江東区立第六砂町小学校 加瀬校長先生 インタビュー

俳句と芝生と魅力的な先生たち
少人数でのびのびと学ぶ「第六砂町小学校」の魅力に迫る!

仙台堀川の北側に、広々とした芝生の校庭を抱えて建つ「第六砂町小学校」。明るく広く、清潔感があふれた校舎には、毎日楽しそうな声があふれている。「こんなにきれいな学校が維持できているのは、保護者や地域の皆様の深い理解と協力があってこそです。」と話す加瀬幸司校長は、2017(平成29)年4月にこちらに着任した若々しさあふれる校長先生。民間企業での研修経験を活かし、昨年からは「六砂小の営業活動」を大々的に展開し、学校の広報活動に精力的に取り組んでいる。今回はその加瀬校長先生に、六砂小のとっておきの魅力をお聞きした。

加瀬幸司校長先生
加瀬幸司校長先生

――まず、学校の沿革と概要について教えてください。

加瀬校長:本校は今年で開校63年を迎えておりまして、10クラスで235人、江東区の中では小規模校になります。本校は2年生、3年生は1クラスで、ここ数年は新入生が1クラスの状態が続いていたのですが、今年度については新1年生が2クラスとなり、児童の数が少し増えました。
というのも、実は昨年、小学校の魅力を各所に全力で「営業」したのです。私は昨年の春からこの学校に赴任したのですが、その時感じたのが「せっかくいろいろな魅力がある学校なのに、それをアピールできていなのはもったいない」ということだったんですね。そこで1年間、営業活動に相当な時間を費やしまして、なんとか今年度は2クラスになったというところです。幼稚園にも保育園にも、銀行にも、郵便局にも、マンションにも、時には私立の幼稚園にまでポスターを貼らせていただいたんですよ。

授業風景
授業風景

――では「第六砂町小学校」の魅力をぜひ教えてください!

加瀬校長:まずひとつは、「芝生の校庭」ですね。暑い日も照り返しが少なく、転んでも怪我をする危険が少ないです。それに寝っ転がることもできるので、休み時間の後の子どもたちの様子は私が経験した今までの学校と比べてもまったく違い、とても心が穏やかで開放的になっているなと感じます。都内でもこれだけ校庭の真ん中に広く整備された芝生があるという学校は少ないと思います。
ただ、芝生以上に魅力的なのは、「教員」だと思っています。本校の教員はみんな素晴らしい授業をしてくれていまして、子どもたちも落ち着いて生活ができています。「学校が楽しい」という雰囲気が学校中にあるので、その雰囲気の良さも児童数の増加につながった理由のひとつだと思っています。

青々とした芝生が気持ちいい校庭
青々とした芝生が気持ちいい校庭

――教育目標や、特徴的な教育活動などについて教えてください。

加瀬校長:本校の教育目標は「6年生があこがれの存在である学校」です。年下の子どもたちの目標になるような素晴らしい生活態度と学習意欲をもった6年生に成長してほしいと思っております。また、その6年生を職員全員で支え、さらにその職員たちを校長と副校長で支えていけるよう、日々取り組んでいます。
また、本校では「いじめ」は絶対に許しません。いじめは起こることを前提に、例えば悩みを相談できる「相談カード」を全児童が常に筆箱に入れるなど、初期に発見し、対処できるような仕組み作りを進めています。また、6年生は休み時間や教室移動の時などに年下の児童に毎日声をかけ、子ども達の変化をすぐに報告してくれます。子どもたちが子どもたちを守る体制ができていると強く感じますね。

子どもたちがつくった俳句
子どもたちがつくった俳句

加瀬校長:本校の特徴的な活動としては、なんといっても「俳句」ですね。江東区は松尾芭蕉のゆかりの地ということもあり、区全体で俳句教育に力を入れています。その中でも本校は、2か月に1回、俳句専門の講師の方をお招きして授業をして頂いていますし、年間を通して、掲示物として俳句を児童の見えるところに掲示しています。俳句というのは、「物事を精査して切り取る」というところが非常に良く、子どもたちの語彙力も上がりますし、言葉選びのセンスが良くなると思うんですね。子どもたちの情操面でも、学力面でも、非常に良い刺激になっていると思います。

ほかには、子どもたちの体力向上のために毎朝行っている「朝体育」。本校では、登校してからすぐに校庭で自由遊びができるので、その後の5分で「朝体育」をしています。毎日運動に親しむ機会を生活に組み込む作戦です。今年から実施しているのですが、副産物として昨年までは遅刻する児童が毎日10人以上はいたのですが、今年はほとんどいなくなりました。

学校案内の資料
学校案内の資料

ほかにも、毎日お昼が終わった後、5時間目の初めの10分間に「六砂タイム」という時間を設けて、10分間集中して計算だけのプリント学習をしています。こちらは今年から始めたものですが、集中して5時限目をスタートできるという効果も感じていますし、全部で100以上のプリントがありますから、子どもたちもクリアするのを楽しみながら取り組んでいます。 また、一風変わったところでは、本校は「語先後礼」を徹底しています。これは「言葉を先に言ってから、後でお辞儀をする」といういわゆる分離礼です。これを日常的に実践して、ぜひ身に付けてもらいたいなと思っています。

――地域の人々や周辺の学校、幼稚園・保育園との関わりについて教えてください。

加瀬校長:まず幼稚園・保育園については、学校公開の時に見に来てもらったり、運動会の場所として校庭を提供したり、凧揚げやかけっこなどの遊びをしたい時に校庭を開放したりと、よく活用してもらっています。授業の中でも、1年生の生活科の授業で今度入ってくる子どもたちに対して、一緒に学校探検をしたりということをしています。

保護者や地域の方も舞台に登場する「音楽会」
保護者や地域の方も舞台に登場する「音楽会」

また、町内会の方や地域のおじいちゃん、おばあちゃんに来て頂いて、北砂エリアの歴史をお話頂いたり、昔あそびを楽しむ機会もあります。また、本校の隣には「北砂ホーム」という老人介護施設がありますので、そちらに行って本を読んだり、歌を歌ったりという交流もしています。ほかにも学校の音楽会では、来てくださったお客さんをランダムにステージにお呼びして、簡単な楽器を演奏して頂いたり、運動会では卒業生や来賓の方々にも競技に参加して頂いたりしています。さらに今年から「第六スナロチカ」というフォークダンスを初めて実施し、こちらも地域の方々やそのほか沢山の方にご参加頂きました。

会場に集まったすべての人と芝生でフォークダンス
会場に集まったすべての人と芝生でフォークダンス

――日々子どもたちとふれあう中で、先生方が大切にしていることを教えてください。

加瀬校長:やはり、「学校が楽しい」という気持ちになれるクラスを作ることですね。そのためには「子どもと遊ぶ」ということが大事ですので、教員にはいつもそのように話しています。子どもと一緒に遊んで、子どもと教員との間に仲間意識ができれば、そこから信頼関係が生まれてくると思うのです。そして信頼関係ができれば、そのクラスは「先生についていけるクラス」になり、それが「学校が楽しい」ということにもつながっていくのではないかなと思っています。楽しい学校では学習にも前向きになりますし、いじめも起きにくくなります。

――では、六砂小の先生同士の連携についてはいかがでしょうか。

加瀬校長:良い組織には、個人の主体性が必要だと思っております。そのためには、職員同士が何でも話しやすく、課題に対する改善策についても意見を出しやすいような環境にしたいと思っております。ですから、職員には私のことを「校長」ではなく、「加瀬さん」と呼んでもらっています。そうすることで自然と職員同士の距離も縮まりますし、意見を言いやすい空気が生まれます。そのおかげで、今年の運動会では活発な意見交換ができ、新しい企画にも、いくつもの課題を解決・改善し、子ども達も保護者も地域の皆様も、一体感や「全員が全員にあたたかい六砂小」を感じる行事となり、大成功させることができました。
この運動会を通して、先生達のチームに貢献する力に、保護者や地域の皆様だけでなく、私もとても感動しました。

授業風景
授業風景

――学校生活を通じて、どんな子どもたちに育っていってほしいと思われますか。

加瀬校長:自立できて、社会に貢献できる、「自立貢献の子どもたち」を目指したいと思っています。それに尽きますね。自分だけが幸せならいいという考え方では、世界は変わりません。社会に貢献して始めて自分が幸せになれることを知ってほしいと思います。

――加瀬先生が教員を目指されたきっかけは何でしたか?

加瀬校長:「平和な社会」を作りたかったのです。自分が学生だった時代は、社会でいろいろな凄惨な事件が起きていました。「世の中を変えるには政治では無理だ。やはり教育だ。」と思ったのです。その中でも、特に子どもたちの心の成長に携われる小学校の教員を目指そうと思いました。専門は理科です。「理科は地球を救う」と思っているので。エネルギー問題が解決すれば、きっと戦争は起きないと思うのです。また、花や星の美しさを本当に知っていたら環境を守れる大人になれると考えています。

加瀬校長先生
加瀬校長先生

――今後、学校経営の中で力を入れていきたいことは何でしょうか。

加瀬校長:「子どもが作る学校」という形にしていきたいですね。今でも、たとえば運動会の開会式や閉会式の司会を子どもに任せてみたり、子どもができることはどんどんやってもらっているんですが、今後はそれをもっと進めていきたいです。主体的に判断して、行動し、振り返るという、いわゆる「PDCAサイクル」が子どもたち自身で回せるような学校にしていきたいです。
また、先生達の働き方改革も加速していきたいです。江東区では10月をさかいに前期・後期の二期制を取り入れています。この制度は、子どもたちや先生方の心のゆとりにもつながっているのではないかと思います。江東区の応援を受けながら、子どもも保護者も地域の皆様も、そして教職員も笑顔で過ごせる学校にしていきます。

少人数クラスで、きめ細かな授業を
少人数クラスで、きめ細かな授業を

――最後に、学校周辺の街の魅力について教えてください。

加瀬校長:学区域内については、まず「非常に安全である」ということですね。危険な交差点などがなく、地域におじいちゃん、おばあちゃんが多いので、日常的に人通りが多いのです。そのような見守りの目がいつもあるので、とても安心な地域だと思っています。
保護者の方についても、本当に優しい方、前向きで明るい方、学校に協力的な方が多く、学校としても非常に助かっています。そのような保護者のもとで子どもたちが育っていますから、素直で明るい子ばかりですね。自分の教員生活始まって以来、こんなに安心して新しいことに挑戦できる学校は初めてですね。本当に地域に支えられている学校だと感じます。

第六砂町小学校 加瀬校長
第六砂町小学校 加瀬校長

江東区立第六砂町小学校

校長 加瀬幸司先生
所在地 :東京都江東区北砂6-26-6
電話番号:03-3646-4462
URL:http://6suna-sho.koto.ed.jp/
※この情報は2018(平成30)年6月時点のものです。