西東京市立本町小学校 校長 保谷力先生インタビュー

学校づくりは、まちづくり。地域と一体となって子どもたちを育てる「西東京市立本町小学校」

2001(平成13)年に田無市と保谷市が合併してできた西東京市。街としてはまだ新しいが、武蔵野台地が育んできた自然に囲まれた豊かな風景が魅力のエリアだ。また、街中には昔ながらの商店街や実り豊かな農地も見られ、穏やかでゆったりとした時が流れている。そんな原風景に囲まれながら、すくすくと育つ子どもたちがいる「西東京市立本町小学校」。地域や外部機関と連携し、地域みんなで子どもたちを育てていく本校の取り組みについて、保谷力校長先生にお話しを伺った。

授業を提供するだけではない、西東京市立本町小学校の大きな役割

西東京市立本町小学校 保谷力校長先生
西東京市立本町小学校 保谷力校長先生

――まず、学校の沿革をお聞かせください。

保谷校長:本校はもともと、旧保谷市の本町にあることから「保谷市立本町小学校」として1979(昭和54)年に創設されました。2001(平成13)年の保谷市と田無市の合併によって「西東京市立本町小学校」と校名を変更し、2016(平成28)年で36周年を迎える、学校としてはまだ若い学校になります。

西東京市立本町小学校 外観
西東京市立本町小学校 外観

――学校の特徴的な取り組みとして、どのようなことを行っていますか。

保谷校長:特徴的な点としては、本校にはPTAがありません。その代わりに「世話人会」というものがあり、学年行事の時の受付や事務をやっていただいたり、様々な面でご協力いただいています。基本的に学校というのは、もはや教師陣だけでは運営していけないものだと思います。様々な課題がある中、保護者と学校とが協力していかないと、子どもたちを育てていくことは難しいです。大切なのは「何を家庭と学校が連携して行っていくか」ということ、そして「地域とのつながり」だと思います。

保谷校長:この地域には、「育成会」という柳沢商店街を中心に活動をされている方々がいらっしゃるのですが、登下校時に通学路に立って子どもたちに声をかけてくださったり、学校にとても関心を持ってくださっています。こうした活動は、次世代の街をつないでいく人たちに対して「まちづくり」をしてくださっていると思うのです。そのような「学校とのつなぎ」をしていかなくてはいけないと思いますし、それは学校の大きな役割なんですね。私は、学校をつくることは「まちづくり」だと思っています。

保谷校長:学校は授業を提供するだけではなくて、その先のこと、つまりこの街をどうつくっていくか、人と人との環境をどうつないでいくかというところに大きな役割があると思います。なので、本校の教育では地域や他の大学や施設との連携など、なるべく人を多く学校へ集めてくることに努めています。

主体的に学び、新しいものを創り出す力を育てる教育

西東京市立本町小学校 保谷力校長先生
西東京市立本町小学校 保谷力校長先生

――学習面では、どのような取り組みを積極的に行っているのでしょうか。

保谷校長:「アクティブラーニング」を積極的に取り入れています。アクティブラーニングとは、一方向的な知識の伝達ではなく、児童が主体的になって学ぶことです。では何がアクティブかというと、子どもたちの思考がアクティブになるという話をよくします。例えば、1枚の資料を出すと、子どもたちは頭でものすごく考えます。子どもたちが話し合って考えていく中で答えに導いていく、そのような授業を理科の授業から取り組んでおります。

授業の様子
授業の様子

大学の先生をお招きした授業
大学の先生をお招きした授業

――具体的な取り組みのひとつとして、大学の先生をお招きした授業を行っているそうですが、児童の反応はいかがですか。

保谷校長:こちらの取り組みは今年で4年目になります。他の先生の話を聞いていると、子どもたちは喜んでいるようです。企業の最先端で研究開発などに携わっている教授なので、おそらく授業はいつもより難しいと思います。ただ、過去の授業を振り返ってみると、みかんを直列につないで電気を発生させたりする実験など、「こんなもので電気が発生するんだ!」や「環境に配慮できるんだ!」といった驚きを与えるような内容の授業が多いですね。

ラグビー教室の様子
ラグビー教室の様子

――その他に、地域と学校が協力して取り組んでいることはありますか。

保谷校長:「横河武蔵野アトラスターズ」というラグビーチームの選手たちが来校し、児童たちと交流を図るラグビー教室を毎年行っています。それから、本校の隣が保谷中なのですが、「出前授業」といって中学校の先生が来て体育の授業をしてくださったり、運動会などの時にはお互いに応援ポスターを校舎に貼り出したりと毎年交流をしています。

保谷校長:学校主体の取り組みとしては他にも、「あいさつ運動」があります。これは本校の児童と保谷中の生徒、そして柳沢商店街の「育成会」が地域ぐるみで行っているものです。また、児童保護者のお父さん方で構成されている「おやじの会」というのがあり、学校の取り組みの中で様々なお手伝いをしていただいています。先日も、「おやじの会」と先生方が集まって、テニスボール500個に穴をあけ、1年生から4年生までの児童の椅子に装着してくださいました。

「本町っこ祭」の様子
「本町っこ祭」の様子

――学校主体では「本町っこ祭」というイベントも実施されていますね。
こちらについて詳しくお聞かせください。

保谷校長:「本町っこ祭」というのは、ものづくりを主体にしたお祭りです。例えば、お客さんを呼んで設計図に合わせてパラシュートやゴムで飛ばすおもちゃなどを作り、それをお土産に持って帰ったもらったりと他者と一緒に何かをやるといったことを中心に行っています。また、当日は授業参観にして保護者の方にも参加していただいていますので、特に低学年の親御さんはよくいらっしゃっていますね。

異なる世代の人たちとの交流も大切に

3年生と「見守りボランティア」の皆さんとの交流会
3年生と「見守りボランティア」の皆さんとの交流会

――その他にも、3年生と見守りボランティアの皆さんとの交流会なども行っているようですが、こちらはどのような交流会なのでしょうか。

保谷校長:「見守りボランティア」というのは、朝晩街中に立って、子どもたちの登下校を見守ってくださったり、行事に参加していただいたりしているボランティアの方たちなんですが、その方たちを3年生のクラスの給食にお呼びするんですね。皆さん、子どもたちとの交流をたいへん楽しんでくださっています。

西東京市立本町小学校の掲示板
西東京市立本町小学校の掲示板

――こうした幅広い年齢層の方達とふれあいは、児童の皆さんやその他学校にどのような影響を与えていますか。

保谷校長:ボランティアの方たちがおっしゃっていたのですが、最初はあいさつしてもそっぽを向いているような子も、何回も顔を合わせているうちに「今日学校でこんなことがあったよ」ということを話に来るようになってくるんだそうです。顔を合わせる回数が増えると、気心が知れてくるのでしょうね。そういった意味では、できればそういった異なる世代の方たちにたくさん来ていただくような雰囲気の学校になったらいいなと思います。

子どもたちが伸び伸びと学び、遊べる、豊かな自然が魅力のエリア

東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 西東京フィールド
東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 西東京フィールド

――西武柳沢エリアの魅力について教えてください。

保谷校長:何と言っても、緑の街であることが最高の魅力ですよね。私はもともと西武柳沢周辺で生まれ育ったのですが、以前の職場から初めて出張に来た時に、道につくしんぼが一面に生えている様子を見て「やっぱり戻ってきてよかったな」と思いましたね。特におすすめのスポットは、東京大学の農場(東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 西東京フィールド)ですね。隣には東京大学の田無演習林(東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林田無演習林)というのがあるのですが、とてもすごいです。直径1メートル程度のクスノキがあったりと、東京にこんな林があるのかと思うくらいの原生林なんです。中には広場もあるのですが、見渡す限り一面草原で、つい先日も子どもたちを連れてトノサマバッタを獲りに行きました。一般の方も入れます。やはりここは、緑と文化の街なんでしょうね。子ども達も素直で子どもらしい子たちが多いです。

西東京市立本町小学校
西東京市立本町小学校

西東京市立本町小学校

校長 保谷 力先生
所在地 :東京都西東京市保谷町1-14-23
TEL :042-467-5956
URL:http://www.nishitokyo.ed.jp/e-honchou/
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。