スペシャルインタビュー

地域との結びつきが子どもたちの健やかな成長を促す「練馬区立泉新小学校」

目白通りのすぐ南に立地する「練馬区立泉新小学校」は、児童約550名が通う公立小学校だ。地域住民の熱望によって設立されたとういう学校の名前には、「学びの泉を耕し育み、日々感動を新たにする」との願いが込められている。確かな学力の定着に力を入れる一方、多彩な音楽活動や地域資源を活用した課外学習など、泉新小ならではの取り組みも活発。子どもたちは生き生きとした学校生活を送っている。着任から4年目を迎えられた米田校長先生に、特色ある教育活動や地域とのつながりについてお話を伺った。

練馬区立泉新小学校
練馬区立泉新小学校

合唱から和太鼓まで多彩な音楽を楽しむ

――まずは学校の沿革や特色を教えてください。

「練馬区立泉新小学校」は1969(昭和44)年に開校し、今年度創立48周年を迎えました。住宅街に囲まれた落ち着いた環境の中にあり、子どもたちはのびのびと育っています。本校の一番の特徴は、地域とのつながりがとても深いことです。地域ボランティアが子どもたちのためにいろいろなイベントを企画してくれる青少年育成地区委員会での活動をはじめ、歴代のPTA役員の方々が今も子どもたちとさまざまな形で関わってくれています。

――独自のカリキュラム、力を入れている取り組みはございますか?

算数は習熟度別に少人数指導を行っています。3年生以上は加配の先生を入れて3学級を4グループあるいは5グループに分け、2年生も東京都の教員派遣制度を利用して3学級を4展開で行っています。学力の伸びは学年によって違いますが、こうしたきめ細かい指導によって、少しずつ算数好きが増えてきたなという実感があります。
国語は練馬区の教育課題研究指定校として、子どもたちが自ら表現できる力を身につけさせたいと、校内研究に力を入れています。表現するには論理的な思考力を高めていくことが必要なので、今は説明文をテーマに研究に取り組んでいます。

算数少人数教室
算数少人数教室

音楽活動もとても盛んです。本校は器楽が好きな子が多いのですが、運動会では4年生以上を対象に鼓笛隊を募集し、入場の時のファンファーレなどは子どもたちが演奏をしてくれます。合奏や合唱もふだんから熱心で、3月の「大泉青少年音楽祭」には、毎年有志の子どもたち約40人が合唱で出演しています。地域には「せんば太鼓」という和太鼓の保存会があって、本校の子どもたちがそこで太鼓を習っています。運動会では地域の活動を取り入れ、その子たちにパフォーマンスを披露してもらっています。

――近隣の「光和小学校」、「橋戸小学校」、「三原台中学校」との小中連携、小中一貫教育ではどのような取り組みを実施していますか?

本校と橋戸小の子どもたちが、三原中で理科の実験や社会科の体験授業を受けています。3小学校合同では、小学校のうちから家で自主的に勉強をする習慣をつけさせたいと、昨年度から家庭学習への取り組みを始めました。また、3小学校と1中学校の教員が、お互いの授業を見合うなどしています。
距離が近いため、本校と「三原台中学校」とで行う活動もあります。英語の先生による外国語活動の授業、6年生の部活動体験、あいさつ運動などです。昨年は、三原台中の合唱コンクールがすばらしいので、先ほどの音楽祭参加に向けて歌声を聴かせてほしいとお願いしたところ、有志の生徒たち100名が来て子どもたちの前で合唱してくれました。合唱やあいさつ運動では、生徒会の代表が子どもたちへの応援コメントを放送してくれますが、これから進む中学の生徒さんが話すのを聞くと、6年生の子たちは意識が変わります。褒められるのが嬉しいし、堂々とした話しぶりに刺激を受けるようです。

教室の様子
教室の様子

――オリンピック・パラリンピック教育にも取り組んでいらっしゃるそうですね。

特に力を入れているのが、アスリートと一緒に体を動かす体験交流です。昨年は北京オリンピックソフトボール金メダリストの三科真澄さんをお招きし、4年生と6年生が1クラスずつティーボールの実技指導をしてもらい、給食の時間には金メダルをつけた三科さんが全学年を回ってくれました。おそらく4、6年生は、全員がオリンピアンに触れることができたんじゃないでしょうか。その次の機会には、ブラインドサッカー日本代表の加藤健人さんに来ていただき、体育館で体験活動をしました。今年もいろいろな企画を考えています。

北京オリンピックソフトボール金メダリストにいただいた色紙
北京オリンピックソフトボール金メダリストにいただいた色紙

地域の魅力を子どもたちが発見、発信!

――総合的な学習の時間では、さまざまな課外活動に取り組んでいると伺いました。

三原台・大泉地区のよさを見つけて広めていくプロジェクトに取り組んでいます。5年生の後半から始めて、6年1組は大泉を源流とする白子川、2組は銭湯、3組はアニメをテーマにしています。1組の白子川プロジェクトは、川の保全活動をしている「白子川源流・水辺の会」の代表の方にゲストティーチャーとして協力していただき、廃材で作ったベンチを設置するなど、子どもたちのアイデアが実現する形でどんどんプロジェクトが進行しています。他の学年の子たちにも白子川のことを知ってもらいたいと、近々体育館で発表会も開こうと張り切っています。私もこれほど頑張るとは思っていなかったぐらい、みんな生き生きとやっています。

総合学習で取り組んでいる白子川のプロジェクト資料
総合学習で取り組んでいる白子川のプロジェクト資料

6年1組の子どもたちが白子川プロジェクトについて紹介してくれました!

●学校周辺を探検しに行ったら、白子川テラスを見つけて、みんな「川に入りたいな」と思ったのがプロジェクトのきっかけです。「白子川源流・水辺の会」の人と実際に川に入ってみたら、意外にエビやザリガニがたくさんいてびっくり。そこから、この川をきれいにしていきたいと思いました。

●プロジェクト実践では、ゴミ拾いや生態調査、草むしり、ベンチ作りなどをしました。みんなで協力してやったのできれいになったし、「自然を守ることにつながり、やりがいを感じた」などの感想が出ました。地域の人からも、「こんなにきれいにしてくれてありがとう」など、嬉しい言葉をいただきました。

●手作りしたベンチを白子川へ置きに行き、地域の人に座ってもらいました。本当にテラスの上に置けてうれしかったです。白子川を紹介するパンフレットも作って、お店やマンションに置いてもらえるよう交渉に行きました。いろいろなお店が置かせてくれ、あるマンションでは400枚も置いてくれることになって、作ってよかったと思いました。

●白子川をより美しくしていくために、「泉新 WE LOVE 白子川の会」も作りました。毎週第3土・日曜に、ゴミ拾いや川のリフォーム、イベントなどをやっていくので、たくさんの人が来てくれるとうれしいです!

地域ぐるみで子どもたちを育んでいく街

――地域との交流や、保護者との連携体制についてお聞かせください。

元PTA役員など地域ボランティアによる「学校応援団」があり、子どもたちが放課後夕方5時まで学校で過ごせるように見守りをしてくれています。毎年秋には地域の諸団体が子どもたちに活動体験をさせてくれる「産土まつり」があるんですが、そのまとめ役も学校応援団です。「産土」は故郷という意味で、何代か前の校長先生が考えられた、大切な学校行事。ゲートボール、竹馬、サッカーのキックボード、野球のストラックアウトなど、いろいろな体験ができます。PTAのみなさんも、産土祭りには必ずブースを出してくれますし、学校公開の見回りや登下校時のパトロールなど、安全対策では特に協力をしてくださっています。

――校長先生が思う、三原台・石神井地域の子育て環境の魅力とはどのようなところでしょうか?

やはり、地域と保護者の結びつきがしっかりしていることです。地域の方たちが自分のお子さんが大きくなられてからも、自分の子どもと同じように泉新の子どもたちを大事にしてくれ、いろいろな場面で関わってくださる。昔からこの地域に住んでいる方たちがみなさん地域を大事にされていて、その中に学校があり、学校を大事にすることは地域の子どもを大事にすることにつながる。学校にも、地域にもいい作用があるなと思います。最近は新しい住民の方も増えてきましたが、歴代の住民の方たちと新しく来られたご家庭が関係作りをして、学校のため、地域の子どもたちのためにボランティアで頑張ってくださる地域だと思います。

びくに公園
びくに公園

緑もあるし、子どもたちは公園が大好きです。三原台中のすぐそばにある公園ではたくさんの子が遊んでいます。自転車を使えば駅からも近いので、そういう面でも暮らしやすい環境だと思います。

練馬区立泉新小学校 米田典子校長先生
練馬区立泉新小学校 米田典子校長先生

練馬区立泉新小学校

校長:米田典子 先生
所在地:東京都練馬区三原台3-18-30
TEL:03-3925-4343
URL:http://www.senshin-e.nerima-tky.ed.jp/
※この情報は2017(平成29)年7月時点のものです。