学校と地域・保護者の信頼関係が教育の要

小・中一貫教育で、落ち着いた子どもを育む東台小学校

三鷹市の南東エリアにあたる学区を受け持つ「鷹南学園 三鷹市立東台小学校」。児童数約400名余りのこの小学校は、北隣にある「中原小学校」と、「第五中学校」とともに、「鷹南学園」として小・中一貫の教育や地域住民が学校経営に参加する「コミュニティ・スクール」などの先進的な取り組みを行っている。

今回は、この東台小学校の校長である内藤和巳先生を訪ね、学校の歴史や特色、一貫教育の取り組みや成果、地域の魅力などについてお話を聞いた。

鷹南学園 三鷹市立東台小学校
鷹南学園 三鷹市立東台小学校

――まず、学校の歴史について教えてください。

本校は1973(昭和48)年、隣の中原小学校から分かれて誕生した学校です。今年で開校45周年になり、現在は全校児童が約430名ほどになります。三鷹市はすべての中学校区で「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育」を行っている、全国的にも非常に珍しい自治体ですので、本校にとってもそこが大きな特色になります。要するに地域とともに「幼・保・小・中を一貫して教育する」という考え方でして、三鷹市では特に、小学校と中学校については、一つの「学園」ということで運営をしています。

――東台小学校の教育目標について教えてください

鷹南学園 三鷹市立東台小学校
鷹南学園 三鷹市立東台小学校

「人間力と社会力を育てる」という市が掲げるテーマに沿って、「自分で自分を伸ばす」「みんなが楽しい生活を築く」という言葉を目標に掲げています。

――三鷹市独自の「施設分離型小・中一貫教育」の利点とは何でしょうか?

鷹南学園 三鷹市立東台小学校
鷹南学園 三鷹市立東台小学校

小・中一貫が始まってから本校の学区では劇的に中学校の雰囲気が非常に落ち着いてきたように思います。その理由としては、やはり中学に進むときの「ギャップ」が無くなったからではないでしょうか。小学校の時点で中学生といろいろな交流をもち、中学生の姿を見て育ちますのですっと中学校生活に馴染んでいけるんですね。それが結果として「落ち着き」につながっているんだと思います。

――小・中一貫教育に関して、具体的にどのような実践をされ、どのようなメリットをお感じですか?

近隣の幼稚園や保育園との交流
近隣の幼稚園や保育園との交流

一つの柱になっているのは、教職員の交流と連携です。たとえば「乗り入れ」といって小学校の教員が中学校に行ったり、逆に小学校に来たり、というような取り組みなどもしています。三鷹市は独自の政策として、乗り入れに出かけている間の代わりを補うための臨時教師を雇っていますので、先生方の不安や負担を減らし、継続的に取り組みを続けることができています。

この成果は三鷹市の中学校の不登校の出現率に確実に出ていると思います。三鷹市のここ数年の不登校の出現率は東京都全体平均値の10分の1程度です。これはやはり、子どもたちが安心して、不安のない状態で中学校に進んでいるということの表れだと思います。

――小・中連携の取り組みの一つである「ペア学年交流」について詳しく教えてください。

ペア学年交流の様子
ペア学年交流の様子

ペア学年交流というのは中1と小2、中2と小3、中3と小4といった組み合わせで、年に1回だけですが、授業に入ってもらったり、一緒に長なわを回してもらったりという形で交流しているものです。

下の子は小1から小4まで、上の子は小5から中3まで、同じペアの学年でお付き合いをしますから、上の学年の子は下の子の育ちがよくわかるし、下の子は「こうやって大人になっていくんだな」という見通しがもてるようになります。それは自己肯定感や安心にもつながりますので。兄弟が少ない今という時代に非常に良い経験になるわけです。

――幼稚園、保育園とはどんな交流・連携をされていますか?

ペア学年交流の様子
ペア学年交流の様子

幼稚園、保育園の子については、本校に来て学校体験をしたり、一緒に給食を食べたりといった交流をしています。1年生の子でも下の子のお世話をすると幼かった自分の気持ちが育ちますし、幼稚園、保育園の子どもたちについても、小学校に対する不安が緩和されますから、小・中連携と同じような良い影響が出ていると思います。

――地域の人々とともに学校経営をする「コミュニティ・スクール」について、どのようなメリットをお感じでしょうか?

青少対主催イベントの様子
青少対主催イベントの様子

コミュニティ・スクールは、地域の方が参加する「学校運営協議会」というものを作って、経営方針についてもすべて一緒に検討していくものです。

学校をオープンにすると、近隣の学校とも情報を共有、連携できますし、地域や保護者の方にも支えていただくことができますから、結果として非常に安定します。もちろん、学校の対応に対し、地域の方から苦言を言われることもありますから、互いに良い緊張感をもちながら信頼して関わっている、という構図です。こういった点がコミュニティ・スクールの大きなメリットだと感じています。

――地域の方との交流について教えてください。

郷土資料室
郷土資料室

ひとつは、5年生がやっている米作りでしょうか。本校は近くにある学校農園で陸稲(おかぼ)を、丸池農園では水稲をやっていまして、この指導に地域の方に入っていただいています。

他には福祉に関する交流も多いですね。3年生では地域の老人ホームに行ったり、4年生では地域の視覚障害の方との交流をする中で、点字を学ぶ機会があります。また、社会の学習の中で、農家の方に昔の仕事について教わったり、学校内にある郷土資料室に地域の方に来てもらって、昔の暮らしについてお話を聞くということもしています。

学校農園で陸稲を植える子どもたち
学校農園で陸稲を植える子どもたち

こうした地域の方との交流は、子どもたちにとって自分が地域の中でどうやって過ごしていくのかという見通しをもつきっかけになっていると思います。

――校長先生から見て、東台小にはどんな子どもたちが多い印象ですか?

鷹南学園 三鷹市立東台小学校
鷹南学園 三鷹市立東台小学校

やはり明るくて素直な子が多いです。教員の言葉をきちんと受け止めてくれる子が多いというのは、おそらく家庭が落ち着いているという背景があるのでしょう。おうちの方がお子さんを大事に育ててくれていて、学校へ送り出してくれるので、子どもたちも学校や教員を信頼して、安心して通っているのだと思います。

――最後に、仙川エリアの魅力について教えてください。

本校の学区は公園や緑が多く、川沿いではカワセミなども見られるのでとても自然が豊かで、美しい地域だと思います。街についても、仙川とつつじヶ丘の駅までは徒歩で行ける範囲ですし、バス1本で吉祥寺や三鷹にも出られます。中央線と京王線の両方を活用できて、とても便利な場所だと思います。仙川は大きな街ではありませんが、にぎやかで品のあるいい街ですよね。

それから地域の方がいいんですよ。自分たちの地域に愛着をもっていて、子どもたちを本当に温かな目で見守ってくだっています。その影響か、治安の面でも安心感があると思います。あとは、うちの学校ですね。最近は特にすごく優秀な教員に恵まれていて、チームワークもいいんです。何か問題が起きたときでも、「チーム東台」が一丸となって、その日のうちにすべて解決してしまうような、素晴らしい教員が沢山いる学校です。ですので小学生のお子さんがいる方も、ぜひ安心して引っ越してきてください。

 
青少対主催イベントのようす
青少対主催イベントのようす

鷹南学園 三鷹市立東台小学校
校長 内藤和巳先生

所在地:東京都三鷹市中原2-17-37
電話番号:0422-47-7457
URL:http://www.mitaka-schools.jp/higashidai-es/index.html
※この情報は2017(平成29)年7月時点のものです。