仲間づくりは、街づくり。 現役ママが発信する子育て情報サイト「しなっこねっと」

行政、NPO、親子サークルなどによる子育て支援の取り組みが活発に行われている品川区。そんな品川区の子育て情報をまとめて届けようという情報サイトが、現役ママたちでつくる「しなっこねっと」だ。ママならではの目線を生かし、幼稚園の口コミ紹介からイベント開催までを手掛け、子育てママたちがつながるきっかけを提供して支持を広げている。「ママ同士のつながりを作ることで街づくりをしたい」という想いをもって活動する代表の本道さんに、「しなっこねっと」が生まれた経緯や活動内容、品川の子育て環境などを伺った。

「しなっこねっと」
「しなっこねっと」

ママだからこそ発信できる情報サイトをつくりたい

――まずは「しなっこねっと」の概要をお教えください

本道さん:品川区には子育て情報だけを集めたサイトがなく、区のホームページでは、NPOやママサークルといった、お母さんたちが本当にほしがっている情報をなかなか提供しきれていないところがありました。そこで、現役ママの目線で、区のホームページに掲載されていないような情報をまとめて発信しようとスタートしたのが「しなっこねっと」です。今は一時預かりや幼稚園情報、口コミの発信をメインに、幼稚園座談会などお母さんたちがリアルにつながれる活動もしています。

現役ママたちが品川の子育て情報を発信中
現役ママたちが品川の子育て情報を発信中

――立ち上げに至った経緯をお教えください

本道さん:「しなっこねっと」のメンバーは、品川区が毎年一度開催している区の子育て情報を集めた見本市「品川子育てメッセ」の実行委員会OGなんです。一緒に活動していくうちに、年1回のつながりだけではもったいないし、1日だけでは伝えきれない品川の情報や魅力を継続して発信していきたいという想いを共有するようになりました。それに、区のホームページに載らないような情報こそ、お母さんたちは必要としており子育ての手助けになるということを、メンバーたち自身も子育てをしてきた立場上よく分かっていました。

そういった情報は当事者であるママ目線でないと発信できない、それなら自分たちが思い切ってやってみようという想いが一致して、「しなっこねっと」を始めました。子育ての途中で品川区に引っ越してきたママたちは子育て情報を手に入れにくいし、児童館に足を運ぶ手前で家に引きこもっているママたちなどにも子どもと一緒に出掛けるきっかけ作りをしたい、という想いもありました。

プレーパークの様子
プレーパークの様子

私は「品川区にプレーパークをつくる会」の代表もしていますが、地域の活動を通してお母さんたちとつながっていくと、自然と地域の子育て情報に詳しくなります。周囲のママから情報を知りたいという声をたくさん聞いて、それを届けたいという気持ちが強くなったことも、一歩踏み出そうという気持ちを後押ししました。

――どういった方たちがどのように参加されていますか?

本道さん:メンバーは現在7人ほどで活動しています。現役の乳幼児のママたちで始めました。私は演劇関係の仕事をしていましたが、小学校の先生やSE、元NGO職員など、いろいろな人が参加しています。ボランティアなので、みんなが自分の強みを生かして、無理のない形で運営しています。

インタビューに答えてくださった代表 本道さん
インタビューに答えてくださった代表 本道さん

――発信する情報はどうやって収集してサイトを運営していますか?

本道さん:メンバーが手分けをして、ホームページの情報や口コミを集めています。ある情報がほしいとなったら、人のつてで詳しい人に聞いてみたり、区の制度については区役所に取材に行くこともあります。ママ目線で「これってどうなの?」と思った疑問を、紐解いていくという感じです。フェイスブックもやっており、そちらには最新情報がどんどんアップされています。

先輩ママから生の声が聞ける幼稚園座談会

――「しなっこねっと」と他の子育て支援団体とでコラボする企画もあるのでしょうか?

本道さん:ママ向け講座を開いている「ママかつ」さんや、区の委託でしながわ子育てガイドの編集・発行をしている「SKIP」さんといった団体と、幼稚園情報の座談会を開くなどしています。メンバーにはいろいろな団体に所属しているママが多くて、私も「しなっこねっと」や「品川区にプレーパークをつくる会」のほか、外遊びに関わってきた経験を生かして、この5月に「しながわ区民公園」内にオープンした「しながわこども冒険ひろば」のスタッフに加わっています。これは、乳幼児のお母さんたちが初めて外遊びするのをサポートする会です。メンバーはいろいろな活動をしているからこそ、お母さんたちの悩みや要望が見えてくる。そうした声に応えて、ハブみたいにお母さんたちがつながっていくきっかけづくりを目指していきたいですね。

先輩ママを交えた「幼稚園選び座談会 」の様子。同室に子どもの預かりスペースも用意。
先輩ママを交えた「幼稚園選び座談会 」の様子。同室に子どもの預かりスペースも用意。

――利用者さんの声から、「しなっこねっと」をやっていてよかったと感じるのはどんな時ですか?

本道さん:幼稚園座談会は「参加してよかった」という声をよくいただきます。先輩ママから、「こういう準備をすればいいよ」とか、「そんなことは気にしなくて大丈夫」といった、不安を解消するような声を聞けるのがすごくよかったと。地域のちょっと先輩のママ、しかも複数の幼稚園のママから話を聞ける機会はなかなか貴重ですが、そういうリアルな声こそママたちのほしい情報なので、座談会への感謝の声が大きいです。
個人的にはそれまで全く縁がなかったママたちと知り合えたり、つながりが増えていくことへの喜びが大きいです。つながりの編み目が細かくなると、自分の子育てもしやすくなります。手が離せない時でも誰かが子どもの面倒を見ていてくれたり、保育士のお母さんに育児相談ができたり。子育て中の不安を「大丈夫だよ」と言ってくれる相手は多いほどいいですよね。

応援してくれる仲間がたくさんいる子育てしやすい街

――品川区で子育てをして感じられたことをお教えください。

本道さん:私は広島出身で、結婚を機に品川区へ引っ越してきました。地方と比べると緑が少ないことや園庭が狭いなど、「子どもはのびのびと育てたい」という自分の気持ちとのギャップに悩むこともありましたが、現在は外遊びが自由にできる「北浜こども冒険ひろば」のようなところへ子どもを連れて行ったり、自分で外遊びの会を立ち上げたりしています。

プレイパークでのひとこま。都心でものびのび子育てできる環境を自分たちの手でつくっている。
プレイパークでのひとこま。都心でものびのび子育てできる環境を自分たちの手でつくっている。

自分がこういう想いがあってこんな新しいことをしたいとなった時に、応援してくれる仲間がたくさんいて、お母さんたちのフットワークが軽いことは、都会ならではだなと感じます。「やってみたらいいよ」とか、「そういう考え方もあるよね」といった風に、多様性を受け入れてくれるところが住みやすいですね。

メンバーの稲垣さんと。活動を通して広がるママたちの活動の輪。
メンバーの稲垣さんと。活動を通して広がるママたちの活動の輪。

――最後に「しなっこねっと」メンバーの稲垣さんも来てくださいました。品川区の子育て環境の魅力と課題、これから目指すことなどをお教えください。

稲垣さん:認証保育園の補助金が手厚く、認可外保育園の補助金も出るようになったので、保育園は入りやすいと思います。また、「北浜こども冒険ひろば」を運営している「NPO法人ふれあいの家-おばちゃんち」のように、困った時に手を差し伸べてくれる人が多いなと感じます。これは品川区だけではないと思いますが、今はみんなサービス慣れしてしまっていて、誰かが何かをしてくれるのを待っている人が多い。でも、やっぱり、自分で活動をしていった方が、地域につながりもできるし、子育ての仲間もできます。つながりや仲間ができれば、地域全体が温かくなって、子どもにとっても大人にとっても温かい街づくりができるはず。「しなっこねっと」としても、もっと活動の幅を広げて、みんなが地域に関わる仕組みづくり、敷居が低い街づくりができたらいいなと思っています。

子育て情報サイト「しなっこねっと」
子育て情報サイト「しなっこねっと」

しなっこねっと

代表 本道良子さん
URL:https://shinacco.net/
facebook:https://ja-jp.facebook.com/shinacco/
※この情報は2017(平成29)年7月時点のものです。