国本学園 国本幼稚園 小川のり子園長先生 インタビュー

心を健やかに育み、子どもたちの個性を伸ばしていく「国本幼稚園」の取り組みとは

小田急線「喜多見」駅から徒歩2分の国本学園「国本幼稚園」。幼稚園から高校までの一貫した教育環境で子どもたちは人間関係や生きる力を学んでいく。「くにもとさほう」で礼儀作法を身につけ、毎月のお誕生日会で行われるピアノ演奏で感性を磨いていく。幼児体操などの課外クラス、給食、預かり保育と子育てサポートも充実している。そんな「国本幼稚園」について小川のり子園長先生にお話を伺った。

素直さの中に芽生える自立心

国本幼稚園の外観
国本幼稚園の外観

――「国本幼稚園」の沿革と教育目標について教えてください。

小川園長先生:「国本学園」は有木春来先生によって1953(昭和28)年に創立された、幼稚園、小学校、女子中学校、女子高等学校からなる総合学園です。現在園児は約290名おり、「子どもらしさ、明るさ、素直さの中に自立心の強い、のびのびとした子どもを育てること」を教育目標としています。「幼稚園は楽しい」と思える豊かな経験と、人と人の繋がりを通して、思いやりや礼儀を大切にする心、また、自ら学び、自ら考える力、正義感や倫理観などの豊かな人間性と健康な体力を身につける事が大切だと考えており、そのような力がつくようなカリキュラムのもと、日々子どもたちと学び合っています。本園のキャッチフレーズは「あんしん・ていねい・よろこびいっぱい。気持ちがあふれ、あたたかい、心通う幼稚園」です。

リサイクルアートを楽しむ園児たち
リサイクルアートを楽しむ園児たち

―― 子どもたちの一日の過ごし方についても教えてください。

小川園長先生:子どもたちは、朝8時半から9時半の間に登園して身支度をします。9時半になるとみんなで集まって朝の挨拶をし、11時まで自由遊びの時間です。11時からは音楽やリトミック、製作やリサイクルアートなどの課題を行います。12時に昼食を食べてから午前中の続きを行い、午後1時半には降園という流れです。

幼小中高の連携で子どもたちに新たな体験を

制作物を作る子どもたち
制作物を作る子どもたち

――「国本学園」の附属幼稚園であり、同じ敷地内に小中高校もありますが、相互連携の取り組みや特色はありますか。

小川園長先生:本学園では、幼小連携交流会を行っており、5年生の子どもたちが園児たちと交流を深めるために、幼稚園に訪れます。子どもたちは各クラスに入り、園児たちと一人二組のペアを組んで、製作やゲームをしたり、一緒に給食を食べたりして交流を深めています。高校生との交流では、将来保育関係の仕事に就きたいという学生たちが体験にくることもあります。記念祭では高校生がボランティアで何人か訪れ、子どもたちと一緒に買い物に行ったりしてもらっています。そういう交流があると園児たちも「この前遊んでくれたお姉さんに」と、お手紙を書いたりして、学園ならではのつながりを育んでいます。

「くにもとさほう」を通して豊かな心を育む

「目をみて」聞く園児たち
「目をみて」聞く園児たち

―― 礼儀作法を身につける「くにもとさほう」というのがあるそうですね。

小川園長先生:本園では、礼儀作法を身につけるために「くにもとさほう」というのを作り、以下の3つのお約束を各教室に貼っています。

  • お話を聞く時は「目をみて」聞く
  • お返事・挨拶は大きな声ではっきり言う
  • お世話になった時は目を見て「ありがとうございました」

「国本幼稚園」は、子どもたちが自ら周囲に働きかけ、その子なりに試行錯誤を繰り返し、主体的に活動に参加し、成長に必要な豊かな心を獲得していく環境作りに努めています。一人ひとりの学びや経験の過程を何より大切にし、課題発見力・協同する心・実行力などそれぞれに正解はありません。このような「見えない力」をどう育成していくのか、目に見えない価値や意味を感じる心と、脳の発達と心の発達の双方でバランスのとれた子どもを育てるために、子どもたちは力いっぱい遊び、様々な実体験と広い人間関係の中から感動を味わい、人間としての思いやりの心や豊かな感性を育んでいます。

先生の話をしっかり聞く子どもたち
先生の話をしっかり聞く子どもたち

周りに心地良さを与える生き方を身につけ、成長していくよう、常に子どもの目を見て、真心を込めた眼差しを注ぐ事に努めています。自分と同じ目線で接してくれる大人がいるという安心感の中で過ごせるよう、本園は一瞬一瞬の子どもの気持ちを大切に見守り、子どもが愛されていると感じる幼稚園生活を展開しています。

「国本幼稚園」独自の行事

お店屋さんごっこ
お店屋さんごっこ

―― 特長ある行事や取り組みについても教えてください。

小川園長先生:毎月お誕生日会を開催しています。その際に、先生たちにピアノの連弾をしてもらっています。ディズニーのメドレーやモーツァルトのソナタなど、子どもたちもきれいな曲を聴いて楽しんでいます。他にスクリーンを使って本を読んであげたり、寸劇やマジックをしたりと趣向を凝らしています。

終業式で演奏する子どもたち
終業式で演奏する子どもたち

小川園長先生:また、コマやけん玉、折り紙、あやとりなどの日本古来の伝承遊びにも親しんだり、お昼ご飯ではクラシックを聞きながらお食事もしています。終業式には音楽会を開催していて、年長はミュージックベルと手話を行っています。また、リズムを身につけリズムよく生きることが美と調和を生み出し、心と身体をスムーズに動かす原動力になると思いリトミックを行っています。これは全て情操教育の一環として進めています。毎週金曜日には保育の中で体育指導をしています。心も身体もバランスよく成長し、運動能力向上のために導入しました。

2月には「お店屋さんごっこ」という、子どもたちが自分たちで何を作るのか考え、お寿司屋さんをやったり、たこ焼きを作ったりするイベントを開催しています。年長組が年少組、年中組を招待して、手作りのお金とお財布を持って買い物に出かけます。「たこやき、おいしいよ!」とか「お寿司安いよ!」と子どもたちは呼込みも一生懸命行っています。

課外クラスで目に見える効果を実感

課外クラスのサッカー
課外クラスのサッカー

―― 課外クラスのコースや内容について教えてください。

小川園長先生:月曜日と金曜日に幼児体操、月曜日と木曜日にピアノ、火曜日が造形教室で、水曜日に英語とサッカーを開いています。2014(平成26)年からチアリーディングも始めました。幼児体操は、幼児期に運動全般の基本的な動きを身に付け、体を動かす楽しさや、多様な動きを経験することで総合的に運動能力を高めることを願い、1981(昭和56)年に始めました。日常生活の中で、動きが機敏になったり、力の加減をコントロールできるようになったり、また我慢強く積極的に物事に取り組むようになったなど、目に見える効果もあります。体を動かしていることで、とっさの時に身を守ることにも繋がります。

給食の様子
給食の様子

―― スクールバス、給食、預かり保育など、共働きのご家庭も助かるさまざまなサポートも整っていますね。

小川園長先生:スクールバスはひまわりバス、ぺんぎんバス、つばめバスの3台を運行しています。給食は、木曜日のみお弁当を持ってきてもらっています。預かり保育「にじ組」は1984(昭和59)年から行っていて、水曜日は午後3時半まで、それ以外は午後5時半までお預かりしています。

2歳児保育も9時半から11時半まで親子同伴で行っています。近年、共働きのご家庭が多く、なかなか他の保護者の方々と交流を持つことが時間的に難しいご家庭もあるので、子育ての相談がてらお母さん同士が仲良くなってもらえればと思い、始めました。未就園児保育の「ぴよっこ会」というのも5月・6月・9月・10月の年4回開催しています。

様々な実体験をすることが子どもの糧になる

調理実習
調理実習

―― 普段、園児や保護者の方々と接していて感じることや、印象について教えてください。

小川園長先生:私がよく保護者の方々にお伝えしていることは、「様々な実体験をすることが子どもの糧になる」ということです。広い人間関係の中でいろいろな挫折感や喜びを体で経験していくことが幼児期に大切だと考えています。今は核家族化や少子化、情報化の中で人間関係が希薄になり、過干渉、過保護で「生きる力」が弱くなっている一面もあります。楽だからといって一日中テレビを見せて過ごすのではなく、手間暇をかけて子育てすることによって、親子の絆がさらに深まります。「危ないから」といって全ての行動を制限するのではなく、見守りながら体験させてみることが大切です。

母の日に似顔絵をプレゼント
母の日に似顔絵をプレゼント

―― 親子で取り組む行事もあるそうですね。

小川園長先生:そういったコミュニケーションが親子でしっかりとれるように、本園では、親子で参加する春の遠足を開催しています。2015(平成27)年の遠足では、オリエンテーリングを開催し、ポイントの箇所に立っている先生の所に行って、スタンプを押してもらい、全部押してもらったらゴールというゲームも盛り込んだり、母の日や父の日には講堂で一緒にゲームや体操をして、その後、教室で歌を歌ったり、お母さんやお父さんの顔を描いたりしています。それにも付加価値を付けて、「笑っているママの顔が好き」や「お料理している顔が好き」など一人ひとり発表してプレゼントをしています。

子どもたちの作品展示
子どもたちの作品展示

10月の第3土・日曜日には「記念祭」を学園全体で行い、教室には子どもたちの作品を展示します。前日はオープニングコンサートで、幼小中高全員で「BELOEVE」という歌を歌います。幼稚園の子達は手話をしながら合唱しています。記念祭は保護者主体で、お母さん達が協力してバザーやミニ売店、金魚すくいや段ボール迷路などのゲーム、講堂では焼きそばやワタアメなどを開き、子どもたちを楽しませてくれています。

地域の方の前で合唱
地域の方の前で合唱

地域で子どもたちを見守る温かい街、喜多見

川原を散策
川原を散策

―― 地域との関わりもあるそうですね。

小川園長先生:毎年、焼き芋パーティーを開催しています。卒園児の中に農家を営んでいるご家庭のお子さんがいて、卒園児の保護者のご厚意でお芋を掘らせていただいています。掘った後、2、3日干すと甘くなるんですね。それを洗って、新聞紙とアルミホイルで包み、農園に行くと、ご夫婦で準備して頂き、火を起こしてくれて、そこに並べて焼いていきます。この焼き芋が世界一美味しいという子どももいるほどです。

―― 喜多見エリアの魅力、住みやすさ、おすすめのスポットについて教えてください。

小川園長先生:「喜びを多く見る」という名の通り、のどかな雰囲気が漂う昔懐かしい面影が残っている住みやすい街です。「喜多見商店街」の皆様は「国本幼稚園」の園児たちを優しく見守ってくれる心温かい方々が沢山いらっしゃいます。「喜多見」駅すぐのところには、「きたみふれあい広場」や野川があるので、子どもたちがお散歩に行って遊んだりしています。少し離れたところには「氷川神社」があり、畑や果樹園などもあって、自然いっぱいの静かで住みやすい環境です。

きたみふれあい広場
きたみふれあい広場

―― 喜多見エリアに今後新たに住まわれる方へメッセージをお願いします!

小川園長先生:本園以外にも保育園などの教育施設がたくさんある点が魅力ではないでしょうか。子育てしながら働く保護者の方々にはぴったりのエリアだと思います。また、身近にスーパーマーケットもあるので、子育て環境だけでなく、生活環境としても魅力ある街です。

先生
先生

国本幼稚園

園長 小川のり子さん
所在地 : 東京都世田谷区喜多見8-15-33
TEL : 03-3416-4724
URL:http://www.kunimoto.ed.jp/tabid/70/Default.aspx
※この情報は2015(平成27)年12月時点のものです。