自ら考え表現する力の育成に力をいれる「練馬区立光が丘四季の香小学校」

都営大江戸線「光が丘」駅周辺には、「都立光が丘公園」のほかに、「四季の香公園」、「春の風公園」、「夏の雲公園」、「秋の陽公園」と4つの大きな公園があり、それぞれの公園近くには、公園と同じ名を持つ小学校がある。今回は「四季の香公園」に隣接した「練馬区立光が丘四季の香小学校」の教育方針や活動、さらには地域の魅力について、校長の高野博文先生にお話を伺った。

2010年に開校した新しい学校

高野博文校長先生
高野博文校長先生

――2010(平成12)年開校と新しい学校ですが、開校までの経緯を教えてください

高野先生:2008(平成20)年に「光が丘第一小学校」と「光が丘第二小学校」の統合準備委員会を発足し、2009(平成21)年に「光が丘四季の香小学校」という校名に決定しました。2年間の統合準備期間を経て、2010(平成22)年4月に正式に開校しました。2つの小学校が統合してできた学校ですが、教職員、保護者の方々も1つに結束しており、とくに保護者の方々の「地域全体で子どもたちを育てよう」という積極的な姿勢には助けられています。

普通学級と通級指導学級や各種専門教室のほか、特別なものではランチルームがあります。ランチルームでは、月に1回お誕生給食を開いたり、音楽会の練習、放課後の学童保育で使用するなど、多目的ルームとなっています。放課後のサポートも、在学中のお子さんを持つ保護者の方や一般の地域住民の方が「学校応援団」として、子どもたちを見守ってくれています。

ランチルーム
ランチルーム

――教育目標と、それを目指すにあたって特に力を入れていることを教えてください

高野先生:教育目標は「自ら考える子」「思いやりのある子」「たくましい子」の三本柱で、現在は「自ら考え表現する力」の育成に力を注いでいます。たとえば、3年生以上の算数の少人数指導や、国語科を中心とした研究を進めることで、児童の表現力を伸ばす教育に力を注いでいます。また、遠足・社会科見学などの行事では、社会マナーや協調性などを養えるよう、バランスを考えた教育を目指しています。

学校としては、「楽しい学校」「安心できる学校」「きれいな学校」でありたいと考えています。「楽しさ」は友だちと遊んだりする楽しさだけでなく、“学ぶ楽しさ”、“発見する楽しさ”、“知らなかったことを知る楽しさ”、“できなかったことができるようになる達成感”なども感じられるようにしたいですね。「きれいさ」についても、外観や施設の清潔感だけでなく、教職員同士の情報共有や、学内の情報を包み隠さない、正確な情報を正しい経路で保護者の方たちに伝える“開かれた学校”としての「きれいさ」も表しています。

自ら考え表現する力を育てる

校門
校門

――国語科での具体的な活動を教えてください

高野先生:国語科では、全学年それぞれのレベルに合った研究授業の中で「自ら考え表現する力」を育成しようというもので、2015(平成27)年からスタートしました。一時間の授業ごとに課題を設けるのですが、まず「自分で学びタイム」で児童一人ひとりが課題について考え、その後、グループでそれらを意見交換する「学び合いタイム」を行うことで、お互いの意見を交換します。他人の価値観を知った上で、「振り返りタイム」でさらに考えを深めていくという流れです。実は、以前から理科でもそうした授業体系を構築していたので、それを「国語科」に応用した形になります。「自ら考え表現する力」の育成については、「国語科」が中心にはなっていますが、全科目を通じて、子どもたちが自ら考えたり、他人の意見や主張を聞いたりする姿勢を養っていけるような授業を行っています。

すでに学習の流れがしっかりと出来上がっているため、「学び合いタイム」では子どもたちから活発に意見が出ますが、中には自分の価値観を積極的に表現できない子どもいます。そうした子どもたちにはワークシートなどを書いてもらうことで、できる限り、自らの考えを表現できるようなサポートを行っています。

校内の掲示物
校内の掲示物

――そのほか、特徴的な取り組みがあれば教えてください

高野先生:異学年交流やなかよし班活動などを通して、児童相互の交流を図ることで自己肯定感を育み、いじめや差別のない学校づくりを推進しています。いじめに成長してしまいそうな芽を発見したら、それが芽の内に解決するように、教職員がいじめとなる初期段階で察知するアンテナを高くするよう全校で共有しています。教職員に対しても、担任ひとりが悩まずに、教職員全員で考える風土が醸成されています。

さらに、本校は特別支援学級の拠点校となっており、「こぶし学級」というものがあります。「こぶし学級」は、在籍している通常学級に通学しながら、週に1日「こぶしルーム(特別支援教室)」に通い、自分の課題に合った学習に取り組んだり、支援を受けるスタイルとなっています。「こぶし学級」には担任が5名と、特別支援教室専門員が1名在籍しています。「こぶし学級」を通して、子どもたちに思いやりの心を育んでいけることを願っています。

こぶし学級
こぶし学級

小中が連携して道徳心を育む

――周辺の学校との連携についてはいかがでしょうか?

高野先生:「光が丘第一中学校」との一貫教育を行っています。“児童・生徒・教師間の豊かなコミュニケーションを育む小中の連携”をテーマに、年4回の合同研修会や、授業・行事・生活指導などで連携を深めています。また、本校の児童がスムーズに中学校に移行できるよう、6年生になると中学校の授業や部活の見学も行っています。

教員同士も各教科の情報共有を行っており、「道徳」の授業では、教職員研修センターとも連携しつつ、小学校の授業内容を中学校に検証してもらい、中学校からフィードバックするなど、積極的な取り組みを推進しています。「道徳」の授業だけでなく、たとえば、家庭科であれば「家族の一員としての生活」、図工であれば「情操教育を通じての道徳観」、社会科であれば「社会形成者の自覚」といったように、全科目に道徳的な要素を盛り込んでいます。さらに、生活指導においても、より道徳的な考え方に配慮した指導を行っています。

図工室
図工室

――校長先生から見た「光が丘四季の香小学校」の印象を教えてください

高野先生:本校に着任して驚いたのが、8時半から開始する児童朝会でのことです。教職員・児童が8時半前に全員きちんと並び終わっていたのです。あたり前のようで、400~500人の児童がいる小学校では、意外と完璧にできることではありません。児童はもちろん、本校の規律の良さ、時間を守る意識など、教職員の意識が高いことも実感しました。

また、個人的な感想ですが、子どもたちが明るく元気であること、人懐っこいかわいらしさがあります。まさに“子どもらしい子どもたち”と言えると思います。保護者の方たちの協力体制も素晴らしいです。先日も、PTA主催のイベントを行ったのですが、教員や保護者だけでも約40人集まって、イベントを盛り上げてくれました。そんな地域との連携やPTAとの円滑なコミュニケーションは、副校長の力も大きいと思います。

地域連携により、地域全体で子どもたちを育む

地域や保護者の協力も手厚い
地域や保護者の協力も手厚い

――それでは、地域連携について副校長先生からも教えてください

関根先生:本校は有志による「学校応援団」があり、在校中の生徒の保護者だけでなく、卒業生の保護者も参加して、児童を見守ってくれています。PTAも意欲的かつ協力的な方たちが多く、PTA主催のイベントでは「子どもたちが楽しめる環境を作ろう」という想いが実感できます。また、年に1回開催される「応援団まつり」では団長を中心に部会が設けられ、多くの模擬店などで参加してくださいます。児童と保護者で500人くらい集まり、私も驚いたほどです。さらに、本校が所属する青少年育成委員会の第五地区主催で、潮干狩りやミカン狩りといった行事も開催しました.

地域イベントとしては、光が丘の地区祭が行われた際、本校の図工作品展示を行ったり、金管バンドの演奏も行いました。どのイベントも、児童やその保護者の方々の参加率が高いのも特長と言えます。「光が丘公園」という自然環境面だけでなく、近隣住民の人たちに見守られている点でも、このエリアの子どもたちは恵まれていると思います。

――子育て環境としても恵まれた街だということですね

関根先生:先ほど挙げた「安心できる学校」という点においても、近くに防災公園でもある光が丘公園があるのも心強いですね。避難訓練も実態に即した実践的なスタイルで行っており、訓練のための訓練はしていません。また、「光が丘公園」の敷地内でも400~500名の児童を避難させるにはどの場所が安全かも検討しています。

光が丘公園
光が丘公園

――光が丘エリアの街の魅力を教えてください

高野先生:光が丘という街は、新しく整備されて作られた街で、「光が丘公園」をはじめとするいくつもの公園もあるので、街並みとして圧迫感がないところでしょうか。また、警察、消防署、郵便局、図書館といった公共施設も多く、全てを近隣で済ませられる点でも便利だと思います。何より、「地域全体で子どもたちを育てよう」という姿勢を持った方たちが多いのが、最大の魅力ではないでしょうか。

光が丘のメインストリート
光が丘のメインストリート

練馬区立光が丘四季の香小学校
練馬区立光が丘四季の香小学校

光が丘四季の香小学校

校長 高野博文先生、副校長 関根幸男先生
所在地:練馬区高松5-24-1
TEL:03-3977-2712(事務室)
URL:http://www.shikinokaori-e.nerima-tky.ed.jp/
※この情報は2016(平成28)年11月時点のものです。