スペシャルインタビュー vol.2

“楽しく”かつ“育成”にも取り組む「わかば学童クラブ」のいま

調布市立若葉小学校に近接して建つ「調布市立わかば学童クラブ」は、学童保育のニーズの高まりとともに2009(平成21)年に開所。調布市内5つの学童クラブと、放課後の居場所づくりとして行われている調布市放課後子供教室事業「ユーフォー」にも取り組む社会福祉法人「東京かたばみ会」が調布市から委託されて運営する施設だ。市内に居住し、保護者が就労などにより、昼間家庭にいない小学校1~6年生までが利用できます。今回は、施設を利用する子どもたちに“あべっち”の愛称で親しまれている児童支援員の阿部純さんに、「わかば学童クラブ」の日々の取り組みや特色についてお話を伺った。

ニーズの高まりを受け2009(平成21)年10月に開所

調布市立わかば学童クラブ
調布市立わかば学童クラブ

――まず、施設の概要についてお聞かせください。

阿部さん:「わかば学童クラブ」は、2009(平成21)年に開所した調布市立の学童クラブです。当時からこの地域には、「仙川」駅近くの「東部児童館」の中に「東部児童館学童クラブ」があったのですが、学童保育のニーズの高まりとともにこちらでも学童クラブの運営をスタートすることになりました。

現在は70名の児童が通う
現在は70名の児童が通う

道路をはさんで向かいにある「調布市立若葉小学校」と「つつじヶ丘」駅の北口にある「調布市立滝坂小学校」の2校が受入れの対象となっていますが、現在は「調布市立若葉小学校」から通うお子さんがほとんどです。

現在の利用児童数は70名で、1年生が20名、2年生が27名、3年生も20名で、1年生から3年生で全体の9割以上を占めています。

まず何よりも“学童クラブが楽しいところ”でなくてはならない

家庭に代わる“遊び”や“生活”の場を提供している
家庭に代わる“遊び”や“生活”の場を提供している

――「わかば学童クラブ」の特色についてお聞かせください。

阿部さん:利用している保護者の方からは、「自由な雰囲気のなかで元気いっぱい遊んでいる」という感想をいただいています。

なかには民間学童と呼ばれる施設と比較して、「もっと勉強をさせてください」や「英語を習わせてみては?」といったさまざまなご意見もいただくのですが、そもそも「学童クラブ」とは、家庭に代わる“遊び”や“生活”の場を提供し、集団生活の中で子どもの健全な育成を図ることを目的としています。

子どもたちが楽しく過ごせるように工夫している
子どもたちが楽しく過ごせるように工夫している

そのため運営するうえで大切にしているのは、まず何よりも“学童クラブが楽しいところ”でなくてはならないと思っています。

学校が終わってから学童クラブに行くのが嫌だと、学校にも行かなくなってしまう可能性すらあるため、まず“楽しいところ”であることがもっとも重要だと感じています。職員の心構えとしても、子どもたちと関わるうえで一緒になって一生懸命遊びますし、職員みずからも楽しんで遊ぶことが大切です。

ルールを守ることも大切な学びである
ルールを守ることも大切な学びである

また集団生活を送るうえでのルールや決まりごとを伝えることも重要で、時間を守ること、約束を守ること、おもちゃや道具を大切に扱うことなど、“楽しく”かつ“育成”をしっかり行うことが「わかば学童クラブ」の目指すところです。

先生ではなく育成者としての眼差しで接する児童支援員

子どもたちを温かく見守る児童支援員
子どもたちを温かく見守る児童支援員

――子どもたちと児童支援員の皆さんとの普段の関わりはどんな様子なのでしょう?

阿部さん:詳しい経緯は分からないのですが、調布市では、学童クラブを第二の家庭と捉え、スタッフは先生ではないという考え方から児童支援員はすべて子どもたちにニックネームで呼ばれています。玄関にスタッフの顔写真とニックネームを記した一覧を掲示して覚えてもらいます。ニックネームで呼び合うような関係性は、児童支援員は“育成者であって先生ではない”という意識から生まれるもので、子どもたちも学校とは違う雰囲気のなかでのびのびと過ごしています。

敷地内は広々としている
敷地内は広々としている

「わかば学童クラブ」は立地的にも恵まれた広い庭のある施設のため、外に遊びに行かなくてものびのびと敷地内で遊ぶことができます。庭には緑も多く、ダンゴムシやカマキリ、バッタをつかまえて遊ぶ子どもの姿も見られますし、5月にはさくらんぼ、6月には桃を収穫してみんなで美味しくいただきます。

8月の最終金曜日におこなわれる「わかば学童商店街」

季節ごとのイベントも行う
季節ごとのイベントも行う

――年間を通したイベントにはどのようなものがありますか?

阿部さん:春の対面式や夏の学童プール、秋の親子ピクニックなど季節に合わせたイベントはもちろん大切にしていますが、8月の最終金曜日に行われる「わかば学童商店街」も特色のある催しのひとつです。子どもたちが「雑貨」「手芸」「おもちゃ」「ゲーム」の4つのお店に分かれて商品を売る人、買う人がそれぞれ買い物の楽しさを体験します。

また、「東部児童館」と「若葉小学校」へお出かけする機会があり、校舎内を利用して放課後の居場所づくりとして行われている「若葉小学校」の「ユーフォー事業」との交流には毎回150人もの子どもたちが集まり大いに賑わいます。

地域に開かれた施設運営を目指して

子どもの様子を見れる機会を提供している
子どもの様子を見れる機会を提供している

――保護者や地域の方との関わりについてもお聞かせください

阿部さん:6月に保護者の方と個人面談を行わせていただいたのですが、お子さんのいる時間帯に来ていただけるように事前にアナウンスを行い、他のお子さんたちと遊んでいる普段の様子を見ていただきました。

これは学童クラブの現状をご理解いただくことにもつながり、子どもたちが限られたスペースと環境のなかでそれぞれ工夫をしながら過ごしている日々の頑張りを目にしていただくことができるからです。

「わかば学童クラブ」を運営する「社会福祉法人東京かたばみ会」では高齢者福祉施設も運営していますが、近隣に別の社会福祉法人のケアセンターがオープンしたのをきっかけに、定期的な交流の機会を持たせていただいています。 「夏まつり」の招待も受けていて、学童クラブでも希望者を募って遊びに伺う予定です。

地域のケアセンターとのつながりも持つ
地域のケアセンターとのつながりも持つ

おじいちゃん、おばあちゃんと接する機会も少ない時代ではありますし、フラフープを披露したり、歌ったりして、「すごいね!」とたくさん褒めてもらえると子どもたちにとっても楽しい貴重なひとときになっているようです。

過去には紙芝居の読み聞かせをしてくださる地域のボランティアや人形演劇を披露してくださる地域の団体もいらっしゃったようで、今後も地域に開かれた施設運営を行うことで、子どもたちにとってより良い環境を提供していきたいと思います。

調布市立わかば学童クラブ

児童支援員 阿部 純さん
所在地:東京都調布市若葉町3-1-25
電話番号:03-5314-3931
URL:http://www.katabamikai.jp/gakudou/wakaba.html
※この情報は2017(平成29)年8月時点のものです。