモニーを奏でる学校」という大きな教育目標の下に、「心もからだも健康な子」「よく考え、学びあう子」「力をあわせてやりぬく子」という3つの言葉を掲げています。また、身近なところでいうと、「あいさつができる子」になってほしいと思っています。どこの学校でもそうかとは思いますが、あいさつを本当に良くする子もいれば、小さな声の子もいるんです。多分、心に何かがある子は、小さな声だったりするのでしょう。私は元気なあいさつは、生活の基本であると思っていますから、そこをまず、しっかりできる子になってほしいですし、そうできるように、私も頑張っています。

体育館
体育館

――この1年で特に力を入れたこと、今後さらに力を入れていきたいことなどありますか?

井上校長:本校は授業の改善についても積極的な学校でして、今年度は算数について、ペア学習などを通して、問題解決学習を重点的に研究してきました。今後については、この形を他の教科にも広げていきまして、国語や社会の授業の中でも、自分が考えていることをしっかり説明できるような、理解を深める学習を進めていきたいと思っています。

また、来年度からは体育を中心にした研究も行っていきたいと考えています。ただ体力を付けるのではなく、「運動が好きな子」を育てていきたいですね。人間関係についても、体育を通して、育てていければ良いと考えています。

様々な特徴的な取り組みで子どもを育てる

児童が使う学校図書館
児童が使う学校図書館

――その他にも、カリキュラムなど学習・指導面で特徴的な点があれば教えてください。

井上校長:縦割りの活動についても、最近はさらに充実させています。たとえば今までは、40人近いグループで異年齢交流をしていたのですが、最近はこれを半分にしまして、1グループを20人ほどに減らしました。少人数にすることで、高学年のリーダーシップをもっと発揮できるようにしよう、という試みです。

また、1年生が入学する時に、「適応指導」というものを行っているのも、この学校の特徴だと思います。普通の学校の場合、1年生として入った時点でクラスが決まっていますけれども、本校では子どもたちの様子を1週間くらい見てから、クラス分けをしています。

――毎朝、先生が教室に先に入って、子どもたちを待っているそうですね。

井上校長:毎朝、子どもたちを教室で待つことで、子どもたちの今日の様子がよく分かるんですよ。機嫌が良い子も悪い子もいるし、家でうまくやっていなくて、「今日は泣いてきたな」なんて子も、登校すぐであれば分かりやすいんですね。そういった様子を毎日見ることで、子どもたちのケアにつなげていければと考えています。

教室の前の広いオープンスペース
教室の前の広いオープンスペース

――教室の前には広いオープンスペースが設けられていますね。このスペースはどのように活用されているのでしょうか?

井上校長:普通の学校では、学年集会などは教室から移動して行うかと思いますが、本校ではオープンスペースを使って学年集会も行っていますし、普段の休み時間の中でも、本を読んだり、友達同士で話をしたりと、いろいろな利用をしています。授業は基本的に教室内でやっていますが、たとえば学習発表会の練習などの時には、オープンスペースまで広く使うこともあります。ちょっとしたホールのような感覚ですね。

――年間行事について、特徴的なものを教えてください。

井上校長:大きな行事としては運動会、学習発表会、移動教室あたりでしょうか。運動会については、特に変わった部分はありませんが、毎年沢山の保護者の方がお越しになります。

学習発表会については、学年ごとにいろんなテーマを持って取り組んでいきまして、2016(平成28)年度は1年生が合奏合唱と舞台発表、2年生がペープサートや紙芝居、3年生が合奏と合唱、4年生は調べたことについてのポスターセッション、5年生はパワーポイントを使った発表をやりました。6年生は毎年恒例で、「ぶち合わせ太鼓」の演奏を披露するのが、本校の伝統になっています。

毎朝、先生が教室で待っている
毎朝、先生が教室で待っている

――6年生の移動教室では臨海学校に行くそうですね。どのような活動をするのでしょうか?

井上校長:これは調布市の小学校で共通なのですが、千葉県の岩井海岸に滞在して、水泳を中心に活動しています。遠泳ではなく、波乗りをしたり、浜辺に近い範囲で泳いだりという程度です。泳力別に班に分かれて、安全を見ながら活動を行っています。

また、5年生の移動教室については、調布市の「八ヶ岳の少年自然の家」に行きまして、ハイキングをしたり、ほうとうを打ったり、ということをしています。

野川の潤いを感じる穏やかな環境

野川
野川

――最後に、この地域の魅力について教えてください。

井上校長:学校のすぐそこには野川が流れていますが、この川は水も緑も美しい川でして、そこがひとつ、地域の魅力ではないかと思います。利便性の面でも、この学校の建物以外にも、大町の施設(市民大町スポーツ施設)が近くにありますし、駅も「柴崎」駅、「つつじヶ丘」駅と、歩いて行ける程度のほどよい距離にありますから、とても便利かと思います。

また、地域の方々も本当に温かいですし、保護者の方も学校に協力的ですし、本校の教員も一生懸命、子どもたちの指導のために毎日頑張ってくれています。子育て世代の方にとっては、住みやすい地域と言えると思います。

校長 井上潔先生
校長 井上潔先生

調布市立調和小学校

校長 井上 潔 先生
所在地:東京都調布市西つつじヶ丘4-22-6
TEL:042-485-4818
URL:http://www.chofu-schools.jp/chowa-sho/
※この情報は2017(平成29)年4月時点のものです。