インタビュー

“子育てしやすい街づくり”をめざし、子育て中の家族と地域を結ぶ「すぎなみ子育てひろばchouchou(シュシュ)」

2002(平成14)年に、子育て中の親子が気軽に集まれる場としてボランティアからスタートした「すぎなみ子育てひろばchouchou(シュシュ)」。一軒家をリフォームした建物で、子育てファミリーをサポートするさまざまな事業を展開し、2007(平成19)年にはNPO法人化、一時保育や「つどいの広場」など子育てをしやすい地域づくりに貢献してきた。今回は、副理事長の稲葉文子さんに開設の経緯や、事業についてお話を伺った。

子育てで不安を抱えるお母さんを笑顔にしたい

「すぎなみ子育てひろばchouchou(シュシュ)」
「すぎなみ子育てひろばchouchou(シュシュ)」

――「子育てひろば」を開設した経緯を教えていただけますか

稲葉さん:開設当初は、働きながら子育てをする人より、専業で子育てをする人が多かったのです。家で子育てをしているお母さんたちには共通して「煮詰まってしまう」という悩みがありました。社会との接点がないために、子育てに対する不安感が高まってしまうんですね。そういった経験がある人が集まると、次の子育て世代のお母さんたちを支援したいね、という話になりました。

そこで、親子が気軽に集まって話せる場所として、子育てファミリーを対象にした「きずなサロン」を始めました。その後、杉並区が子育て支援策に力を入れ始め、「子育て応援券」という制度ができたのにあわせて、乳幼児の一時預かりをする「ひととき保育」と、親子の集いである「つどいの広場」を補助金事業として始めました。それから今年で11年目となります。普通の民家を使うことで友達の家に遊びにきたようなくつろげる場所づくりを心がけています。

お昼寝の時間
お昼寝の時間

――施設のそれぞれのお部屋や用途について教えてください。

稲葉さん:もともと二世帯住宅だった一軒家をリフォームしています。1階に「シュシュ保育室」と「ひととき保育」の部屋がそれぞれ別にあって、「シュシュ保育室」の中には、給食用のキッチンもあります。お庭もあるので、そちらで遊ぶこともできますよ。2階には「つどいのひろば」のお部屋があります。民家なので公共施設と違って天井が低く、逆にそれが来た人がほっとできるような空間を作り出しているようで、そういう声を利用者から頂いたことがあります。

「保育園に入れるかな…」お母さんたちの不安の声をうけて

たくさんの親子連れが集まりにぎやか
たくさんの親子連れが集まりにぎやか

――事業の概要について教えていただけますか

稲葉さん:「ひととき保育」と「つどいの広場」の2つがメインの事業です。「ひととき保育」は乳幼児を対象とした、理由を問わない一時預かりです。予約制で、9時から17時までの間、定員に空きがあれば時間の制限なくご利用いただけます。定員は6名で、3名の保育士で見ています。利用の目的はさまざまですが、お母さん自身が友達とおでかけしたりリフレッシュしたりという理由が1番多いですね。兄弟の学校行事に参加するために預けられる方もいらっしゃいます。

次に「つどいの広場」は、私たちの原点となる事業で、親御さんにとっては子育てに関する情報交換、子どもたちにとっては友達をつくる場にもなっています。常駐する私たちスタッフ一番の役割は、”つなぐ”ことです。お母さん同士、子ども同士、親子同士をつなぐというのはもちろんのこと、親御さんや親子を地域とつなげるサポートを心がけています。杉並区は子育て応援券もあるので、いずれの事業も応援券があるからこそ利用してみようという方もいらっしゃるようですね。

広々としたお庭
広々としたお庭

――4月からは「シュシュ保育室」も始められていますね。

こちらは、昨年度から法制化された小規模認可保育園の枠組みに該当するものです。「つどいの広場」を利用されるお母さんを見ていても、ここ数年で出産後職場復帰する方が目に見えて増え、「保育園に入れるかしら」という不安の声を聞くことも多くなりました。そこで自分たちにできることを考えたときに、施設の空いている部屋を有効活用できないかと思い、始めました。

「シュシュ保育室」は「ひととき保育」とスタッフも部屋も異なります。対象は0~2歳児のお子さん、定員は15名です。小さな施設なので、ひとりひとりに向き合う丁寧な保育をめざしています。年齢によって担当の先生は異なりますが、目が行き届きやすいので、どの先生もみんなのことを知っているという良さがあると思います。

親子のコミュニケーションの場を

遊具も年齢に合わせていろいろ
遊具も年齢に合わせていろいろ

――「赤ちゃんカフェ」や「きずなサロン プチシュシュ」というのはどのような内容ですか

稲葉さん:「赤ちゃんカフェ」は、0歳児親子専用の「ひろば」です。通常の「つどいの広場」だと、対象が0歳から未就学児までと幅広く、0歳児を初めて持つ親御さんはたくさん動き回れる大きなお子さんが同じ空間にいるので不安になってしまうことがあります。それが原因で足が遠のいてしまうケースがあったので、0歳児をもつお母さんがゆっくり過ごせる場所として始めました。週1回、2時間開催していて、0歳児は月齢が違うだけで発達段階が全く変わるので、少し先輩のお母さんから話を聞けるなど、とても良い情報交換の場になっていると思います。

「きずなサロン プチシュシュ」は、「つどいの広場」と内容は同じです。子ども連れだと、移動範囲が限定されてしまい、参加が難しい地域の方もいらっしゃいます。そこで月に1回、「ひろば」がない地域に出張して、その地域のお母さんたちを対象に開催しています。

お友達の輪も広がってゆく
お友達の輪も広がってゆく

――「親子リトミック」というではどのようなことをするのでしょうか

「親子リトミック」は年齢別に4つのコースに分かれていて、月2回開催しています。今注目されているのでいろいろなところで教室が開かれていますが、ここでは稽古事としてのリトミックとは少し趣旨を変え、親子のコミュニケーションを助けたり、親子と地域をつなげたりするひとつの手段、という意味合いを大切にして行っています。定員があるので予約が必要ですが、継続してリトミックの上達を図ることを目的としているわけではないので、1回ごとに申し込んでいただけます。

”リトミックに参加する”という明確な目的があるので、初めての方にとっては「親子ひろば」よりもハードルが低くて参加しやすいようで、当施設に来ていただくきっかけにもなっています。

赤ちゃんにも安心な空間作り
赤ちゃんにも安心な空間作り

――「小学生ひろば」について教えてください。

稲葉さん:小学生1~6年生を対象としていて、火・木の15時~18時半、1回100円で登録した方がご利用できます。「小学生ひろば」は親御さんが仕事で忙しく、家庭学習の時間をとることが難しくなり勉強が遅れがちになってしまう子どものための居場所を作ろう、というのがスタートでした。まず始めに宿題をして、残りの時間はみんなで一緒に話したり遊んだりして過ごせる場となっています。親でもない、学校の先生でもない、地域の大人が子どもと関わるというのは、子どもにとって良い逃げ場にもなると考えています。

「すぎなみ子育てひろばchouchou(シュシュ)」
「すぎなみ子育てひろばchouchou(シュシュ)」

「赤ちゃんカフェ」と「親子リトミック」、「小学生ひろば」については「お茶の間ひろば茶ちゃ」というレンタルスペースで行っています。ここから徒歩30秒ほどのところにあって、多世代が気軽に出会い交流できる地域の居場所を目指して運営を始めたところです。キッチンやピアノも備えていて、地域の方も広くご利用いただけます。

――最後に荻窪エリアの魅力について教えてください

稲葉さん:こちらの施設からは、「荻窪」駅と「西荻窪」駅の両方が利用できますが、JRの駅周辺は駅ビルもあり、なんでも揃っているので、交通の便も良く住みやすいエリアだと思います。この近くにある「桃井原っぱ公園」は遊具などもなく広い野原なのですが、小さい子どもがのびのびと走り回れる自然豊かなとても良い公園です。少し離れると「善福寺公園」もありますし、大きな公園がたくさんあるので子育てにはとてもいい環境ではないでしょうか。「荻窪病院」や「東京衛生病院」と大きな病院も駅の近くに2つあるので、万が一の時にも安心ですね。

子連れで歩いていると、おじいさん、おばあさんが親切に声をかけてくれると、お母さん方から聞いたことがあります。泣いている子を見て「大丈夫だよ」と温かい目で見守ってくれるそうです。杉並区は、地域で子育てがしやすい環境づくりに力を入れているので、当施設も子育てをするお母さんたちがいつ来てもほっとできる居場所でありたいと思っています。

すぎなみ子育てひろばchouchou(シュシュ)
すぎなみ子育てひろばchouchou(シュシュ)

「すぎなみ子育てひろばchouchou(シュシュ)」

副理事長 稲葉文子さん
住所:東京都杉並区上萩3-22-13
電話番号:03-3395-0135
URL:http://chouchou-suginami.com/
※この情報は2017(平成29)年7月時点のものです。